
父母が離婚した際、子の養育費に関する取り決めがなくても、子を養育する親が相手に一定額の養育費を請求できる「法定養育費」の額について、法務省は子1人あたり月2万円とすることを正式に決めた。離婚後の父母の共同親権を可能とする改正民法の施行に合わせ、2026年4月1日からスタートする。平口洋法相が28日、閣議後記者会見で明らかにした。
法務省が8月、子1人あたり月2万円とする内容を含む省令案を公表。9月から1カ月間、パブリックコメント(意見公募)を実施した。「物価上昇を考えると2万円では足りない」などと、より高額にすることを求める意見が多数寄せられたが、有識者検討会を2回開いて2万円を維持することを決めた。
法定養育費は離婚した父母が適正な養育費を決めるまでの間支払われる。法務省によると、あくまで暫定的な措置という制度の趣旨を踏まえ、有識者の意見も2万円が妥当との結論に至ったという。
また、養育費の支払いが滞った場合、支払い義務がある親の財産を優先的に差し押さえられる新たな制度についても、法務省は子1人あたり月8万円を上限として優先的に弁済を受けられるとすることを正式に決めた。【巽賢司】
