11月16日に行われた認証授与式
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11月16日に行われた認証授与式
昨今、建設業界におけるデジタル化が急速に進んでいます。プロジェクトの開始から建設物の廃棄までのプロセスを、ビッグデータやIoT、クラウド、AI、BIM（ビルディング情報モデリング）などを駆使して、効率的に管理する手法が取り入れられ始めています。
BIMは、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報管理の仕組みです。3次元モデルを含む共通データ環境において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションを可能にし、効率的な情報共有ができます。
ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。BIMレベル2（※2）と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本ISOの前身となるPAS 1192規格と密接に連携しています。本要件を満たしていることの証明は、成熟したBIMの導入を示します。
BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証及び検証サービスの提供によって、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しており、今年9月大成建設は、BIMを含む情報マネジメントの概念であるISO 19650-1、および建物を設計・建設する段階の業務プロセスを規定するISO 19650-2に基づく、「設計と建設のためのBIM BSI Kitemark認証」を元請受託組織として取得しました。
今後ISO 19650を普及・推進するためには、情報マネジメントサイクルの中で、発注組織・元請受託組織・受託組織のそれぞれの役目を理解し、果たすべき役割がますます重要になってきております。
- 注記 -
※1：ISO 19650は、BIMを含む、建築及び土木工事に関する情報の統合及びデジタル化
ISO 19650-1：2018は、BIMを使用した情報マネジメント：概念及び原則
ISO 19650-2：2018は、BIMを使用した情報マネジメント：資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3：2020は、BIMを使用した情報マネジメント：資産の運用フェーズ
ISO 19650-5：2020は、BIMを使用した情報マネジメント：情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
※2：英国政府は2016年4月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。英国ではBIMの成熟度によって、レベル0からレベル3まで設定されています。
■大成建設株式会社のコメント
― 認証取得の目的
大成建設では多くのBIMプロジェクトを取り扱っているものの最も重要な情報管理における明文化されたデジタル分野のマネジメントの業務化が課題であり、不足していました。
BIMにおいて最も重要な情報管理マネジメントを明確な業務とするために、目的と手法を明確にしたBIM実行計画書とクラウドでの承認行為など建設業の次世代的なフローに対応可能な人材、組織、サポート能力が国際規格に適合することを証明するためISO 19650認証（Kitemark）の取得に踏み切りました。
― 構築による成果、工夫、苦労した点
既存の建設業界で使われるワードに置き換えて規格文書を解釈し、発注組織と元請組織の双方に広域のデジタル分野の知識を兼ね備えマネジメント能力を有する人材を配置し、迅速に社内展開して対応した点が工夫として挙げられます。また、ISO 19650のフローを理解した上で元請受託組織として、発注者の要求事項を正確に読み込み、BIM実行計画書へ反映、クラウド上での受託組織への明確な指示／承認、BIM周辺のデジタル技術を含めたマネジメント能力を全社組織的に対応することが今後の課題であり、その内容が明確化されたことが成果であると考えます。
― 認証機関にBSIを選んでいただいた理由、また審査の感想
BIMの先進国である英国の世界的な認証機関であり、日本語に対応した審査員や多くの講習を行っている実績など幅広いサポート体制が整っているため選定いたしました。
― 構築・認証で良かった点
建設プロセスにおけるあらゆるフローが明文化されることにより、BIMを使用して生産される情報ややるべきことの優位付け、各々の役割が明らかになり審査を通してISO規格について理解を深め、今後の実運用や環境構築に活かすことができる実業務フロー等を基に弊社に即した管理文章やデータ環境を構築できたことが良かったです。BIM等の情報成果物だけでなく作成過程のデータ保管や情報生産履歴を保管／管理することの重要性を改めて理解できた点も良かったと感じています。
― 認証ご取得の経緯、感想について
BIMを3Dモデリングや図面化ツールとして扱ってきた日本の建設業にはまだまだ馴染まない内容が多くありますが「DX」を実現するためには必須の内容であり、必要な業務プロセスをどこまで取り入れていくかが今後の国際競争やBIMの高度利用に大きく寄与していくと感じています。
― 今後の活用について
グループ理念である「人がいきいきとする環境を創造する」ことをベースにデジタル分野の情報マネジメントとそのプロセスの最適化を目指します。弊社のBIM技術を用いて高品質な実在の建物に加え、BIM納品などにも対応していくためISO 19650の概念を活用してまいります。
■大成建設株式会社について
1873年の創業以来、大成建設は、日本の近代化や戦後の復興、経済成長、グローバル化といった社会の変化とともに、数多くのプロジェクトを手掛けてまいりました。
また、安全・安心で、魅力ある街づくりや社会資本の整備に携わり、大規模な自然災害からの復旧・復興、さらに国土強靭化にも貢献することで、建設業としての社会的責任を果たしてまいりました。
これからも、持続的な成長と企業価値の向上を図っていくとともに、お客様をはじめステークホルダーの皆様へより多くの価値と満足と感動をお届けするため、グループ理念「人がいきいきとする環境を創造する」を追求し、自然と調和した、次世代の夢と希望に溢れた社会づくりに取り組んでまいります。
URL： https://www.taisei.co.jp/
■BSI（英国規格協会）とBSIグループジャパン株式会社について
BSI（British Standards Institution：英国規格協会）は、1901年の設立以来、世界初の国家規格協会として、また、ISOの設立メンバーとして活動する規格策定のプロフェッショナルです。現在、193カ国で84,000組織以上のお客様の活動に貢献しています。BSIグループジャパンは、1999年に設立されたBSIの日本法人です。マネジメントシステム、情報セキュリティサービス、医療機器の認証サービス、製品試験・製品認証サービスおよびトレーニングコースの提供をメインとし、規格開発のサポートを含め規格に関する幅広いサービスを提供しています。
URL： https://www.bsigroup.com/ja-JP/
