ファインデクス Research Memo(5):2024年12月期第3四半期累計は大幅増収増益で過去最高
ファインデクスは2024年12月期第3四半期累計において、売上高4,310百万円(前年同期比24.1%増)、営業利益1,125百万円(同41.3%増)、親会社株主に帰属する純利益831百万円(同46.6%増)を記録し、過去最高となりました。医療ビジネスの順調な成長と公共ビジネスの拡大が主要因です。特に医療部門では、新規および追加導入の増加と収益性の高いパッケージ販売が貢献し、公共部門も導入件数増加に伴う月額利用料収入が拡大しました。ヘルステックビジネスは販売減少で減収だったが、国内外での知名度向上を目指しており、財務健全性は高く、自己資本比率は85.9%に達しました。
1. 2024年12月期第3四半期累計の業績
2024年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比24.1%増の4,310百万円、営業利益が同41.3%増の1,125百万円、経常利益が同38.1%増の1,132百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同46.6%増の831百万円だった。大幅増収増益で過去最高だった。主力の医療ビジネスが好調に推移し、公共ビジネスの成長も寄与した。売上総利益は同22.0%増加したが、データ移行作業に伴って外注費が増加したことなどにより、売上総利益率は同1.0ポイント低下して60.4%となった。販管費は戦略的な人的投資により同10.5%増加したが、増収効果で吸収し、販管費率は4.3ポイント低下して34.2%となった。この結果、営業利益率は同3.2ポイント上昇して26.1%となった。
なお四半期別では、第1四半期は売上高が前年同期比69.7%増の2,124百万円で、営業利益が同199.0%増の862百万円。第2四半期は売上高が同8.4%増の1,081百万円で、営業利益が同28.2%減の78百万円。第3四半期は売上高が同9.8%減の1,104百万円で、営業利益が同53.6%減の185百万円となる。第1四半期と第4四半期の構成比が高い収益特性があり、2024年12月期は特に第1四半期の構成比が高くなっている。
医療ビジネスが順調に拡大、公共ビジネスは成長が加速
2. セグメント別の動向
医療ビジネスは、売上高が前年同期比23.1%増の4,086百万円、営業利益が同34.4%増の1,199百万円だった。大幅増収増益で過去最高だった。営業利益率は同2.5ポイント上昇して29.4%となった。2023年1月に新設したコンサルティング部がコンスタントに案件を受注したほか、病院等への新規導入・追加導入の増加、収益性の高いパッケージ販売(代理店販売)の好調、保守・サポート売上の拡大などにより順調に拡大した。第3四半期末時点の医療システムユーザー数は前期末比91施設増の2,078施設、大規模病院における1施設当たりパッケージ平均導入件数は同0.02件増の4.63件となった。なお受注高は前年同期比12.0%減の2,418百万円、受注残高は前年同期比末21.1%減の1,392百万円で、いずれも減少したが高水準を維持している。
公共ビジネスは、売上高が前年同期比75.8%増の197百万円、営業利益が同527.5%増の59百万円だった。大幅増収増益で営業利益率は同21.6ポイント上昇して30.0%と、想定以上に成長した。導入ユーザー数の増加に伴って月額利用料収入が順調に増加した。新規稼働は16件(自治体向けパッケージが12件、医療機関向けパッケージが4件)で、サービス開始以来の導入施設数は累計48件(自治体向けパッケージが39件、医療機関向けパッケージが9件)となった。解約数は0件を維持している。
ヘルステックビジネスは、売上高が前年同期比36.4%減の26百万円、営業利益が132百万円の損失(前年同期は105百万円の損失)だった。「GAP」及び「GAP-screener」の販売台数は8台だった。販売台数の減少で減収となり営業損失も拡大したが、国内では眼科専門誌や論文への掲載、メディアへの露出等により製品知名度が徐々に向上し、販売代理店への勉強会も継続的に実施した。また海外については、ASEAN地域での販売について医療機器商社とマーケット調査中であり、EU・中東・北アフリカ一部地域への2回目のロット出荷をレクザムと調整中である。
財務の健全性は極めて高い
3. 財務の状況
2024年12月期第3四半期末の資産合計は前期末比210百万円増加して6,144百万円となった。主に受取手形、売掛金及び契約資産が899百万円減少した一方で、現金及び預金が1,155百万円増加した。負債合計は同227百万円減少して861百万円となった。主に未払法人税等同206百万円減少した。純資産合計は同438百万円増加して5,283百万円となった。主に利益剰余金が418百万円増加した。この結果、自己資本比率は同4.4ポイント上昇して85.9%となった。現金及び預金が3,848百万円まで積み上がっており、弊社では財務の健全性は極めて高いと評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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