企業の成長を促し、確実な収益性を確保する上では、業務効率化に向けた取り組みが欠かせません。大企業はもちろん、中小企業においても業務の見直しが進み、ITツールなどを活用した業務効率化に多くの企業が取り組んでいます。
今回は、業務効率化の成功事例について触れながら、効率化施策を成功に導くためのポイントについてご紹介します。
業務効率化とは
そもそも業務効率化とは、自社の業務の中で発生している無駄や、作業が必要以上に進まない問題に目を向け、それらを解消しようという一連の取り組みを指します。
一見すると無駄がないような業務も、最新の技術を使えば従来の何倍ものスピードで一連の作業を全て終えられるようなケースは少なくありません。企業の成長を阻んでいる要因としては、こういった技術革新が遅れていることも理由の一つとして考えられます。
ただ人を増やして事業を大きくするのではなく、無駄を省き、少数精鋭で業務効率を高めることで、会社の収益性を高め、スマートで次世代に通用する働き方および組織活動が実現可能です。
なぜ業務効率化が必要なのか
業務効率化の必要性は今に提唱されたことではありませんが、近年は多くの企業が急速に業務効率化に向けた活動を推進しています。業務効率化が求められる背景としては、以下の理由が考えられます。
人材不足が深刻化しているから
1つ目の理由は、人材不足の深刻化です。日本では少子高齢化が進み、若い労働力を確保することが困難になりつつあるため、人件費の高騰は免れません。優秀な人材はもちろん「誰でもいいから手を借りたい」という需要も大きくなっているため、いずれにせよ人手確保のためにはコストの増大も伴うことを前提とする必要があるでしょう。
業務効率化はこのような人材不足の解消にも役立ちます。既存業務の無駄を効率化によって自動化することで、そもそも必要な人の数を減らすことができるため、新たな人材の確保にコストや手間をかける必要がありません。
「2025年の崖」が迫っているから
2つ目の理由は、「2025年の崖」の到来です。2025年の崖は、2018年に経済産業省が発表したレポートの中で提唱された概念で、2025年までにデジタルトランスフォーメーション(DX)、つまり業務のデジタル化による効率化や、既存システムの改修が当時のまま進まないことで、2025年以降は最大で年間12兆円もの損失が発生する可能性がある、ということを示唆したものです。
参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省)
「2025年の崖を乗り越えるためには、大企業だけでなく国内の大半を占める中小企業がDXを推進して業務効率化を進める必要がある」としており、企業の積極的なデジタル化を行政は呼びかけています。
また、最近ではIT導入補助金といった、デジタル化を実践する上で役に立つ補助金制度も登場しています。これらの補助金を活用することで、費用を抑えたIT環境の整備が実現可能です。
業務効率化のメリット
業務効率化を推進することで、企業は多くのメリットを得ることができます。
コスト削減につながる
1つ目のメリットは、コスト削減です。業務遂行のために必要な人の数が少なくなるため、余計な人件費の削減につながります。また、デジタル化によって省スペースでの業務が可能となれば、オフィススペースの削減ひいてはオフィス賃料のコストカットにも効果が期待できるでしょう。
生産性を高められる
業務効率化が進めば、同じ労働時間でより多くの業務をこなせるようになるので、生産性の向上につながります。コストを抑えて生産性が高まれば、その分企業の収益性も向上が見込めるため、一石二鳥の取り組みと言えるでしょう。
新規市場の開拓につながる
業務効率化は新規市場の開拓についてもよい効果が見込めます。生産性の向上や人件費の削減によって保有するリソースに余裕が生まれ、その分を「新しいマーケットの開拓」や「これまではリソースの関係で活用が難しかったITツールの導入・活用」などにあてがうことができるためです。新規市場の開拓には体力が必要とされます。業務効率化によって投入する資源の量を変えずにより大きな成果を生み出せるようになれば、新規市場の開拓に必要な体力の捻出が叶えられるのです。
業務効率化の成功事例5選
ここで、実際に業務効率化に成功した事例について見ていきましょう。
イオンディライト株式会社
ファシリティマネジメント(FM)を手がけるイオンディライトでは、弊社ワウテックが提供するビジネスチャットツール「WowTalk(ワウトーク)」を導入したことで、迅速なコミュニケーションや情報共有および現場と本部間の連携強化を実現しています。
国内外に拠点を有する同社では、これまでいかにしてリアルタイムでのコミュニケーションを実現するかがポイントとなっていました。FMという領域の関係上、緊急性の高い対応が求められるケースも多く、情報共有を少しでも早く拠点間で行うことで、顧客満足度の高いサービスを届ける必要があります。
WowTalkのシンプルで使いやすい操作性とマルチデバイス対応によって、緊急時に迅速な情報収集・展開が行えるようになったとともに、写真やファイルの共有が簡便化され、現場への支援対応が向上しました。
【イオンディライト株式会社 WowTalk導入事例】緊急時だからこそ正確な情報をスピーディーに!
株式会社MACオフィス
企業の設備設計などを手がけるMACオフィスでは、営業支援ツール(SFA)を導入したことで業務効率化や働き方改革の推進を実現しています。SFAによる情報共有の円滑化および業務のデジタル化によって、残業削減やテレワーク導入のほかマネジメントの効率化にも成功しました。
CRM/SFA導入事例 株式会社MACオフィス 様 | eセールスマネージャー
株式会社シルバーライフ
配食サービスを手がけるシルバーライフは、チャットボットの導入によって問い合わせ対応の改善に成功しています。自動での応答が可能なチャットボットを問い合わせ業務に採り入れることで、今までコンタクトの取れなかった層との接点増加に成功し、その結果新規の問い合わせ数が20%アップしたそうです。
チャットボットの導入事例12選!企業の活用例から効果まで徹底解説
株式会社Synergy Career
就活支援を手掛けるSynergy Careerでは、勤怠管理システムの導入による業務効率化を進めています。各自がカレンダーアプリを使って勤怠を管理していたところ、勤怠管理システムの導入によって管理業務を一本化したことで、ケアレスミスの心配もなく、さらに出勤時間の計算の手間がなくなったことでスムーズに給与計算を行えるようになりました。
株式会社Synergy Career | No.1勤怠管理・シフト管理システム「ジョブカン」
株式会社gloops
ソーシャルゲーム開発を手がけているgloopsは、タスク管理ソフトの導入によって、作業効率の改善に成功しています。日々の業務やプロジェクトの工程管理に活躍しているのはもちろん、日々発生するバグ管理にもタスク管理ソフトを採用することで、バグの解決スピードを2倍にまで向上させ、顧客満足度の改善につなげています。
業務効率化の成功事例から学ぶ実践のポイント
業務効率化を促進する上では、以下のようなポイントに基づいて取り組むことが大切です。成功事例から学べる実践のコツについて、最後にご紹介します。
①「ムリ・ムダ・ムラ」を正しく把握する
1つ目のポイントは、「ムリ・ムダ・ムラ」を正しく把握することです。日々の業務の中で無理な作業が発生し、かえって業務の効率を低下させているものがないかを探しましょう(ムリ)。
また、必要のない作業が業務工程に組まれている場合、それを排除するための改善施策も必要です(ムダ)。さらに、業務が属人化していて対応する人によってパフォーマンスが大きく左右される業務も、効率化によってパフォーマンスを安定させることが必要となります(ムラ)。
業務の課題発見においては、このような3つの「M」に注目すると、効率よく課題の洗い出しを進められるでしょう。
②計画的に取り組む
2つ目のポイントは、計画的に取り組むことです。業務効率化を失敗するケースの典型的な例として、場当たり的な取り組みによって時間と予算を無駄にしてしまい、結局成果が得られないといったケースが挙げられます。
業務効率化は全社的な取り組みとして、本格的なプロジェクトの一環として実施することが大切です。課題発見からソリューションの策定、実施、改善に至るまで、事前にしっかりとプランを練り、一つひとつの取り組みを計画的に実行していきましょう。
③課題の性質に応じてITツールの活用も視野に入れる
業務効率化は必ずしも組織の制度を変えるだけでは実現できないケースもあります。課題の性質に応じて、適切なITツールをソリューションとして導入し、迅速な業務効率化を進めましょう。
成功事例を参考にして業務効率化を進めよう
今回は、業務効率化の必要性やメリット、そして具体的な導入事例についてご紹介しました。実際に課題の洗い出しを進めてみると、どんな企業にもまだまだ効率化の余地は残されていることがわかります。今回ご紹介した成功事例を参考にしながら、自社に最適な業務効率化プロジェクトを実現しましょう。
また、業務効率化にあたって有効なツールをお探しの方には、ビジネスチャット「WowTalk」がおすすめです。法人向けのチャットコミュニケーションツールとしてさまざまな企業様にご導入いただいており、その企業様の多くが「情報共有の効率化」や「コミュニケーションの促進」といった効果を実感いただいております。
情報共有やコミュニケーションに課題を感じ、その方面から業務効率化を検討されている企業様は、ぜひWowTalkの活用をご検討ください。