JR在来線が乗り放題になる魔法のような切符「青春18きっぷ」は、使い方がいろいろ。高速バスと組み合わせれば、旅の選択肢はさらに広がります。
しかし、この「青春18きっぷ」にはデメリットもあります。青春18きっぷの買い方、使い方、メリット、デメリット、おすすめの遊び方などを紹介します。
青春18きっぷの購入はJRの窓口で! チケットショップで買うという裏技も
1982年の発売から既に35年以上が経っているにもかかわらず、近年人気が再燃している青春18きっぷ。18歳、もしく学生しか使えないと勘違いしている方もいらっしゃいますが、誰でも使うことができます。
価格は5回セットで11,850円。1回分に換算すると2,370円になります。ひとりで5日分使用してもいいし、5人で分けて1日分利用することもできます。
利用期間は1年に3回。
▼2018年の利用期間と発売期間
3月1日~4月10日(発売期間は 2月20日~3月31日)
7月20日~9月10日(発売期間は 7月1日~8月31日)
12月10日~1月10日(発売期間は 12月1日~12月31日)
JRの「きっぷうりば」もしくは「みどりの窓口」で購入できます。払い戻しは5回とも未使用の場合に限られます。また、青春18きっぷは学割の対象にはならず、こども料金も設定されていません。
ひとり旅で2日分だけ、または3人旅で1日分ずつ欲しいなぁという方は、チケットショップやヤフオク、メルカリなどで探すと数回使用した青春18きっぷが売られているので、そこで購入するという裏技もあります。
チケットショップによっては、1日だけ使用したい旨を伝えると、使用後に返却するチケットレンタルというシステムがあります。
有人改札でスタンプを押してもらうだけ! 青春18きっぷの使い方
使い方は簡単。有人改札口で日付入りのスタンプを押してもらうだけ。これで、その日の24時まで全国のJR在来線が乗り放題になります。
途中の乗車降車は有人改札で日付のスタンプを見せるだけ。ただし、5人で1日乗る場合は、改札口の出入りは5人一緒でなければなりません。グループでの利用は、同一行程の場合に限られています。
基本的に快速を含む在来線にのみ乗ることができますが、なかには青春18きっぷに数百円足すと乗ることができる「リゾートしらかみ(五能線)」のような観光列車もあります。
在来線であるため座席は基本的にボックスシートとロングシート(縦座席)か、その混合タイプとなります。自分が乗る沿線で観たい景色があれば、先にグーグルマップなどで右側から見えるのか左側から見えるのかを調べておくといいでしょう。
あたり前ですが、高速バスのようにトイレ休憩はありません。トイレが装備されていない車両もあり、我慢できずに下車して次に来る電車まで1時間以上待ったなんて話もあるので注意しましょう……と僕が、この失敗を何度もしています。
青春18きっぷのメリット&デメリットは?
どんなことでもメリットとデメリットはあります。
まずはメリットから。
●安い
なんといっても安いこと。5回セットで11,850円。1回に換算すると2,370円。1日かければ東京から福岡県の小倉まで、2,370円で行くことができるのです。
●乗り降り自由
もう一つの大きなメリットは乗り降り自由なこと。
車窓を眺めながら「あの海沿い歩きたいなぁ」とか「そろそろ食事したいなぁ」と思ったら、ふらりと自由に降りることができるのは大きな魅力です。
●土地に暮らす人々の生活を垣間見ることができる
住宅地のそばを走ることも多いので、屋根や建物から風土を感じ、人の生活ぶりまで観察することができます。乗降客もどんどん変わっていき、耳を澄ませれば方言が聞こえてくることもあります。
新幹線や特急では味わえない、鈍行ならではの楽しみです。
次は、デメリット。
●時間がかかる
快速列車のない各駅停車の区間も多いので、時間はかかります。場所によっては乗り継ぎが悪い駅もあり、1時間以上待つなんてことも。
ただ、そんな時こそ乗り降り自由なのですから下車して駅の周辺を散歩しましょう。それが意外に一生の想い出になったりするのです。
●リクライニングシートがない
高速バスや新幹線のようにリクライニングシートではなく、靴を脱ぐわけにもいきません。乗り換えの際、ホームで軽くストレッチなどをして身体を十分ほぐしておきましょう。
乗車時間が長い時は時折、足を浮かせて足首を回すだけでも違います。旅の時間が長くなればなるほど、こうしたちょっとしたことで疲労度を軽減できます。
●座れないこともあります。
高速バスのように確実に座れるということはありません。特にお盆や正月などは一般利用者と青春18きっぷ利用者で混み合ううえ、乗り換えの駅では猛然とダッシュする人が続出します。
都市部の駅のように広い階段ばかりではなく、狭い階段もあります。怪我をしては、せっかくの旅が台無しです。十分、気を付けてください。
●基本的に電源はありません。
座席に電源が装備されている高速バスは多くなりましたが、在来線の電車には電源がありません。心配であれば、モバイルバッテリーを持っていくことをおすすめします。
青春18きっぷの旅の応用編! ミステリーツアーや高速バスとのあわせ技など
おまけとして、青春18きっぷを利用した旅の遊び方をいくつかご紹介します。
1)1日かけて忘年会
地域の友人たちと、毎年開催しているのですが、青春18きっぷを使い1日かけて忘年会をします。電車の中で1年分語り合うのですが、乗り換えでちょうどいい具合に席替えにもなります。
あらかじめ決めておいた店で昼食をとるもよし、少人数なら、ふらりと外に出て探すもよし。神社などにも行って、その年のお礼参りと来年の祈願を一緒に済ませ、夜は改めて忘年会で酒を酌み交わします。かなり盛り上がり、参加者も年々増えています。
2)ミステリーツアー
トランプを持っていき、トランプを引いたマークで路線や上り下りを決めます。トランプに出た数字×10分先の駅で必ず降りて、散策するという遊び方もあります。
複数人で行く場合は、一番数字が大きかった人に路線や上り下りを選んでもらいます。乗ったら、またトランプを引き、次に大きい数字を出した人が降りる駅を選びます。
3)抜け旅
今はLCCや高速バスが発達しているので、出発から目的地の往復ではなく、途中の移動で青春18きっぷを使うと旅の幅が広がります。
例えば、行きは成田空港から福岡にLCCで入り、そこから青春18きっぷを利用して車窓からみえる九州を満喫して、帰りは鹿児島空港からLCCで帰ってくるといった具合です。
この春は東京から弘前まで高速バスで行き、弘前駅から青春18きっぷで五能線に乗り、日本海を満喫しながら新潟まで南下しました。
皆さま、それぞれの楽しみ方でよき旅を。
青春18きっぷの詳細
価格
11,850円(5回セット/おとな・こども同額)
利用可能時期
3月1日~4月10日(発売期間は 2月20日~3月31日)
7月20日~9月10日(発売期間は 7月1日~8月31日)
12月10日~1月10日(発売期間は 12月1日~12月31日)
有効期間
1人1回あたりの有効期間は乗車日限り
対象路線
快速を含むJR在来線(一部地方鉄道で利用できる路線あり)
公式サイト
JR東日本 おトクなきっぷ 青春18きっぷ