
2025年3月24日、新駅ビル「minamoa(ミナモア)」が開業しますます利便性が高まるJR広島駅。さらに、25年夏には広島電鉄の路面電車が駅ビル2階に乗り入れる新ルートが開通予定。JRとの乗り換えがスムーズになり、広島を今春から夏の旅行先として検討する人も増えるだろう。
そこで今回は、広島駅から電車で行ける、春から夏におすすめの旅行先として尾道と生口島(いくちじま)の1泊2日モデルコースを紹介する。
レトロな街並みや瀬戸内の絶景を楽しめるスポットを巡る今回のモデルコースでは、素敵な写真が撮れること間違いなし。ぜひ、スマホやデジカメ、一眼カメラを持ってお出かけしてみてほしい。
レトロな雰囲気とグルメが楽しめる尾道本通り商店街

1日目のスタートは、JR尾道駅から徒歩圏内に広がる全長約1.2kmの商店街「尾道本通り商店街」。
古くからの歴史を感じさせる町並みの中に、老舗の和菓子店や瀬戸内の味覚を楽しめる飲食店、おしゃれな雑貨店やカフェが軒を連ねている。

ここではデジカメでの撮影がおすすめ! ノスタルジックな建物や、路地の雰囲気と相性の良い写真が撮れる。

尾道の街並みを見下ろせる古民家カフェや、尾道名物はっさく大福・はっさくソフトを堪能。
ロープウェイで尾道の絶景スポット「千光寺展望台 PEAK」へ


千光寺展望台「PEAK(ピーク)」は2022年に新たにオープンした、尾道市を代表する絶景スポットの一つ。ロープウェイで標高約140m上がった千光寺公園内にあり、瀬戸内海と尾道の町並みを一望できる。

展望台からの絶景は一眼カメラでの撮影がおすすめ! 撮影のコツは、なるべく遠くまで捉え、曲がりくねった海岸の地形や瀬戸内の島々を収めた画角にすること。尾道らしい島景色を際立たせることができる。
船でレモンの島 生口島(いくちじま)に移動!
尾道エリアに続き、今回の写真旅の第二の目的地は、尾道市に属する瀬戸内海の島「生口島(いくちじま)」。面積は約31㎢、人口は約8000人の小さな島だが、しまなみ海道の一部で美しい景観と温暖な気候が魅力の観光地となっている。


特産のレモンは全国的にも有名で、別称「レモンの島」とも呼ばれているとか!

尾道から生口島 瀬戸田港間は所要時間約40分、自転車も乗船可能なフェリーが運航。今回はレモンカラーのフェリーがお出迎えしてくれた。
生口島名物 レモン鍋と「瀬戸内さかな」を堪能する
1日目を締めくくる夕食には生口島の有名店、親子三代続く「ちどり」を訪問。

名物は生口島のレモンをふんだんに使用した「瀬戸田レモン鍋」(今回はレモン鍋とたこめしのセットを注文)。鯛やたこなど「瀬戸内さかな」の旨味が凝縮されたお出汁に、レモンの爽やかさがマッチした、ここでしか味わえない絶品鍋となっている。

せっかくなので瀬戸内さかなを存分に味わいたい! と言うことで穴子重も注文。

瀬戸内さかなとは、瀬戸内海で獲れる多様な魚介類を表すシンボル。広島県の海は、瀬戸内海の中でも比較的浅く、干潟や藻場も多いため、いろいろな魚が産卵に来る場所となっており、多くの魚を育む「ゆりかご」と言われている。
季節によって水温が大きく変わるため、一年を通して四季折々の旬の美味しい魚が豊富に存在するらしい。広島に行くなら、ぜひ季節の瀬戸内さかなを楽しんでみてほしい。
瀬戸内さかな公式HP:https://hiroshima-setouchi-sakana.jp/[リンク]
生口島の泊まれる温泉宿「yubune」

▲Hiroshi Abe
お宿は、2021年に開業した泊まれる温泉宿「yubune」。瀬戸田港に到着した船を降りて、徒歩わずか2分という好立地にあるのがありがたい。
「yubune」という名前の通り、銭湯併設型の宿泊施設で、宿泊者は滞在中自由に温浴施設を楽しめるため、尾道や生口島を歩き回った旅の疲れを癒すのに最適な空間となっている。館内は、地域の歴史を感じさせるデザインが施され、現代的な快適さと伝統的な美しさが融合している。

▲Tomohiro Sakashita

男湯・女湯それぞれにジャグジー付きの内湯と、外気浴を満喫できるサウナを完備。美術家のミヤケマイ氏が手がけた瀬戸内の島々と豊かな海の生き物が描かれたタイル壁が特徴的で、ユニークな瀬戸内の風情を感じることができる。

客室は、畳敷きのリビングを備えた素朴ながらも上質で洗練されたデザインで、静かな島時間を心ゆくまで堪能できる。

さらに、室内のフリードリンクには、瀬戸田産のみかんジュースや地ビールが用意されており、夜風呂後にビールを、朝風呂後にはみかんジュースを楽しむのが至福のひととき(提供内容は時期により異なる)。
一般客も日帰り入浴が可能で、地元住民にも愛される開かれた地域の銭湯として親しまれている。また、宿泊プランは素泊まりのほか、施設向かいに佇む地元豪商の旧邸宅を再生させた旅館「Azumi Setoda」にて和朝食を楽しめるプランや、近隣の飲食施設でのディナー付きプランも選択できる。
瀬戸内の穏やかな風を感じながら、心と体を癒す特別な時間を過ごしてみては。
yubune(ユブネ)公式HP:https://yubune.co/[リンク]
生口島 サイクリングでアートスポット〈島ごと美術館〉を巡る

2日目は朝から生口島サイクリング。しまなみ海道の人気サイクリングスポットの一つで、初心者から上級者まで楽しめる美しいコースが魅力となっている。島の周囲は約25kmで、特産のレモンをテーマにした「レモンロード」や、瀬戸内の多島美が広がる「瀬戸田サンセットビーチ」など、見どころも豊富。


島内の至る所には不思議な形のオブジェが! これらは「島ごと美術館」と呼ばれるアート作品群。全17作品が設置されているので、全部探してみるのも面白そうだ。


漕がなくていい電動のe-bikeでは、島の西側を海沿いに沿って進み、大三島につながる多々羅大橋まで楽々行ける。多々羅大橋は自転車でも徒歩でも渡ることができ、上から島々を見渡すことができ、瀬戸内サイクリングの醍醐味である爽やかな絶景を満喫できるのでおすすめ。
以上、春から夏の天気の良い爽やかな時期にピッタリの旅行先として今回のモデルコースはいかがだろうか? 美味しい地元グルメに、アクティビティ、何より絶景が広がる尾道・生口島にぜひカメラを持って「写真旅」に行ってみては。