
今日(19日)の北海道は高気圧に覆われ、日中はほぼ全道で秋を思わせるような青空が広がりました。しかし、明日(20日)から明後日(21日)は前線を伴う低気圧が通過する影響で道内は広い範囲で雨や風が強まり、天気が荒れる見込みです。最新の気象情報に留意し、大雨による土砂災害などに十分注意して下さい。
●前線を伴う低気圧が通過し、大気の状態が不安定に 気圧の傾きも大きくなる
明日20日(土)には、前線を伴う低気圧がやや発達しながら夜遅くには渡島半島付近に達し、翌21日(日)には北海道の南岸を東進する見込みです。低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、上空にはやや冷たい空気が入るため、大気の状態が不安定となるでしょう。
また、北海道付近は低気圧と東の高気圧に挟まれる形となるため気圧の傾きが大きくなり、東よりのち北よりの風がともに強まり、天気が荒れる見込みです。明日(21日)の正午から明後日(22日)の正午までに降る雨の量は、道央や道南方面の多い所で150ミリに達する見込みで、雨のピークが予想される明日夜から明後日の朝にかけては1時間に30~40ミリと、バケツをひっくり返したような激しい雨に見舞われるおそれがあります。最新の気象情報や自治体の発表する情報に十分留意してください。
また、強風により海上では波が高くなり、しける海域もあるでしょう。22日(月)が大潮ということもあり、太平洋側を中心に潮位の高くなる時期にもあたります。低気圧接近に伴う吸い上げ効果により、高潮の発生する可能性があります。沿岸に近い地域にお住いの方は高波や高潮に注意して下さい。
●大雨による土砂災害などに十分注意を
今年の道内は道南を中心にたびたび大雨に見舞われ、土砂崩れなどの災害が発生しています。
今月1日には函館市戸井泊で統計史上1位となる274.0mmの日降水量を観測し、函館市内の戸井地区原木町では土砂災害が発生して住宅街に土砂が流れ込みました。
また、今月13日には胆振地方の白老町森野でこちらも統計開始以来1位となる380.0mmの日降水量を観測し、一時土砂災害警戒情報が発表され、避難所が開設された経緯もあります。
今回予想される降雨も、低気圧の発達程度や進路によっては、当初予想される降水量より増加する可能性は否定できません。雨が降り続いた際には山の斜面付近やがけなどには近づかないようにしましょう。山の斜面の近くにお住いの方は地鳴りのような普段と違う音がしたり、斜面から水が出ていたりした際には、すぐに避難ができるように準備をしておくと安心です。
●21日(日)から22日(月)朝には、大雪山系など標高の高い山では初雪の可能性も
なお、前線を伴う低気圧は、順調なら21日(日)の夜には根室の東海上に達し、しだいに北海道付近から離れる見込みです。低気圧が通過した後は道内上空に10月中旬から下旬並みの寒気が入る見込みです。この寒気は翌23日(火)には道内上空から抜ける見込みですが、一時的とはいえ上空約1,500メートル付近には0℃前後と、この時期としては冷たい空気が入るでしょう。降水を伴えば、標高2,000メートル級の山岳が連なる大雪山系などでは初雪がみられる可能性があります。今夏は厳しい暑さが続きましたが、季節の歩みはゆっくりとはいえ、進んでいるようです。
