冬の庭を彩ってくれる葉ボタンは、寄せ植えにも使いやすく花壇などでよく見かけます。最近では100円ショップでも取り扱いがあり、ガーデニング初心者でも気軽に育てることができます。
実は葉ボタンは、食べることができるのを知っていますか?
身近ですが、意外と知らない葉ボタンの魅力や育て方、花言葉などをご紹介します。
冬の園芸の代表品種、葉ボタン
鮮やかな葉色が特徴の葉ボタンは、 アブラナ科の多年草の植物 です。 原産国はヨーロッパで、キャベツに似ているケールを品種改良したのが葉ボタン です。キャベツやブロッコリーの仲間ですよ。
食用に江戸時代に渡来しましたが、味が好まれず観賞用で広まりました。葉の色はピンク系や白系があり、葉の形や大きさも様々な種類があります。寄せ植えに使うのもおすすめですが、縁起がよいので正月飾りやブーケなどにも使われています。
ちなみに、 花のような見た目ですが葉 です。暖かくなるころまで葉ボタンを植えっぱなしにしていると、菜の花に似た黄色の花を咲かせます。
縁起がよい葉ボタンの花言葉
葉ボタンの花言葉は 祝福、愛を包む、慈愛、物事に動じない、利益 です。
葉が重なるように展開していく姿が花言葉の由来になりました。
牡丹の花は昔から縁起がよいとされ、大切に扱われていました。育てるのが難しいのと値段も高いので、葉ボタンが登場すると徐々に正月飾りなどに使われるようになったそうです。
葉ボタンは食べらる!?調理方法や注意点
元々葉ボタンは食用として日本に入ってきたので食べる事ができますが、調理をきちんとしないと美味しくありません。 葉ボタンは山菜に近い独特の苦みがあります。
おすすめの調理方法は、煮る・炒める・高温でしっかり揚げる、です。中心の柔らかい部分を使うと、エグさや硬さなどが気にならないですよ。
料理に使う時は園芸用の苗だと残留農薬の心配もあるため、必ず種から育てたものを調理しましょう。
調理方法によっては葉ボタンの色素が出てしまう場合もあります。
葉ボタンの育て方
様々な楽しみ方ができる葉ボタンは、冬の間ほとんど成長しないので植えた状態で春まで綺麗な状態を保つことができます。葉ボタンは種から育てることができるので、時間はかかりますが大量に葉ボタンを使いたい時などに便利です。
葉ボタンを上手く育てるコツは、水やりと土づくりです。葉ボタンの育て方から種まきのコツなど、詳しくご紹介します。
置き場所
葉ボタンは日光が好きな植物です。 日光によくあてた葉ボタンは葉がよく育ち、病害虫の被害にあいにくく丈夫で立派な株になります。
強い耐寒性を持っていますが、霜に当たると葉が傷んでしまいます。鉢植えの場合は日当たりと風通しがよい軒下などで管理するとよいでしょう。
種から育てた若い苗は、葉焼けしやすいので風通しがよい明るい日陰で管理します。株がしっかりしてきたら日当たりがよい場所に移動しましょう。
水やり
葉ボタンの水やりは 基本的に乾かし気味に水やりします。 鉢の土が乾いたら鉢底穴から水が出るぐらいたっぷりとが基本です。いつまでも土が濡れている状態だと、 根腐れの原因に なります。
地植えの場合、しっかり 根付くまでは乾燥させないように水やりしましょう。 葉が動き出したら、しっかり根付いた合図なので降雨に任せて大丈夫です。
用土と肥料
葉ボタンは土質を選ばないので 基本的に花と草の培養土でも十分に育ってくれます。 自分で土を作りたい場合は、 赤玉土小粒6:腐葉土3:ピートモス1の割合で混ぜ合わせます。
地植えにする場合は、庭の土に川砂やパーライトなどを混ぜこんでおきます。
基本的に葉ボタンには肥料を使わなくても大丈夫です。 むしろ肥料を使ってしまうと、葉ボタンの魅力である葉の色が黒ずんでしまって色が綺麗に出ません。
植え付けに使った培養土に肥料が含まれていないときやあまり成長しないときは、リン・窒素・カリウムのバランスがよい緩効性肥料か液体肥料を与えます。
種まき方法
葉ボタンの種まき時期は、7月〜8月の夏です。発芽温度は20℃前後で、5日〜1週間ほどで発芽します。
種まきのやり方は、以下のとおりです。
- 育苗箱やプランター培養土を入れる
- 種同士か重ならないように、種をまき上に軽く土を被せる
- 種がこぼれないように優しく水やり
- 発芽しだしたら、ポットなどに植え替える
種から育てるコツとして、 発芽するまでは乾燥させないようにしましょう。 置き場所は日陰で涼しい場所で管理します。
発芽してから本葉が3〜4枚ほどになったら、明るい日陰に移動させ徐々に日光に慣らしていきます。よく日光にあてると、大きくて立派な株に成長してくれますよ。
葉ボタンにつきやすい病害虫
冬の間は病害虫の被害にあいにくい葉ボタンですが、気温が高くなった時に アブラムシやヨトウムシ、ナメクジの被害を受けることがあります。
モンシロチョウの幼虫もつきやすいので、綺麗に葉ボタンを育てたい時は対策が必要です。植え付けのときに、 オルトランを土に混ぜておくと病害虫の被害を減らすことができますよ。 幼虫を寄せつけたくない場合は、成虫が卵を産みつけないように防虫ネットなどをかけておくと安心です。
踊りボタンとは?
葉ボタンの楽しみ方の一つに 踊り仕立て があります。育った姿が踊っているように見えるのでこの名前がつけられました。4月頃から花芽が上がってきて、菜の花のような花が咲きます。花が咲き終わったら、花の下から切ると脇芽が出て上へ上へと伸びていきます。
このまま育ち冬になると脇芽が成長し葉が色づいてくるので、くねくねとした面白い姿で育てることができますよ。
葉ボタンで冬の庭を彩ってみよう
古くから冬の園芸の代表品種として馴染み深い葉ボタンは、一度は育てたことがある方も多いのではないでしょうか。毎年我が家でも葉ボタンの寄せ植えをつくって楽しんでいます。
同系色や違う種類の葉ボタンを組み合わせて作った寄せ植えは、色鮮やかに庭を彩ってくれますよ。寒さに強くてガーデニング初心者でも育てやすい葉ボタンは種からも育てられます。
葉ボタンは寒くなればなるほど色鮮やかになっていくので、葉色の変化をぜひ楽しんでくださいね。
椎名淳美
余暇プランナー
園芸店で1つのサボテンに出会ってから、多肉植物の魅力にどっぷりハマってしまった茨城在住の主婦です。多肉植物を育て始めて4年目を迎え、気が付いたら150種類以上の多肉植物と猫2匹と暮らしています。 季節の花と多肉植物を育てながら 今までの経験を生かし、ガーデニングの伝えるため植物系ライターを始めました。植物の育て方や寄せ植えの仕方、トラブルの対処方法について執筆していきたいと思います。 最近、VTuberにハマっていて、昔から得意だったハンドメイドで自分なりの推し活を楽しんでいます。簡単に作れる推しグッズをご紹介します。