大和撫子の由来にもなったナデシコは、パッと目を惹くピンク色とギザギザの花弁が特徴の花です。
最近ではアニメやキャラクターの名前にもなってるので、なじみ深い方も多いと思います。
可愛らしい見た目と違って、丈夫で育てやすくガーデニング初心者でも育てやすいですよ。ナデシコの育て方から花言葉、注意点など詳しくご紹介します。
寄せ植えにも使いやすいナデシコとは
秋の七草のナデシコは ナデシコ科の多年草 です。非常に丈夫で開花時期が長いので、園芸ではポピュラーな品種です。 ヨーロッパ原産で、世界各地に300種類以上 あります。
花色はピンク、赤、白、ツートンカラー などさまざまで、庭で育てているとパッと目を引きますよ。 咲き方は花びらの先端が翼を広げたようにギザギザしているものから、フリルを重ねたような八重咲のもの までたくさんあります。
種類によっては四季咲きのものもあり、年中可愛らしい花を見ることができますよ。
平安時代からナデシコの花はなじみ深く、 可憐で可愛らしい女性の象徴 とされています。
ナデシコの花言葉
ナデシコの花言葉は 「純愛、貞節、無邪気、可憐」 です。
そそとした草姿と小さく可愛らしい花が女性らしい印象を与えてくれることから、花言葉の由来になったそうです。
ナデシコは花の色によってさらに花言葉がつけられています。
- 赤:燃えるような愛、大胆
- ピンク:純粋な愛
- 白:器用、才能
ナデシコには怖い花言葉は無いので、贈り物としても喜ばれるでしょう。
ナデシコの注意点
ナデシコには ペットには有害な「サポニン」という成分が含まれている ので注意が必要です。
少量なら誤飲しても問題ありませんが、大量に食べてしまうと 下痢や嘔吐の症状がでます。 また、 触っただけでも皮膚炎の原因になる可能性があります。
特に猫を飼っている場合は、猫が誤飲やいたずらをしないよう注意しましょう。
ナデシコの育て方
ナデシコを上手に育てるコツは、 日当たり・水やり・切り戻し です。
夏越しや冬越しがうまくできれば、毎年綺麗な花を咲かせてくれますよ。
初心者でも分かりやすいナデシコの育て方をご紹介します。
置き場所
ナデシコは日当たりを好む植物ですが、 真夏の直射日光は苦手 です。 6時間ほど日光が当たる日当たりのよい場所か明るい日陰 で育てるとよいでしょう。
鉢植えの場合は、日当たりと風通しのよい軒下で管理します。真夏の日差しに照らされたコンクリートに直接置いてしまうと暑さで根を痛める原因になるので、スタンドなどの上に置くと安心です。
水やり
ナデシコは 鉢の土が乾いたら鉢底穴から水が出るぐらいたっぷり と水やりします。ナデシコは 乾燥に強く過湿に弱いため、 水のあげすぎは根腐れや株を弱らせる原因になります。 メリハリをつけた水やり をしましょう。
真夏の水やりは様子を見て涼しい朝か夕方にしましょう。地植えの場合、植え付けてからすぐは水やりしますが、根付いた後は振雨に任せても大丈夫です。
用土と肥料
ナデシコは 水はけがよければ土を選ばず 元気に育ってくれます。市販の花と草の培養土でも問題なく育てるられますよ。自分で土を作りたい場合は、 赤玉小粒6:腐葉土2:川砂2 の割合で混ぜ合わせましょう。
開花時期が長いナデシコは、 肥料が切れると花付きが悪く なってしまいます。植え付けの時にマグァンプなどの緩効性肥料を土に混ぜておき、およそ2週間~1ヵ月毎に希釈した液体肥料を与えてください。アンプル型の液体肥料を鉢に刺しておくと手間がかからずおすすめです。
夏越しと切り戻し
ナデシコは夏の暑さに弱いため、 切り戻しをして株が蒸れるのを防いで夏越しさせましょう。
切り戻し時期は花が咲く勢いが弱まってくる5月後半で、梅雨前には株元から1/3ほど切って風通しをよくします。
葉が茂っていると蒸れやすいので、黄色く変色していたり枯れたりしている葉は取り除きましょう。
冬越し方法
種類や育てている環境にもよりますが ナデシコは-15℃にも耐えられる強い耐寒性 を持っており、関東以南であれば屋外で冬越しできます。
霜に当たると痛みやすくなってしまうので、寒冷紗やカバーをかけておくと安心です。
枯れてしまったように見えるかもしれませんが、冬越しが成功すると春に新芽を出してくれますよ。
株のサイズが小さい場合は霜が当たらない軒下やベランダなどで管理しましょう。
ナデシコにつきやすい病害虫
ナデシコは 灰色カビ病、うどんこ病、立枯病 にかかりやすいです。
原因はカビ菌なので、風通しをよくしておきましょう。斑点などが出ている部分を取り除きベニカスプレーなどを散布することで対処できます。
また、ナデシコにつきやすい害虫は アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ などです。
アブラムシやハダニは気温が高い時期に多く発生するので、見つけたら歯ブラシなどで退治します。植え付けの際にオルトランを土に混ぜておくと害虫がつきにくいです。
ヨトウムシは蛾の幼虫で、夜に活動し葉などを食べてしまいます。大食漢なので放置すると株を食べつくしてしまいます。
夜に見回りをして直接退治するか、薬を散布して対処してくださいね。
華やかで開花時期も長いナデシコを育ててみませんか
日本の気候に合っていて丈夫で育てやすいナデシコは、古くから愛される植物です。ナデシコの花は可憐で可愛らしく庭に彩りが出ますよ。春から秋にかけて手間いらずで長く咲いてくれます。
各メーカーからオリジナルの品種苗が作られているので、ナデシコが販売される時期になるとお気に入りを見つけるのが楽しいですよ。
夏の蒸れと水やりに気を付ければ手間がかからないので、ガーデニング初心者でも簡単に育てることができます。
咲き方や花色も豊富なので、自分好みのナデシコを見つけてぜひ育ててみてくださいね。
椎名淳美
余暇プランナー
園芸店で1つのサボテンに出会ってから、多肉植物の魅力にどっぷりハマってしまった茨城在住の主婦です。 多肉植物を育て始めて4年目を迎え、気が付いたら150種類以上の多肉植物と猫2匹と暮らしています。 季節の花と多肉植物を育てながら 今まで育てた経験を生かし、ガーデニングの魅力をお伝え出来たらいいなと思い、植物系ライターを始めました。植物の育て方や寄せ植えの仕方、トラブルの対処方法について執筆していきたいと思います。