令和5年中に住宅ローンを借りて、マイホームを購入した方は、初年度の住宅ローン控除を受けるために確定申告が必要になります。
給与をもらう年金受給者は「3つの目安額」を超えると確定申告が必要になる
会社員の方など確定申告をやる機会のない方にとっては、「確定申告」と聞くだけで「難しそう」と感じる方も少なくないようです。
今回はそんな方をイメージして、住宅ローン控除を受けるための確定申告の仕方に触れています。
必要書類
住宅ローンを受けるためには、最初に確定申告が必要です。
この最初の確定申告がないと2年目以降も住宅ローン控除は受けられません。
住宅ローン控除の制度や仕組みについては、他にも触れているサイトや記事がありますので、ここでは割愛させていただき、必要書類から触れていきます。
必要書類一覧
1. 確定申告書
2. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
3. 本人確認書類の写し
4. 源泉徴収票
5. 住宅ローンの年末残高等証明書
6. 建物・土地の登記事項証明書
7. 建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
8. 認定住宅の証明書等
9. 補助金等の交付決定通知書等
必要書類の入手方法
1. 確定申告書
国税庁のホームページから用紙を印刷するか、税務署や市区町村の担当窓口や指導相談会場などにも置いてあります。
2. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
入手先:税務署もしくは国税庁ホームページ
後述する国税庁のホームページで提供されている「確定申告書作成コーナー」を利用すると便利です。
3. 本人確認書類の写し
入手先:ご自身
運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証などにコピーが必要となります。
マイナンバーカード以外の書類を提出する場合、通知カードのコピーも必要となります。
4. 源泉徴収票
入手:勤務先(無料)
源泉徴収票自体は提出不要ですが、源泉徴収票に記載されている金額が確定申告書の作成に必要となります。
金額が確認できれば、コピーでも大丈夫です。
5. 住宅ローンの年末残高証明書
入手先:金融機関(無料、再発行は手数料が生じるケースもあり)
9月頃までに融資実行されている方は10月上旬から順次、自宅に郵便で発送されます。
10月以降に融資実行された方は融資実行後、順次、郵便で発送されています。
万一、見当たらない場合、金融機関で再発行可能です。原本が必要です。
6. 建物・土地の登記事項証明書
入手先:法務局(有料)
土地を購入している方は土地と建物分(建売、中古戸建、マンション、土地+注文建築)
建物のみ購入している方は建物分(建替)
登記事項証明書(通称、登記簿謄本と言われることもあります)の取得には、土地の地番、
建物の家屋番号が必要です。
郵便物に記載する自宅住所と同じケースもありますが、全く違う番号の場所も少なくありません。
地番の確認方法不動産売買契約書や重要事項説明書に物件情報として記載されているものを確認
管轄の法務局に住居表示から確認してもらう。(電話でも窓口でも可能)
家屋番号の確認方法新築建物を購入(もしくは建築)している場合、土地家屋調査士が行った表題登記済証に記載されているものを確認。
管轄法務局に住居表示から確認してもらう。(電話でも窓口でも可能)
入手先:ご自身
写しは売買金額、物件所在地、署名捺印欄、収入印紙貼付欄が確認できる必要があります。
書式により複数ページにまたがりますので、手元の契約書をご確認ください。
8. 認定住宅の証明書等
入手先:各認定機関、建築会社、不動産会社など
現行制度では、建物の性能により住宅ローン控除の限度額に違いがあります。
長期認定優良住宅、低炭素建物等、ご自身の購入した建物の性能に合致した認定書を各認定機関発行の通知書の写しが必要です。
新築建売や建築した方は販売会社や建築会社が認定書を取得し、物件の引渡し時に諸々の書類と共に渡されているケースが多いと思います。
引渡し時はやり取りする書類も多いため、記憶にないかもしれませんが、一度、引渡し時に貰った書類をご確認ください。
9. 国または、地方自治体の補助金等の交付決定通知書等
入手先:各補助金の運営主体(補助金の窓口となっている団体や部署)
マイホーム購入に伴い、国や地方自治体が実施している補助金を申請し、交付を受けている場合、住宅ローン控除額の計算の際に購入所要資金から差し引く必要があります。
その為、交付金額が確認できる書類として通知書が必要になります。
通常は補助金の交付が決まった時に郵送で通知書が送付されるケースが多いです。
確定申告書の作り方
必要書類の1,2番が慣れていない方にはハードルが高く感じます。
作成方法をご案内します。
(1) 自宅で作成する方法
国税庁のホームページにある「確定申告書作成コーナー」です。
こちらのサイトから画面の指示に従って入力をしていくと、最終的に必要書類1,2番が作成できます。
このサイトで入力する情報は全て必要書類内に記載があります。
また、画面でもどの書類のどの部分を入力してほしいのか指示があり、不慣れな方でも割とスムーズに申告書の作成が可能です。
住宅ローン控除のための確定申告の場合は下記のサイトで入力方法の動画も公開されています。
このサイトで作成した確定申告書を印刷して、必要書類を添付して、管轄の税務署へ提出します。
(2) 必要書類を用意して税務署の相談窓口に行く
自分で作成するのは不安だという方、質問しながら作成したいという方は必要書類の3~9を用意して、管轄の税務署に出向く方法があります。
確定申告期間は、住宅ローン控除を申請する方だけではなく、様々な方が申告に訪れます。
その為、税務署でも臨時で窓口を増やして、申告書作成をサポートする体制を整えているところも少なくありません。
税務署の職員が代わりに申告書を作成してくれるわけではありませんが、自宅で作成する場合で紹介した国税庁の「確定申告書作成コーナー」を使用しての作成をサポートしてくれます。
その場で印刷して、提出することも可能ですので、自宅での作成が不安な方は利用されると良いと思います。
この期間は週末も対応しているケースもあります。
なお、コロナ禍以降、予約制となっているケースが多いので、事前に管轄の税務署に問い合わせをして確認をしてください。
(3) 税理士に依頼する
住宅ローン控除を受けるための確定申告は会社員の方は1回だけの作業です。1回のために慣れない作業に時間を使いたくないという方も一定数います。
そんな方は税理士に依頼する方法もあります。
ご自身でないと入手できない書類(本人確認書類や残高証明書等)は事前に用意する必要がありますが、必要書類を預ければ、あとは確定申告書の作成から税務署への申告まで全て対応してくれます。
ただし、税理士への報酬は発生しますので、事前に税理士へ確認することをお忘れなく。
地域や税理士によっても報酬額は違いますが、住宅ローン控除だけの申告でしたら、5万円前後から10万円前後が相場かもしれません。
確定申告書の提出方法
提出期限 令和6年3月15日まで(*)
提出先:住民票記載の住所を管轄する税務署
【提出方法】
税務署窓口に持参
税務署へ郵送
事前に税務署からID/パスワードを発行してもらいオンラインで申請
(*)住宅ローン控除のみ(所得税の還付のみ)の場合、期限を過ぎても5年間は申請可能です。
税務署窓口へ持参しても必要書類があるかどうかのチェック程度で申告書の内容まではその場ではチェックしません。
申告書の内容が不安だという方は予約をして相談窓口に行かれることをお勧めします。
確定申告書提出後の流れ
確定申告書提出後、順次、申告内容がチェックされ、万一、不足書類がある場合、郵送で案内がされます。
また、申告内容に誤りがある場合も同様に案内がされ、必要に応じて、窓口に出向き、修正等の対応が必要です。
申告内容や書類に不備不足がなければ、住宅ローン控除分の所得税の還付が指定した銀行口座にされます。
税務書の混雑状況により1か月から2か月程度です。
還付されれば初年度分の住宅ローン控除手続きは完了です。
後日、2年目以降の住宅ローン控除申告で使用する書類が税務署から郵送されてきます。
無くさないように保管しておきましょう。早め早めに対応しましょう
初めて確定申告は不安もあるかもしれませんが、税務署も親切に対応してくれます。
必要書類を早めに集めて、早め早めに対応されると良いと思います。