「売れる広告(ダイレクト広告)の増加と(イメージ広告ブランディング広告)」の減少
「売れる広告(ダイレクト広告)の増加と(イメージ広告ブランディング広告)出稿額推移
國徳
本調査では、「売れる広告(ダイレクト広告)」を消費者からの購買・申込みなどのレスポンスを直接獲得する広告、「イメージ広告(ブランディング広告)」をレスポンスを獲得しない広告と定義したうえで、2025年までの国内広告出稿額を予測しております。
本調査内容及びグラフはご自由にご利用いただけます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/229452/LL_img_229452_1.jpg
「売れる広告(ダイレクト広告)の増加と(イメージ広告ブランディング広告)」の減少
■日本の広告業界の変遷
広告は「売れる広告(ダイレクト広告)」と「イメージ広告(ブランディング広告)」の2つに大別することができ、日本の広告業界は戦後からずっと「イメージ広告(ブランディング広告)」で成り立ってきました。あくまでも広告の役割は商品認知の拡大、その後店頭で買ってもらうというビジネスモデルが一般的でした。当時は高度成長期でモノに対する需要が溢れるほどあったため、「イメージ広告(ブランディング広告)」で消費者に商品を認知させることが重要だったのです。
経済成長によって物質的に豊かになり、必要なものをすべて持っている状態になった現在の消費者は、消費意欲が衰えました。さらにバブル崩壊、リーマンショック、震災やコロナショックによる景気低迷により、消費者の財布の紐はますます固くなり、広告主は広告に対して「費用対効果」を追い求めるようになってきました。
これは、広告主が広告を「投資」として捉えるようになり、「売れる広告(ダイレクト広告)」に対する需要が増えてきていることを意味します。この流れはネットの世界にとどまらずオフラインの広告にも見られ、例えば保険会社のテレビCMではフリーダイヤルへの誘導が増える等、広告にレスポンスを求めるようになってきました。
今までの広告業界はマスメディアのテレビ広告や新聞広告を中心に、「イメージ広告(ブランディング広告)」が繰り返され、キャンペーンごとに売上が上がったり下がったりするような不確実なやり方が続いていました。ここには、大手の広告代理店が既得権益を守ろうと、広告の効果を「数値化」することを避けてきたという背景があります。長年にわたり、広告の効果の「数値化」は広告業界のタブーとされていました。
しかし、デジタル化が進むことにより広告の「費用対効果」の「数値化」が可能となり、不景気の影響で広告主がますます「費用対効果」を求めるようになっています。日本の広告業界は「数字」を曖昧にした既得権益を廃止し、ネットだけではなくマスメディアも含めて「数字」ベースの実力で闘うことができる業界へと移り変わってきていると言えます。
■通販(D2C)業界の成長
一般家庭にインターネットが急速に普及し始めた1990年代後半、家電量販店や大手のメーカーなどが続々と通販(D2C)に参入しました。2000年にはAmazonの日本語サイトのオープンやネット通販(D2C)専業企業も多く誕生し、ネット通販(D2C)業界は勢いを増します。
それまで、通販(D2C)は健康食品や化粧品メーカーの比較的マイナーな営業手法でしたが、2007年にiPhone、2008年にAndroidと相次ぐスマートフォンの登場でデジタル化の波が押し寄せ、ネット通販(D2C)は驚異的な拡大基調が続くことになりました。大手企業もデジタル化の流れを無視できなくなり、ネット通販(D2C)への参入が多く見られたのもこの頃です。
さらに最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外出自粛により、ネット通販(D2C)を利用する人が増えている状況です。コロナ禍において他の業界では軒並み業績が悪化し続ける中、通販(D2C)業界は大きく業績を伸ばしています。この通販(D2C)業界における広告は「売れる広告(ダイレクト広告)」が主流であるため、通販(D2C)業界の市場規模の拡大に伴い「売れる広告(ダイレクト広告)」の需要は必然的に高まります。
これらを背景に、「売れる広告(ダイレクト広告)」の広告出稿額は、引き続き増加傾向にあります。
■「売れる広告(ダイレクト広告)」と「イメージ広告(ブランディング広告)」の出稿額推移
(2000年-2025年)
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/229452/LL_img_229452_2.jpg
「売れる広告(ダイレクト広告)の増加と(イメージ広告ブランディング広告)出稿額推移
※『売れるネット広告社』の過去10年の独自データおよび関連業界への検証調査に基づいて推計。デジタルおよびマス四媒体の出稿額。2020年度以降は当社予測。
※「売れる広告」(ダイレクト広告)」:消費者からの購買・申込みなどのレスポンスを直接に獲得する広告。レスポンスを獲得しない広告を「イメージ広告(ブランディング広告)」と区分した。
※本調査内容及びグラフはご自由にご利用いただけます。ただし、転載・ご利用いただく場合は、出典元として『売れるネット広告社』を記載のうえご利用ください。
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【概要】
2018年には「売れる広告(ダイレクト広告)」の出稿額が「イメージ広告(ブランディング広告)」の出稿額を逆転。2020年には2兆7,000億円、2025年には、3兆8,800億円に達する見込み。
2000年以降、「売れる広告(ダイレクト広告)」の出稿額は増加し続けており、2018年には「イメージ広告(ブランディング広告)」の出稿額を上回りました。
日本の企業の99.7%は中小企業と言われています。売上が上がるかが不確実な広告は、中小企業にとっては大きなリスクが伴います。経済不況と言われる状況において、「売れる広告(ダイレクト広告)」への需要が今後も拡大することは間違いありません。
物質的に豊かになった消費者の消費意欲は衰え、広告主が広告に期待する役割にも変化が見られるようになってきました。「売れる広告(ダイレクト広告)」への需要は増加傾向にあり、その傾向は中小企業にとどまらず大手企業にも広がっています。直近では新型コロナウイルスによる経済不況の影響により広告宣伝費の削減を余儀なくされた大手企業も多く見られました。広告費削減の動きがあった企業においては「費用対効果」の高い新たな広告手法を模索しているところも多く、「売れる広告(ダイレクト広告)」の需要は大手企業にもさらに広がることが予想されます。
これらを背景に、2025年の「売れる広告(ダイレクト広告)」は、3兆8,800億円に達する見通しです。
■広告業界の未来
新型コロナウイルスによる経済不況は、広告効果が「数値化」されない「イメージ広告(ブランディング広告)」のビジネスモデルの崩壊を加速させています。景気が悪い時ほど広告の「費用対効果」への需要は高まり、広告=「売れる広告(ダイレクト広告)」、つまり投資として捉えられるようになっていくのです。今後もこの流れは続くと想定され、広告業界は「数値化」できる世界になっていくと考えられます。「費用対効果」を求められる世界へと変化していくことで広告代理店はこれまで以上に責任が問われるようになりますが、「売れる広告(ダイレクト広告)」は結果として広告主を成功に導き、業界全体を活性化する起爆剤となることでしょう。
当社は創業当初から「広告の本質は物を売ること」とし、いかにクライアントの売上を上げていくかに特化して“100%確実性”のある広告を追求してきました。今後も広告業界の活性化とすべての広告主を成功に導くために、“最強の売れるノウハウ(R)”を用いてサービスの向上に努めてまいります。
■調査概要
調査主体:株式会社売れるネット広告社
調査方法:売れるネット広告社の過去10年の独自データおよび関連業界への検証調査
調査対象:デジタルおよびマス四媒体の出稿額
※本調査内容及びグラフはご自由にご利用いただけます。ただし、転載・ご利用いただく場合は、出典元として『売れるネット広告社』を記載のうえご利用ください。
※「最強の売れるノウハウ」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第5927186号