Web3・メタバース業界のモバイルアプリエンジニアとは?
近年、Web3(Web3.0)やメタバースというワードを耳にすることが多くなりました。それぞれ現段階で明確な定義はありませんが、簡単に言えば以下のようになります。
- Web3:ブロックチェーン技術を活用した非中央集権型の新しいインターネットの概念
- メタバース:様々なデバイスからアクセスできるオンライン上の仮想空間サービスの総称で、アバターを介して交流や経済活動などができる活用方法が生まれている
この2つは別物ですが、関係性も深いです。
Web3においては、「NFT(非代替性トークン)」がデジタル資産の所有権を明確にし、中央集権的な管理者を必要としない「DeFi(分散型金融)」や「DAO(分散型自律組織)」といった新しい形態も可能になります。
これらのWeb3の技術は、メタバースを単なる仮想空間にとどまらず「現実世界と同じように交流・創造・仕事や取引ができる仮想世界」とするために、非常に大きな役割を果たすと言えます。
このような相乗作用もありますます注目を集めるWeb3・メタバース業界へ転職を考える際、モバイルアプリエンジニアという職種が選択肢の一つとして挙げられます。
まずはWeb3・メタバース業界においてのモバイルアプリエンジニアがどのような仕事なのか、役割・魅力・年収について解説します。
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Web3やメタバースについてわかりやすく知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧ください。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの役割
Web3・メタバース業界におけるモバイルアプリエンジニアは、Web3関連サービスまたはメタバースプラットフォームのスマートフォン向けアプリケーションの開発を行う職種です。
iOSまたはAndroidのネイティブアプリケーションの企画・要件定義、設計・実装、リリース、運用・保守などを行います。
「モバイルアプリエンジニア」の他にも、同じ役割を担う職種名として「アプリケーションエンジニア」、「Appエンジニア」、「スマホアプリエンジニア」など様々な呼び方をされることがあります。
また、ブロックチェーン上でソフトウェアを動かす仕組みであるスマートコントラクトを活用して開発される分散型アプリケーションは「DApps」と呼ばれ、そちらの開発を担当する場合もあります。
DAppsの開発については、ブロックチェーンエンジニアという職種の担当業務にも該当する場合がありますので、ブロックチェーンエンジニアについての記事も是非参考にしてみてください。
使用されるプログラミング言語
・Swift
Apple社が開発したオープンソースのプログラミング言語で、iOSのアプリ開発ができます。
iPhoneだけでなく、さまざまなApple製品向けのアプリケーションの開発が可能です。
コードがシンプルで初心者でも学習しやすく、リアルタイムで動作確認ができます。
・Objective-C
こちらもApple社が開発した、iOSのアプリ開発ができるプログラミング言語です。
C言語をベースにSmallTalk型のオブジェクト指向機能を持たせた言語となっています。
長年iOS向けのアプリ開発において市場をほぼ独占してきましたが、Swiftが2014年に登場してからは、Swiftが採用されることが多くなっています。
・Kotlin
主にAndroidアプリを開発するための、静的型付けのオブジェクト指向のプログラミング言語です。
2011年頃、それまでAndroidアプリ開発に使用されていたJavaをより簡潔な記述となるよう改良して開発されました。
Javaとの相互利用も可能となっています。
・Java
C言語をベースに開発されたオブジェクト指向のプログラミング言語で、Androidアプリ開発にもよく使用されます。
様々な環境で同じように動作するよう作られているため、スマートフォンやパソコン、家電などでも動作します。
また、処理速度が速いことや、豊富なライブラリがあることもメリットの1つです。
クロスプラットフォームのフレームワーク
クロスプラットフォームは、iOS・Android両方の端末で同じアプリが動かせるプログラムです。
クロスプラットフォームでのアプリ開発には以下のようなフレームワークが用いられます。
・Flutter
2018年にGoogleが正式リリースした比較的新しいオープンソースのフレームワークです。
スマートフォンのアプリ開発に特化しており、Dartというプログラミング言語を使用します。
ホットリロードに対応しているため、処理速度が速く、効率よく開発ができます。
・React Native
2012年にFacebook社が開発したアプリケーションフレームワークです。
開発言語にはJavaScriptを使用します。
こちらもホットリロードに対応しているほか、言語の認知度も高いためWebエンジニアでも簡単にアプリ開発を行うことができます。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの魅力
Web3・メタバース業界におけるモバイルアプリエンジニアの最大の魅力は、やはり注目されている新しい分野で活躍できる点ではないでしょうか。
まだまだ発展途上であり正攻法が確立されていない市場において、難易度や抽象度の高い課題に取り組む必要があるのは大変でもあります。
しかしその反面、既存のやり方や制約などに縛られずチャレンジしながら経験を積むことができるのは、大きなやりがいとなるでしょう。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの年収
求人サイトに掲載されているWeb3・メタバース関連のモバイルアプリエンジニアの求人を見てみると、年収は大体450〜900万円の範囲が多いです。中には最大で1000万円〜1200万円が提示されている求人も見られます。
これまでのアプリ開発の経験やスキルが豊富であれば、その点が考慮され、比較的高い水準の年収を目指せる可能性が高いでしょう。
下記の実際の求人の一例では、メタバースプラットフォームアプリのエンジニアの年収が600〜1200万円となっています。
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Web3・メタバース業界のモバイルアプリエンジニアの将来性
結論として、Web3・メタバース業界自体の将来性は非常に高いと言えます。その中でモバイルアプリエンジニアとして活躍するチャンスも大いに期待できるでしょう。
以下では、Web3・メタバース業界におけるモバイルアプリエンジニアの需要とキャリアパスについてご紹介します。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの需要
Web3・メタバースにおけるモバイルアプリエンジニアの需要の高まりを物語る、それぞれの市場規模と事例について説明していきます。
Web3の市場規模
市場調査会社のグランドビューリサーチによると、世界のWeb3.0ブロックチェーン市場は、2030年までに335億3,000万ドルに達すると予想されています。2023年〜2030年の年平均成長率は47.1%になる見込みだそうです。
国内市場についても、世界と比較すると規模は劣りますが、確実に成長を遂げています。
株式会社ミック経済研究所によると、国内のブロックチェーン市場は年平均成長率66.4%増で成長を続け、2024年度には1,000億円を超えると予想されています。
出典元:
Web 3.0 Blockchain Market Size &Share Report, 2030|Grand View Research, Inc.
大きく活用用途広がるブロックチェーン市場の現状と展望 2019年度版|ミック経済研究所
メタバースの市場規模
米国に拠点を置く大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが2022年6月に発表したメタバースに関するレポートによると、2030年にはメタバース市場における収益規模が5兆ドルに達すると予測されています。
国内市場については、三菱総合研究所(MRI)が発表したレポートにおいて、2025年に4兆円程度、2030年には24兆円規模が期待されるとの研究発表がされています。
出典元:
メタバースの価値創造 (Value Creation in the Metaverse)|McKinsey &Company
CX2030:バーチャルテクノロジー活用の場としての広義のメタバース|三菱総合研究所(MRI)
Web3モバイルアプリの事例
Web3技術を活用したサービスが続々登場する中、モバイルアプリで使用できるものも増加しています。
例として、福島県西会津町では、Web3技術を活用したモバイルアプリ「石高プロジェクト」が2023年8月にリリースされました。
米の後継者不足や米価下落などの課題を解決するため、消費者がデジタルプラットフォームを通じて米の生産者を支援できる仕組みを目指しています。
農業および地域全体の持続可能性を高めるため、今後も「米市場(NFTマーケット)」や「石高コイン(地域通貨)」などのシステムが構築される予定となっています。
出典元:Web 3.0と現代の米本位制「石高プロジェクト」モバイルアプリ・リリース開始|PR TIMES
メタバースモバイルアプリの事例
グリー株式会社100%子会社であるREALITY株式会社が運営するスマートフォン向けメタバース「REALITY」は、2022年10月時点で全世界ダウンロード数が1,000万を突破しています。
誰でも簡単にアバターを設定し、アイデンティティを体現しながら他のユーザーとコミュニケーションを取れる点が大きな魅力となっています。
国内だけでなく海外のユーザーからも人気を得ている、代表的なスマートフォン向けメタバースプラットフォームのモバイルアプリです。
このように大手企業や自治体が積極的にWeb3・メタバースの活用を始め、市場は急成長しています。
新しい分野のサービスにユーザーが手軽にアクセスできるモバイルアプリは、今後も増加していくことでしょう。
また、当メディア「GAMEMO」では、Web3・メタバース事業に関するインタビュー記事を多数掲載しています。国内のWeb3・メタバース事業の拡大について詳しく知りたい方は、是非参考にしてみてください。
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Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアのキャリアパス
Web3・メタバースのモバイルアプリエンジニアのキャリアパスは、個人や企業の志向により多岐に渡ります。
- ・スペシャリストとしてシニアレベルのエンジニアを目指す
- ・プロジェクトマネージャーなどのマネジメント職を目指す
- ・フリーランスとして独立する
などの道が考えられます。
Web3・メタバース業界はまだ発展途上であるため、先見性を持って仕事をすることで、将来的に重要なポジションを開拓し活躍するチャンスも期待できるでしょう。
Web3・メタバース業界に転職するために必要なもの
実際にモバイルアプリエンジニアとしてWeb3・メタバース業界に転職するには何が必要なのでしょうか。
もちろん、求人によって必須要件・歓迎要件・求める人物像は異なります。
以下ではそれぞれを網羅的にご紹介しますが、応募したい求人に対して自分がマッチしているかどうかは求人ページの要件をよく確認しましょう。
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Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアに必須のスキル・資格
Web3・メタバースのモバイルアプリエンジニアになるために、必ず取得しなければならない資格はありません。
特定の資格よりも、アプリケーション開発の経験が重要視されます。2年以上の実務経験は必須のことが多いです。
既にネイティブアプリケーション開発のスキル・経験がある方は、Web3・メタバース業界においても充分そのスキルを発揮できるでしょう。
モバイルアプリ開発経験が無くても、応募先の企業で主に使用される言語をある程度勉強することでチャンスが得られる場合もあります。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアにあると便利なスキル・資格
多くの場合に必須ではないものの、Web3・メタバースのモバイルアプリ開発業務に役立つ資格は存在します。
WEB3.0検定や暗号通貨技能検定、メタバースマスター検定は、Web3やメタバースについての知識を学習できる民間の資格検定です。Web3・メタバース関連の資格自体がまだ珍しいため、こちらにチャレンジしてみるのも良いでしょう。
メタバースにはVRを活用したものも含まれるため、VR技術者認定試験も選択肢として挙げられます。
システムアーキテクト試験やAndroid™技術者認定試験などのアプリ開発者向けの資格も、転職時にスキルを客観的に証明できます。
その他、あると便利なスキルは以下の通りです。
先述したWeb3・メタバース関連の資格を取らない場合でも、様々なサービスやプロダクトに積極的に触れたり、情報収集を行なったりしておくべきでしょう。
また、iOS・Androidの開発者向けの情報やWeb3・メタバースの情報は英語で公開されることが多いです。そのため、英語力があると最新の情報にアクセスしやすくなります。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアに求められる人物像
転職においては、要件をクリアしているだけでなく、企業の求める人物像に合致しているかどうかも重要なポイントです。
Web3・メタバースのモバイルアプリエンジニアに求められる人物像として挙げられるのは、以下の通りです。
新しいことへの好奇心、柔軟性がある
Web3やメタバースという発展途上の分野は、常に新しい情報が流れ、状況は変化し続けていきます。
ですので、好奇心や向上心を持って自発的に最新の情報を収集したり、新しい技術や未経験の領域でも柔軟に開発業務に取り入れられる人が求められます。
コミュニケーション能力がある
アプリ開発のプロジェクトは開発チームが組まれ進められるため、周囲との円滑なコミュニケーションを取れることも大事です。
チームのアイディアをまとめるマネジメント力や、企画段階ではクライアントと直接交渉をする上で営業力も必要となります。
Web3またはメタバースへの強い興味関心がある
Web3・メタバース業界への転職を目指すのであれば、Web3やメタバースへの興味関心が強いほどアピールポイントになります。
応募時は知識が無くても、これから勉強していきたいという意欲が大切です。
Web3・メタバース業界未経験でも転職できる?
Web3・メタバース業界未経験のモバイルアプリエンジニアでも、Web3・メタバース関連の求人へ応募し転職することは可能です。
Web3・メタバース業界での経験は必須要件ではない求人がほとんどです。
しかし歓迎要件には入っていることが多いですし、Web3・メタバースだからこそのモバイルアプリ開発をしていく必要もあるため、やはり最低限の知識は身に付けておくべきでしょう。
書籍や資料、メディアなどから情報収集し、実際に興味のあるサービスやプロダクトを触ってみることをおすすめします。
例えば仮想通貨の取引、DeFiの使用、NFTの購入、ブロックチェーンゲーム(GameFi)のプレイ、メタバースプラットフォームの利用などをしてみると仕組みがわかりやすいでしょう。
Web3・メタバース業界への転職活動とは?
Web3・メタバースにおけるモバイルアプリエンジニアの転職活動は、一般的な転職活動と同じように、求人の探し方や応募方法を把握することから始めます。
以下では、求人の探し方と志望動機のポイントについて解説していきます。
Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの求人の探し方
Web3・メタバースに特化した求人サイト・転職支援サービス、またはWeb3・メタバース関連のプロジェクトに携わっている企業のサイトやコミュニティなどから求人情報を収集し、応募先を選定します。
希望の求人が掲載されていなくても、Web3・メタバース領域特化の転職支援サービス「Web3.0 Jobs」でキャリア面談をすることで、企業とマッチングできる可能性があります。
「Web3.0 Jobs」では、求人の紹介だけでなく様々なサポートが受けられます。
職務経歴書や面接に関しての客観的なアドバイスや、条件面の代理交渉などに対応してくれるため、転職を有利に進めることができます。
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Web3・メタバース×モバイルアプリエンジニアの志望動機のポイント
履歴書や職務経歴書などの応募書類を準備する上で、志望動機は最も重要な項目の一つです。応募する企業ごとに、以下のポイントを意識して簡潔にまとめましょう。
その企業でなければいけない理由
その企業を志望した理由について説得力のある内容を書けるよう、企業の事業内容やビジョン、業務内容についてしっかりと調べて理解を深めましょう。
その上で、自分の軸やキャリアビジョンなどとの接点を見出していく必要があります。
経験・スキルをどのように活かすか
自分のこれまでの経験・スキルを転職先でどのように活かせると考えているか、根拠となる過去の実績やエピソードをもとに具体的かつ簡潔に書きましょう。
こちらも、調査した企業や求人の情報とのすり合わせが大切です。
Web3またはメタバースについての興味関心や学習意欲
業界未経験であっても、入社後のポテンシャルを感じてもらえるようアピールすることが大切です。Web3またはメタバースへの興味関心が強いことや、今後も積極的に勉強や情報のキャッチアップをしていきたいというような内容です。
まとめ|モバイルアプリエンジニアとしてWeb3・メタバース業界に転職しよう!
Web3やメタバースは今後も急速に発展し、ますます注目を集める分野です。
Web3・メタバースにおけるモバイルアプリエンジニアは、多くのユーザーが利用するモバイル端末とそのアプリケーションを通して次世代のサービスを届ける重要な役割を担います。今後も需要は高まることが予想され、将来性も期待できるでしょう。
Web3やメタバースに興味を持ち転職を考えているアプリ開発経験者の方は、ぜひWeb3・メタバースに特化した求人サイトや転職支援サービスを活用してみましょう。
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