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恋人の浮気を疑うと「2タイプの行動」が促されると判明


カナダのニピッシング大学の研究によると、恋人の浮気を疑ったときの行動は「利益提供型」と「コスト負担型」に大別されることが発見されました。研究では、参加者222名を対象に、浮気の脅威を想像させる実験を行い、その後の行動意向を調査しました。利益提供型は、プレゼントや愛情表現を通じてパートナーとの関係を強化する方法です。一方、コスト負担型は、束縛や嫉妬を引き起こす行動でパートナーを制御しようとする方法です。しかし、コスト負担型は感情的・身体的苦痛を伴い、逆効果を生む可能性があります。

「恋人が浮気しているかもしれない… 」

そんな疑念を抱いたとき、あなたはどんな行動を取りますか?

カナダ・ニピッシング大学(Nipissing University)の最新研究によると、パートナーの浮気を疑った人が取る行動は主に「利益提供型」「コスト負担型」の2タイプに分かれることが実験で示されました。

それらは一体どんな行動なのでしょうか?

研究の詳細は2024年8月28日付で心理学雑誌『Evolutionary Psychology』に掲載されています。

目次

  • 恋人の浮気を疑ったとき、どんな行動を取るのか?
  • 「利益提供型」と「コスト負担型」とは?

恋人の浮気を疑ったとき、どんな行動を取るのか?

「パートナーの浮気を疑うと、人はどんな行動を取るのか?」

これは心理学者や進化生物学者の間で長年議論されてきたテーマです。

私たちの恋愛関係は、単なる感情だけでなく、進化的な適応の結果とも言えます。

特に人間の恋愛関係は一夫一妻制が基本であり、パートナーとの関係を維持することは生存戦略の一環として重要でした。

しかし恋人が他の異性に興味を示した場合、人はどのように対応するのか、その詳しいところは学術的にあまり調査されていません。

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Credit: canva

そこで研究チームは今回、実験的に「恋人の浮気を疑う状況」を作り出し、その影響を検証することに。

チームは222名(男性125名、女性97名、平均年齢33歳)の参加者を対象に実験を行いました。

参加者はランダムに2つのグループに分けられました。

1:浮気の脅威グループ

・1分間のTikTok動画を視聴(内容:浮気の一般性についてのセラピストの解説)

・その後、恋人が他の人と浮気し、恋に落ちる場面を想像するよう指示される

2:対照グループ

・1分間のTikTok動画を視聴(内容:ネガティブな食べ物のレビュー)

・その後、楽しみにしていた食事が実際にはまずかった体験を想像する

その後、専用の質問票を使って、全員が「現在の恋愛関係においてどの程度嫉妬を感じているか」を評価し、今後1カ月以内にどの程度「配偶者保持行動(=パートナーを自分の元に引き留めるための行動)」を取る意向があるかを測定しました。

その結果、恋人の浮気を疑うように設定された参加者は、対照グループよりも嫉妬心が大幅に増加することが確認されています。

そして嫉妬が増加した参加者は、男女を問わず、パートナーを引き留めるための配偶者保持行動をより多く取る意向が高くなっていました。

が、その行動内容をさらに詳しく分析してみると、配偶者保持行動は「利益提供型の戦略」と「コスト負担型の戦略」に分類できることがわかったのです。

「利益提供型」と「コスト負担型」とは?

まず、利益提供型の戦略とは、浮気をしているかもしれない恋人に対して、ポジティブな愛情表現を示すものです。

例えば、

・プレゼントをすることで、相手に自分の価値を再認識させ、愛情を深めようとする

・スキンシップを増やしたり、感謝の気持ちを頻繁に伝えることで、関係を強化しようとする

・精神的・経済的な支えとなることで、相手が自分との関係をより良いものだと感じるようにする

といった方法が挙げられます。

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Credit: canva

一方のコスト負担型の戦略とは、浮気をしているかもしれない恋人に対して、攻撃的な方法をとることで強制的に自分との関係を維持させようとするものです。

例えば、

・パートナーを強く束縛して、行動を制限したりし、他の異性と交流しないよう求める

・他の異性と親しくしている場面をわざと恋人に見せつけて、相手に嫉妬心や不安を抱かせる

・関係を終わらせることをほのめかしたり、怒りを示すなど、脅迫的な手段を使うことで相手に自分を選ばせようとする

などです。

いうまでもなく、コスト負担型の戦略は感情的・身体的な苦痛を引き起こす可能性があり、逆に恋人の気持ちを自分から離れさせる恐れがあります。

さて、皆さんはパートナーの浮気を疑ったとき、どちらの行動を取りやすいでしょうか?

全ての画像を見る

参考文献

New study finds infidelity fears drive both affectionate gestures and controlling behaviors
https://www.psypost.org/new-study-finds-infidelity-fears-drive-both-affectionate-gestures-and-controlling-behaviors/

元論文

An Experimental Test of Jealousy’s Evolved Function: Imagined Partner Infidelity Induces Jealousy, Which Predicts Positive Attitude Towards Mate Retention
https://doi.org/10.1177/14747049241267226

ライター

千野 真吾: 生物学出身のWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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