
アルビレックス新潟が20日、前回大会準優勝のルヴァン杯初戦でJ3ヴァンラーレ八戸と対戦する。試合前日の19日は聖籠町で最終調整を行い、敵地に向かった。120分を戦い、PK戦までもつれ込む激闘となった昨季11月2日のJ1名古屋グランパスとの決勝で2得点を挙げたFW小見洋太(22)は、クラブの初タイトル奪取に向けて気合十分。推進力を生かした突破で初戦から暴れ回る。
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クラブ、選手、サポーターが渇望する初タイトルに向け、小見がルヴァン杯初戦から大暴れする。
「(前回大会は)あと1歩のところで(勝利を)つかみきれなかった。悔しさを晴らすチャンスは同じ大会しかない。またあの舞台に行けるよう、目の前の敵に勝つことだけに集中する。勝てる実力は僕らにある」
そう力を込めるアタッカーは気温4度と冷え込んだ19日、「動きやすくなるし、温かい」と、着用するウインドブレーカーをズボンの中にしまい込む独自の「イントゥ」スタイルで最終調整を終了。意気揚々と試合会場に向け出発した。
スピードの緩急をつけたドリブルと、オフサイドラインぎりぎりを抜け出してラストパスを呼び込むラインブレーカー。前回大会決勝は後半途中出場から2発。インパクトを残したが、結果は準V。「まだ忘れていない」。当時の悔しさを糧に、メダルの色を銀から金に変える戦いをリスタートさせる。
今季はプロ1年目から主戦場だったウイングの位置ではなく、埼玉・昌平高時代にプレーエリアとしたFW起用が続く。ゴールまでの進入ルート、相手マークを受ける角度などが変わったが「相手の懐に潜り込む長所や、そういったプレーを出すために取り組む体作りの部分は発揮できている」と手応え十分。リーグ戦6戦未勝利と苦しむチーム状況の中、フルパワーでいい流れを呼び込む。
自らの才能をチームの勝利に還元できるか。ルヴァン杯は引き分けがあるリーグ戦とは違い、一発勝負のトーナメント戦となる。「より自分の勝負強さを発揮し、チームを次のステージに連れて行きたい」。勝負師としての血が騒いでいる。【小林忠】