
Indeed Japan株式会社は、求人掲載賃金の上昇率は2025年6月時点で前年同月比の3か月移動平均+2.9%となり、5月の+3.3%から鈍化が続いているものの、鈍化のペースが緩やかになってきている可能性があるとしています。一方で、前年同月比の直近値では6月が+2.74%で、5月の+2.66%を若干上回っており、一時的に鈍化に歯止めがかかる兆候も示されています。

職種別の動向では、求人シェアが0.1%以上を占める37職種のうち約62%で賃金上昇率が前月より鈍化している一方、約38%の職種では上昇率が加速または持ち直す傾向が見られました。特に歯科、マーケティング、医療技術、機械工学、不動産などの職種では前月に引き続き賃金上昇率の加速が観察されました。また、保育、医療事務、設備管理、経営、建設といった職種でも前月の鈍化から反転し上昇率が改善に転じていることが確認されています。これに対し、求人シェアの大きい飲食、小売り、事務、介護などの職種では依然として賃金上昇率の鈍化傾向が続いているとのことです。

レポートは、こうした職種間のばらつきについて、企業の賃金に対する姿勢や経済の不確実性といった共通要因に加え、業種・職種ごとの需給バランスや季節要因などの個別要素が影響していると分析しています。さらに、Indeed Hiring Labの分析では、求人掲載賃金上昇率と公的統計データとの比較や、より流動性の高い時給の賃金上昇率の推移なども掲載しており、多角的な視点から労働市場の動向を示していると説明しています。
Indeed Hiring Labは、Indeedが保有する独自データと公開情報をもとに労働市場の調査・研究を行う国際的なリサーチ機関であり、日本向けにも労働市場の状況や求職者行動などをまとめたレポートを発信しています。なお、IndeedはComscoreの2024年3月総訪問数で世界No.1の求人サイトであり、多くの求人データを基にしたインサイト提供を行っていることも併せて報告されています。
詳しくは「Indeed Japan株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松
