世界最大のバーチャル空間イベント「バーチャルマーケット」を運営する株式会社HIKKYは、2022年11月29日に初の記者会見を行い、CEOの舟越様自ら「HIKKYの描くメタバースの未来」を提示しました。
今回は、GAMEMO編集部も記者会見に出席し、HIKKYが目指すメタバースの未来について取材してまいりました!
■次のメタバースは「リアル」と「バーチャル」の融合
舟越「これは明確に伝えたいのですが、次のメタバースは、リアルとバーチャルの融合によって、未来が見えます。」
舟越「まず、当社はパラリアルワールドプロジェクトを推し進めております。全世界の都市を100ヶ所、メタバース化していこうというプロジェクトです。」
舟越「これは(リアルにある都市をバーチャルの再現することで)リアルとバーチャルを組み合わせて価値創出をしていくというプロジェクトでもあります。」
■パラリアルワールドプロジェクトとは?
舟越「『都市をバーチャル化する』という構想は、言うのは簡単ですし、実際に(HIKKY以外にも)そういったケースもあります。」
舟越「そして、HIKKYもパラリアルワールドプロジェクトの一環として、メタバースの中にバーチャルの都市を作っています。東京の渋谷と秋葉原、大阪、ニューヨーク、沖縄。そして今回のバーチャルマーケットで名古屋、札幌、パリをメタバース上に作ってきました。」
■Sony「mocopi」との連携
舟越「これらの場所にはたくさんの人が集まります。パラリアルの街を作って終わりの世界じゃない。とにかく人がたくさん来ます。これがバーチャルマーケットです。私たちはそれだけの実績を積んでいます。」
舟越「何が言いたいかというと、このパラリアルワールドプロジェクトの展開によって、(企業様の中にもメタバースでの展開に)成功するケースが出ています。このように、我々は(パラリアルワールドプロジェクトのような)リアルとバーチャルの境界線を削っていくような、埋めていくようなことやっています。」
舟越「そしてこのタイミングで、一気にここ(リアルとバーチャルの溝)を進めようと思っています。こちらは、ソニー様から発売されるモバイルモーションキャプチャー『mocopi』という新製品です。今日の弊社の発表会に合わせて同時発表されました。ソニー様は今回のバーチャルマーケットにも出展され、この商品を紹介されています。」
舟越「これまでメタバースをVRで遊ぶ時に、動きをつけて遊びたい場合はモーションキャプチャーを実施するために複雑な環境を用意する必要がありました。」
舟越「mocopiを使えば、複雑なセンサーを使うことなくモーションデータを取ることができます。」
■HIKKYの新ソリューション「unlink(アンリンク)」とは?
舟越「そして、そのデータをスマートフォンで動くVket Cloudで作られたメタバースの中に送れば、リアルな動きがシームレスに反映され、アバターを自由自在に動かすことができる。」
舟越「機材が少なく、とってもコンパクト、そしてあらゆる汎用性を生み出すものとなっています。Vket Cloudエンジンとmocopiは組み合わせることで、野外でも使用可能となります。」
舟越「VR環境は、非常にいろいろなものを整えなきゃいけません。それがスマホ1つと、mocopiを用意して、Vket Cloudに入れて連携することで、家の外に持ち出して野外でも遊ぶことができます。」
舟越「そうすると、そこにバーチャル空間上からお友達が来て会うことができます。一緒にスマホで写メを撮って、ネットに投稿するなどの遊び方もできます。」
舟越「要するに、メタバースとシームレスに繋がることによって、外に行って友達と会って話す体験がそのままできるようになるということなんです。」
■「unlink」の多様な可能性
―――記者会見お疲れさまでした。
―――unlinkについてですが、今後はどのようなユースケースを想定して展開してゆくのでしょうか?
舟越「まず、イベントで使っていきます。2023年の夏、バーチャルマーケットとリアルバーチャルマーケッ トを、オタクの聖地である秋葉原で同時開催を予定しています。」
舟越「あとは、ビジネスシーン、働く人の世界でも活用できると思います。昨今リモートの会議が当たり前になってきたと思いますが『リアルで会議している時にはできたけど、リモートだとできなくなった』ことって、たくさんあると思います。
例えば、隣に座っている人に自分の手元の資料を見せながら『ここはね…』と話す行為。こういったことは、リモート参加で『画面の中』に居る人にはできない。
また、リアルで会議している人もリモートの人に気を使って『〇〇さんはいかがですか?』と、必要以上につい話しかけすぎてしまうシーンなどもあると思います。」
―――その点、unlinkとmocopiを使えば『バーチャルの人』も『リアル』の世界に呼び出すことができるので、よりスムーズなコミュニケーションができる可能性がありますね。
―――HIKKY様のwebサイトに「アバターの参加者」と「リアルの参加者」が混在した、会議室での集合写真が掲載されていたと思います。
―――あの写真のように、バーチャルに居ようがリアルに居ようが、同じ空間を共有できるようになると、色々なことができるのですね。
■クリエイターへのリスペクトが原動力
舟越「あとはやはり、クリエイターの皆様の声をしっかり聴いていきたいです。」
舟越「当社は『Creative Revolution』をミッションに掲げ、クリエイターの皆様との関わりを大事に活動してきた歴史があります。」
舟越「やっぱりコンテンツを作るのはクリエイターの皆様なので、大切にしていきたい。その声を踏まえて、最適な使い方、最適な提案を世に打ち出していけたらと考えています。」
―――HIKKY様は非常にクリエイターファーストな発想をお持ちの企業様だと私は思います。
舟越「この世界には多くの人がいますが、そのみんながクリエイティブを始めたら、これは本当に世界が変わると思っています。」
舟越「そして当社は、クリエイターの皆様や企業の皆様の力を借りつつ、当社の描く未来に『いいな、すごいな、たのしそうだな』と思ってくれた人たちを巻き込んで、自分たちごと、皆様の方(リアル)へ向かおうと思ってます。今後ともどうぞお願いいたします。」
―――お忙しい中お時間いただき、ありがとうございました。
元記事はこちら:GAMEMO「HIKKY の新ソリューション「unlink(アンリンク)」とメタバースの未来」