映画レーベル「NOTHING NEW」製作第一弾のホラーショートフィルム作品集「NN4444」が下北沢「K2」にて2週間限定で上映され、なんと全回満席という異例の結果に。多数の反響を受けて、3月15日より「K2」にて追加上映されることが決定した。終了日は未定だという。
「NN4444」は、4人の新鋭監督と注目の俳優がタッグを組み、現代社会における不条理をそれぞれの視点から描いた4作からなるショートフィルム集。満席の報を受けて、監督陣と「NOTHING NEW」代表の林健太郎氏、「K2」代表の大高健志氏よりコメントが到着している。
「犬」の中川奈月監督は、本作を「魅力的な企画」だと思いつつも「一体どのくらいの方々が注目してくれるのかは想像出来ませんでした」といい、今回の反響にいたく驚いた様子。「Rat Tat Tat」の佐久間啓輔監督は、別々の監督が手掛けた4作品が並んだときに、“感染”というテーマがくっきりと浮かび上がったとその印象を明かす。「洗浄」の宮原拓也監督は「この短編集はホラーと銘打っているものの、ひとえにそうとはくくれない異質な作品で組成されている」と表現。「VOID」の岩崎裕介監督は、本作を「既存のホラー、既存の短編映画の枠組みから超越しようと、忌憚なく作られた作品群」と説明し、だからこそ「忌憚なき感想」を聞かせてほしいと作品を観る人に向けてメッセージを送った。
また、「NOTHING NEW」の林氏は、本作の鑑賞者の感想が「笑えた」「気分爽快」「不気味」「咀嚼できない」など様々であったことを振り返っており、上映劇場「K2」の大高氏は、ミニシアターの苦境が続く中で口コミで拡がりを見せる本作について「大きなヒットとなる予感を感じる、異例の盛り上がり」とその印象を語っている。
この反響なら、上映規模の拡大もあり得るかな? ひとまず、劇場に足を運べる方は今回の追加上映をお見逃しなく。
「NN4444」
3月15日(金)より下北沢K2にて追加上映
中川奈月監督 コメント
全回満席!ありがとうございます!
自分でも絶対に見たい魅力的な企画だと思い参加させて頂きましたが、一体どのくらいの方々が注目してくれるのかは想像出来ませんでした。しかし、こんなに足を運んで下さる方々がいるという事実に、楽しみにしてくれる仲間がこんなにいるんだと嬉しい気持ちです。
再上映出来ることになったのは本当に皆さんのお陰です。ぜひ一緒にこのジャンルの可能性を探してもらえたらと思います。
<プロフィール>
1990年生まれ。立教大学大学院現代心理学研究科にて篠崎誠監督に師事し、修了作品『彼女はひとり』を監督。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にてSKIPシティアワードを受賞、田辺・弁慶映画祭にて主演の福永朱梨が俳優賞を受賞。東京藝術大学大学院映像研究科に入学し、黒沢清監督、諏訪敦彦監督に師事。作品『投影』がイランのファジル映画祭で上映、修了作品『夜のそと』はニューヨークジャパンカッツにて上映された。
佐久間啓輔 監督 コメント
誰かが言った。この映画は「感染」だと。
確かに4作品を観た時に自分の中でもそのテーマがくっきりと浮かび上がってきた現代病とでも言うべき、増殖するという恐怖。
それは作品内の世界のみに留まらず、この映画自体が人伝いにじわじわと広がっていく。この現象は誰にも止められない。なぜか、その答えらしきものをこの映画で目撃するだろう。
<プロフィール>
1995年生まれ。中学生の頃にハリウッド映画に憧れ渡米。脚本・主演を務めた映画『さんさんごご』が2015年度の沖縄国際映画祭U-25部門にてグランプリと観客賞を受賞。フロリダ州立大学に留学し映画制作を学ぶ。留学後は映画配給会社に入社し、宣伝業務に携わった後独立。監督した『Funny』は仏クレルモン=フェラン国際映画祭MarketPicks選出、米リッチモンド国際映画祭観客賞&最優秀女優賞受賞。
宮原拓也監督 コメント
予想以上の反響に自分だけでなく、監督全員が驚いていると思います(笑)。この短編集はホラーと銘打っているものの、ひとえにそうとはくくれない異質な作品で組成されていると感じています。
言葉にできないこの厭な肌触りをぜひ劇場で確かめていただけると幸いです。
<プロフィール>
1992年生まれ、東京都出身。映画監督/映像作家。幼少期にイギリスのロンドンで過ごす。音楽をはじめとした非言語的・ノンバーバルな表現が特徴的。監督作品は『ROTUINE』『EVEN』(東京国際映画祭入選)など。
岩崎裕介 監督 コメント
挑戦的な内容ながら、沢山の方に観ていただけているようでとても嬉しいです。
既存のホラー、既存の短編映画の枠組みから超越しようと、忌憚なく作られた作品群だと思うので、皆様もどうぞ忌憚なき感想を、じゃんじゃんいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いします。
<プロフィール>
1993年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2017年東北新社入社、2019年ディレクターデビュー。静的で異物感のある演出が持ち味。ストーリーレーベル『ノーミーツ』での脚本演出、俳優活動も兼ねる。黒烏龍茶、ペプシ、図書カードNEXT、人生ゲーム、ポケモンカード、スーパーカップ、キントーン、関西電気保安協会など数々のCMを手掛けている。ACC フィルム部門グランプリなどを受賞。
NOTHING NEW代表 林健太郎 コメント
NN4444はホラーと名乗っておりますが、ホラーではないかもしれません。
鑑賞された方によって「笑えた」「気分爽快」「不気味」「咀嚼できない」と受け取り方もバラバラ。この作品集のジャンルが定義づけられるのは、もう少し先になりそうです。
<プロフィール>
1993年生まれ。NOTHING NEW 代表。新卒で大手映画会社に入社、劇場勤務、映画の企画開発業務などを行う。並行して社外でインディペンデント映画を製作。2020年にオンライン劇団「ノーミーツ」、ストーリーゲームレーベル「POLARIS」を立ち上げ、それぞれの領域で創作活動を行い文化庁メディア芸術祭など受賞。2022年、”才能が潰されない社会”を目指す映画のスタートアップNOTHING NEWを開始。実写/アニメーションの映画製作、および映画発信拠点下北沢TAN PEN TONの設立、海外展開など全方位で挑戦中。製作第1弾『NN4444』が公開。
K2 / MOTION GALLERY代表 大高健志 コメント
2月16日(金)から2週間限定での上映を開始した『NN4444』が、2週間のすべての上映が満員札止めとなりました。
ご来場されるお客様の客層を見ても”身内”のような集まり方ではなく、鑑賞した方の口コミからの拡がりを感じていて「満席で見れなかったが、見たい!」といった声も見聞きするなど、大きなヒットとなる予感を感じる、異例の盛り上がりを見せています。
コロナ禍以降アートフィルムをメインに上映するミニシアターの苦境が伝えられていますが、このような新しい才能が生み出した映画に、新しい客層が出会い、そして拡がりが生まれつつある現状に、ネット空間だけでは生み出せない、リアルな場が有する力も感じています。
『K2』は、新しい才能を新しい観客に届け、未来のミニシアターをかたちづくっていくことを目指し、「Short Film Biotope」などの短編作品の取り組みも行っておりますが、『NN4444』の異例の盛り上がりにその意義も改めて感じさせられています。今回のこの大きな反響を受け、急遽3/15(金)からのロードショーが決まりました。このロードショーを、『K2』と『TAN PEN TON』という下北沢の2つのリアルな場を起点に新しい映画のうねりを作っていければと思っています。
<プロフィール>
早大政経卒業後、外資系コンサルティングファーム入社。戦略コンサルタントとして、事業戦略立案等に従事。その後、東京藝術大学大学院に進学。制作に携わる中で、クリエイティブと資金とのより良い関係性の構築の必要性を感じ、クラウドファンディングプラットフォーム『MOTION GALLERY』設立。以降、70億円を超えるファンディングをサポート。’15年グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」受賞 。’22年下北沢駅南西口直結のミニシアター、シモキタ-エキマエ-シネマ『K2』開館。様々な領域でプレイヤーとしても活動。 現代アート: 2020年開催「さいたま国際芸術祭2020」キュレーター 映画: プロデューサー 『あの日々の話』(第31回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門選出)/『踊ってミタ』/『僕の好きな女の子』/『鈴木さん』(第33回東京国際映画祭「TOKYOプレミア2020」部門選出) 製作協力 『スパイの妻』(第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)/『蒲田前奏曲』/『脳天パラダイス』