
全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。山梨県都留市の曹洞宗耕雲院というお寺で、「禅体験ツアー」というイベントがあり、そこで提供されているラーメンがヴィーガンの方やインバウンドにおける訪日外国人に人気を博しているという。
これは日本の食文化として大人気のラーメンを「精進料理」としても出せるようにしようというコンセプトのもと、動物性食品にくわえて、精進料理での使用を禁止されている「五葷」を使わずに作られたもの。「五葷」とはニンニク・ニラ・ネギ・タマネギ・ラッキョウなど、香りが強く、欲を増進させる野菜のことで、精進料理では使用を控えている。
このラーメンを市販品として発売したのがラーメン専門ECショップ「南野商店」だ。
その名も「禅麺(ZEN-MEN)」
https://minamino-shoten.com/products/zenmen-0001[リンク]

こういうラーメンはシンプルに美味しいかどうかが大事。コンセプトはもちろん大事だが、日本食の誇りであるラーメンの魅力がしっかり伝わる商品になっているかがとても大事だと思う。
乾麺になっていて、麺を茹でて、液体スープをどんぶりでお湯で割って合わせれば完成だ。麺は秋田県の佐藤養悦本舗 「稲庭中華そば」の乾麺を使っている。中華麺の乾麺の見方を変えてくれたイノベーティブな麺で、天然由来かんすいを使い、上品でなめらかな口あたりとつるつるとしたのどごしが特徴だ。

液体スープは水あめ状になっているのが珍しい。醤油ダレに昆布と白菜の旨みを合わせたあっさり系で、花山椒油がほのかに香るのが最高。

物凄く上品な香りと味わいで、バランスが絶妙だ。ハッキリ言って具材は要らない。コンセプトを忘れてしまうレベルの、ラーメンとして大変美味しい一杯に仕上がっている。
トライアルとして大変興味深い上に、飛び上がるほど美味しくて素晴らしい。ぜひお試しあれ。
(執筆者: 井手隊長)