JRE東日本のクレジットカード、ビューカードのラインナップのうち、駅ビル(とエキナカ)でとりわけお得なのがJRE CARDです。
筆者も入会キャンペーン込みで欲しい1枚ですが、このカードは年会費を取る(2年目より524円)のが難点です。
年会費も以前より値下がりしましたし、見た目さして高額ではありません。
ですが今どきのクレジットカード、年会費無料が普通です。
いっぽうで、JRE POINTによるバーコード提示とモバイルSuicaの利用だけで、JREポイントが随分とたまる印象も持っています。JRE CARDがなくても十分かもしれません。
自分自身のためにも役立てたく、JRE CARDの損益分岐点を探ってみました。
JRE CARDは駅ビル・エキナカそして鉄道利用で活用する
JRE CARDの特徴から確認します。
・ 年会費 … 524円(初年度無料)
・ JR東日本の駅ビル・エキナカでの決済で還元率3.5%
・ 一般の店舗では0.5%
・ モバイルSuicaへのチャージで1.5%(オートチャージ可)
・ モバイルSuica定期券で5%還元
・ 国際ブランド3種類(VISA、Mastercard、JCB)
JRE CARDのポイントアップは、現在はルミネも3.5%還元の対象となっています。
JR関係の商業施設なら、チャンスを逃すことはほぼありません。
年会費は、代表的ブランドの「ビュー・スイカカード」と同一です。
駅施設で還元率が高いJRE CARDはお得な感があります。
駅ビル・エキナカでは、QRコード決済は避けたい
JR東日本の駅ビル・エキナカではQRコード決済も使えるようになっています。
ですが避けるべきです。
最初に、楽天キャッシュをチャージした楽天ペイの1.5%還元がなくなりました。
それにとどまらず、現在はPayPay、d払い、au PAYでも大部分がポイント付与対象外となっています。
JR東日本の駅関係では、Suicaか、ビューカードのラインナップのどちらかでしょう。
Suica自体も利用によるポイント付与は例外的なのですが、モバイルSuicaなら高還元でチャージが可能なため、構わないのです。
モバイルSuicaについてはビューカード以外のチャージルートがある
JRE CARDはモバイルSuicaへのチャージで1.5%還元となります。
カード券面付帯のSuicaだと還元率0.5%なので、モバイルを使ったほうがいいでしょう。
ただし、モバイルSuicaはもっと高い還元率で使えます(オートチャージは不可)。
筆者はモバイルSuicaチャージに次の2種類の方法を使っていて、このルートがある限り、ビューカードでのチャージには興味がありません。
・ エポスゴールドカード(年間100万円利用)からau PAYにチャージ → au PAYのSuica(Android限定)でチャージ
・ PayPayカードからJAL Payチャージ → JAL Payバーチャルカードからau PAYチャージ → au PAYのSuica(Android限定)でチャージ
これで還元率2.0%となります(JAL Payルートはうち0.5%はJALマイルのため、ポイントより高価値)。
PayPayカード(VISA不可)に代え、毎月10日のイオンカード(VISA不可)も使います。
上記2種類の方法はAndroid限定ですが、iPhoneでもJRE CARDと同等の次の方法があります。
・エポスゴールドカード(年間100万円利用)からチャージ
これでも1.5%還元です。家族をエポスゴールドカードに招待すると、ファミリーボーナスがついて1.6%です。
三井住友ゴールド(NL)でも年間100万円利用で同じことになりそうですが、Google PayでないとSuicaチャージでポイントがたまりません。
優秀といえないチャージルートもある
いずれもAndroid限定で、「楽天ペイのSuica」「d払いのSuica」というアイテムがあります。
チャージ元は楽天カード、dカードですが、いずれもチャージ還元率は0.5%に過ぎません。
楽天ペイでは夜間のオートチャージ(改札を通る必要がない)ができたり、d払いでは期間限定dポイントもチャージできたりと、併用する(同じモバイルSuicaを使う)といいこともあります。
ただ、メインのチャージ元としては筆者は決して使いません。
au PAYのSuicaが最強です。
駅ビル・エキナカでどれぐらい使えば年会費を取り返せる?
これはJRE CARDの公式サイトにも掲載されている情報です。
駅ビル・エキナカで年間1万8,000円使うと、3.5%還元で年会費を上回るとあります。
実際には1万5,000円でOKです。この3.5%は525円です。
ごく小さな年会費だと思っていると、意外と買い物だけで取り返すのは大変なのです。
モバイルSuicaの利便性を考慮しない場合、なおさらです。
JRE CARDのポイント還元率をさらに上げる方法
ビューカードのラインナップに共通しますが、利用でたまったJRE POINTは「1ポイント → 1円」でモバイルSuicaチャージに使えます。
ただ、もっとお得な使い方があります。
交換率の高い商品券に交換しましょう。おすすめはルミネ商品券です。
「3,600ポイント → 4,000円分」から、プレミア付きの交換となります。
「2万4,400ポイント → 3万円分」は最もプレミアが大きく、23%増量となります。
この交換を前提に使うなら、JRE CARDの還元率も次の通り上方修正していいことになります。
・ 駅ビル・エキナカで利用 … 4.3%
・ モバイルSuicaチャージ … 1.85%
JRE POINTは使い続けている限りは失効しないので、長く使えば必ず2万4,400ポイントためられます。
JRE POINTアプリとモバイルSuicaでどのぐらいポイントがたまる?
JRE POINTアプリもモバイルSuicaも無料です。
この分、年会費を取るJRE CARDに匹敵する可能性があるわけです。確認します。
モバイルSuicaのポイントに違いはない
モバイルSuicaは利用でポイントがたまる電子マネーではありませんが、JR東日本の鉄道利用、駅ビル・エキナカ利用は例外です。
参照:JRE POINT
次のとおりポイントがたまります(例)。
・ 乗車50円ごとに1ポイント
・ エキナカ(一部街のお店)で使うと100円または200円ごとに1ポイント(黄色ステッカー)
・ 月に同じ運賃を10回支払う…1回分ポイント還元
・ 月に同じ運賃を11回以上支払う…10%をポイント還元
これと別に、緑色ステッカーのお店があります。こちらはJRE POINT提示によるポイント付与分です。
・ 提示で1.0%
黄色ステッカーと緑色ステッカーは、基本的にはどちらかです。
モバイルSuica払いでポイントが付くか(黄色ステッカー)、バーコード提示でポイントが付くか(緑色ステッカー)です。
整理します。
・ JRE CARDでの支払い … 駅ビル・エキナカで3.5%還元
・ モバイルSuicaとJRE POINT … ポイント提示で0.5%または1.0%
モバイルSuicaで支払う場合、黄色ステッカーのお店を除くと決済でポイントは付きません。
このため、チャージ時のポイントを上乗せして比較します。
仮にチャージが2.0%であれば、駅ビル・エキナカでの還元率は合計2.5%または3.0%となります。
JRE CARDの3.5%と比べた際、差は0.5%または1.0%と、少差です。
2.0%チャージはやや過大な数字かもしれないので、1.5%チャージで考えた場合、差は1.0%または1.5%となります。
ステージの違いに大きな差はない
JRE POINT会員には4段階のステージがあります。
ビューカードなしの場合、4種類あるステージのうち「ステージ2」が限界です。
300ポイント獲得するとすぐステージ2となりますが、これは日常Suicaで移動しているとまもなく達成できます。
JRE CARD(ビューカード)があると、ステージ3になります。
ステージ2と3の違いは、実はそれほどありません。
ステージ3に目立つ特典は、たまにある「駅ビル・エキナカポイントアップキャンペーン」でのポイント2倍程度です。
損益分岐点はこうなる
JRE CARDを持つべきかどうかについて、年会費524円をクリアする損益分岐点がわかりました。
JR東日本の駅ビル・エキナカで年間これだけ使えば損益分岐点を突破します。
・ モバイルSuicaチャージをしない場合 … 1万4,971円
・ ポイントをルミネ商品券に交換する場合 … 1万2,186円
・ モバイルSuicaチャージをする場合 … 厳密な数字は出せないが、オートチャージの利便性も加味し、数千円程度の利用で十分お得感が味わえると思われる
ただし、これで終わりではありません。
無料で使える「JRE POINTアプリとモバイルSuica」で駅ビル・エキナカを利用する場合との決着がついていません。
駅ビル・エキナカにおけるJRE CARDとの還元率の差は、1,0%~1.5%程度です。
還元率の差を1.5%と考えた場合、この数字を根拠にして年会費を取り返すためには、JRE CARDの損益分岐点はさらに上がります。
・ モバイルSuicaチャージをしない場合 … 3万4,933円
・ ポイントをルミネ商品券に交換する場合 … 3万289円
というわけで、駅ビル・エキナカをよく使う筆者ですが、「JREアプリとモバイルSuica」のほうに高い価値を感じるため、JRE CARDは持たなくていいという結論に達しました。
入会キャンペーン実施中
≪画像元:JRE CARD≫
損益分岐点について結論は出ましたが、絶対にJRE CARDを持たないと決意したわけではありません。
入会キャンペーンによっては考えます。
仮に5,000円もらえれば、年会費を10年分先に支払ったと考えてもいいわけです。
2024年11月から新たに始まった入会キャンペーンを見てみます。
・ キャンペーン期限 … 2024年11月1日~2025年1月31日
・ 特典 … 最大7,000ポイント(Visaブランドの場合。JCB、Mastercardは最大5,000ポイント)
・ 39歳以下限定特典 … さらに1,000ポイント
「モバイルSuicaへの5,000円チャージを含む、カード20万円利用」で5,000ポイントもらえます。
「モバイルSuicaへの5,000円チャージを含む、カード10万円利用」だと1,000ポイントと大きく下がりますので、20万円は必須でしょう。
別に駅ビル・エキナカに限らずどこで使っても構いません。
JRE CARDのキャンペーン内容としては普通の内容です。
JRE CARDの年会費は意外と大きい
JRE CARDの年会費524円は、損益分岐点をきちんと考えたとき、意外と高いことがわかりました。
無料で使えるJRE POINTアプリとモバイルSuicaが、非常に優秀なアイテムだということでもあります。
なお、年会費無料のビューカードが欲しい場合、ビックカメラSuicaカードがおすすめです(年一度の利用で無料)。