荒川弘先生が描く大人気漫画を原作とした実写映画『鋼の錬金術師』が12月1日に公開! 幼き日に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アルの波乱に満ちた旅と成長のストーリー、魅力あふれるキャラクターたちは、世界中のファンを魅了し続けています。
中でも、実写化キャスト発表の段階でまさにピッタリ! と話題になったホムンクルスの3人。今回はエンヴィー役の本郷奏多さんにインタビュー。
作品の見どころから、エド役の山田涼介さんとのエピソード、“1番漫画原作ものに出演している俳優、國村隼説”や“本郷さんが嫉妬してしまうこと”まで、笑いの絶えない和やかな雰囲気で語ってくださいました!
真理の扉の表現は「ちょっと実写版が超えちゃったな」
――ホムンクルスの3人がとても原作そのままでビックリしました! 出来上がったものをご自身でご覧になった感想を聞かせてください。
本郷:最初に『鋼の錬金術師』を実写化するって話を聞いた時は、「え、どうなるのかな?大丈夫かな?」と思うところも実はあったりはしたんですけど、その不安が一気に払拭されたというか、すごい作品が出来上がったと感じました。映像の技術が素晴らしいですし、そのおかげでキャストはみんな日本人だけど、あの世界観がちゃんと成立しているし、すごい作品にまとまったな、仕上がったなと感じましたね。
――作品の舞台は日本ではないですが、日本で生まれた漫画作品なので、海外の俳優さんを使うより世界観がきちんと再現されていたと思いました。
本郷:僕もそう思いますね。様々な考え方はあると思うんですけど、今回はすごく良いバランスで出来ているんじゃないかなって思います。
――エンヴィーはどんなキャラクターだと捉えて演じられたのでしょうか?
本郷:非常に難しい役なので、うまく言えないんですけど、漫画やアニメのイメージをなるべく再現できればと思って、今回演じております。戦闘能力は決して高くはないですし、正直原作の中でもけっこう掴みどころがないキャラクターだと思います。今回、ホムンクルスはラストの存在が立つように物語が作られていると思うので、そこに少しでもスパイスを加えられたらなと。
――完成した映像を観て、ご自身のキャタクターへのハマり度はどれくらいだと感じましたか?
本郷:変な服装と髪型だし、どんな風に映っているのかなと思いながら撮影していたんですけど、うーん、どうでしょうね~。普段だったら完成した映画を観た時、もっと手応えがあるんですけど、これはどうなのか今はわかっていないです。観てくださるみなさんがどう感じるか、正直まだわからないですね。
――そうなんですか!? 個人的にはすごくハマっていたと感じましたよ!
本郷:そりゃあまぁ、僕の演じる役について僕に取材をしてくださっているんだからそう言いますよね(笑)。
――いやいや! そういうことは抜きに、ですよ(笑)! エンヴィーは細身ですが、原作では少し筋肉質に見える場面もあったりしますよね。その辺りは意識されて役作りした部分はあったんでしょうか?
本郷:漫画の中でも、すごく細い感じに描かれていたり、ちょっと筋肉質っぽく描かれていることがあって、監督ともどっちでいこうか最初に相談しました。筋トレとかしてしっかりと筋肉をつけた方がよければつけますし、って言ったんですけど、話してみたら、「どっちもありだとは思うんだけど、でもミステリアスな感じがあった方がよくて、中性的なイメージなんだよね」と監督がおっしゃってくれたので、面倒くさい筋トレはすることもなく、ぬるっと撮影に入りましたね(笑)。
原作者の荒川弘先生に質問ができる機会があって、「エンヴィーって先生の中では細身なんですか?筋肉質なんですか?」って質問したら、先生の回答は「そこまで考えてなかった」って(笑)。だから結果的には良かったんじゃないかなと思います。最小限の努力で撮影に入りました(笑)。
――今回の実写映画の中で好きなキャラクターは誰ですか?
本郷:今回の作品では、ヒューズさんが一番好きで、推しメンです。佐藤隆太さんのヒューズがとてもハマり役で、優しいし仲間思いだし家族思いで、人が良くてちょっと不器用で……って元々の原作のイメージのヒューズさんを完璧に体現してらっしゃって、本当にヒューズさんにしか見えないし、他の人では想像ができないなって思うくらいハマってらっしゃいました。
――元々原作ファンでいらっしゃると思いますが、原作ファンだからこそ、今作の表現方法や演出ですごいと感じた部分はありますか?
本郷:錬成シーンは本当に迫力があってカッコイイなと思います。錬成陣が光るんだ!とか、錬成していたらその分、どこかがきちんと減っていたりとか。当たり前ですけど、ちゃんとこだわって作られているんだなって。あと、真理の扉の中の表現が、「こう来たか!」って思いました。あの白い煙のような姿と、たぶん山田さんのものであろうパーツがあって、「あ、こういう表現になるんだな、すごいな」と思いましたね。漫画だとただベッタリとした白い人なので、そこの表現方法に関しては、ちょっと実写版が超えちゃったなって思いました。
――確かに真理の扉の表現は面白かったです。
本郷:監督も、もっとドンパチやっているシーンの方が作り込むのが大変だったと思っていたらしいんですけど、「実は真理の扉のシーンが地味に大変だったんだよ」とおっしゃっていて、かなりお金がかかっているみたいなことを言っていました。
――特に注目して観てほしいポイントは?
本郷:僕は、松雪さん演じるラストがすごく素敵だなと思って観ていました。こんなにおキレイで妖艶なのに、漂うボス感。我々ホムンクルスチームが強大な敵に見えるのって、たぶん松雪さんが95%ぐらいを締めていると思うんですよ。あとは、ひょろっちい子どもと、丸い変なデブしかいないので(笑)。強そうな敵感を出してくれているのはラストさん。そのホムンクルスチームに注目して観てもらいたいです。
本郷奏多の心を撃ち抜いた山田涼介のイケメンな気遣い!
――全体を通して本郷さんが気になったシーンや印象に残った場面はありますか?
本郷:僕は、エドとアルが殴り合いのケンカをするシーンが一番感動してグッときました。アルが、自分の抱えている不安だったり思いを全部ぶつけて、それを全部エドが聞いて受け止めて。エドは不器用だから、それに対して言葉じゃなく、心と体でぶつかってアルとの絆を取り戻す。あのシーンの山田くんがすごく素敵でしたね。山田くんも本当にものすごい役者さんだなと僕は思ってみているので、その山田くんのお芝居の良さがとても出ていたシーンだと思います。お芝居としてもすごく難しかったと思うのに、素敵でした。
――他にも、今回山田さんと共演されて、凄いなと感じたことはありましたか?
本郷:もちろんお芝居の面でもいっぱいあるんですけど、昨日、すごく感動したことがあって。昨日(11月15日)は僕の誕生日当日だったんですよ。もちろん僕は、バレないようにというか、ひっそりと過ごしていたんですけど、山田くんだけ帰り際のエレベーターに乗ってお別れするよっていうときに、すっごいスマートなタイミングで「奏多くん、これ。おめでとうございます」と言って、プレゼントを渡してくれたんです。まじでちょっと恋をしましたね。そのタイミング然り、スマートさと心遣いに「すげーな、カッコイイな!」と思いました。
――ちなみに、プレゼントが何か聞かせてもらうことはできますか?
本郷:素敵なお酒でした。
――選ぶものも素敵ですね。
本郷:素敵です、カッコイイですね~。若くて可愛らしい見た目なのに、しっかり真ん中に太い柱として立っている姿が、やっぱりスター性があるというか……。人を惹きつける力のある人だなと思いました。
――錬金術は原則として、代価が必要で等価交換で錬成できますが、本郷さんだったら何を代価に何を得ますか?
本郷:難しいですね。人は老いていくので、加齢とともに劣化していくと思うんです。だから、お尻とか自分のキレイなところの皮膚を顔に交換していきたいです。
――それは誰もが憧れる美を保つ方法になりそうですね。それだと代価は自分の皮膚?
本郷:お尻のキレイな皮膚をもってくるので、お尻が汚くなっていきます。あと、髪の毛とかも切らなくてもいいかもしれないですね。髪伸びたな、と思ったら、腕毛とかを伸ばして切るだけでいいとか。そういうことをやっていきたいですかね。
――自分の中で全部生成して若々しく生き続ける……、すごいですね。
本郷:意外と便利かもしれないですね(笑)。
1番漫画原作ものに出演している俳優、國村隼説
――これまでも漫画原作の作品に出演されたり、ご自身も漫画がお好きなイメージがありますが、最近特にハマった作品はありますか?
本郷:最近あまりいろいろな漫画を読めていないんですが、『いぬやしき』はハマりました。
――現在放送しているTVアニメにもご出演されていますもんね!
本郷:そうですね、自分が出ている作品を挙げるのもあれなんですけど……。『GANTZ』が好きで、奥浩哉先生の作品が好きだったので、その新作がすごく面白いなと思って読んでいたら、たまたま出演できることになって嬉しかったです。
――漫画の実写作品に出演される際に気をつけていることは?
本郷:僕は原作を大事に、そのままのイメージができればなと思って毎回やっているので、ただ単に、原作ファンから叩かれづらいことをやっているだけなのかなって思います。
――おそらくそれが一番難しいのでは……?
本郷:いや、一番簡単です。漫画やアニメが原作だと、全部、「これをやってください」というキャラクター像があって、それを僕はやっているだけなので。この方法って実は一番努力していないと思いますし、でも、それが結局一番喜んでもらえるんだったら、それが正解かなと思っています。
――本郷さんは、人気作品の中でも、さらに“人気キャラ”を演じることが多いと感じるのですが、そのオファーをいただいたときは、率直に「やったー」と思うのか、それとも「プレッシャーだな」と思うんでしょうか?
本郷:単純に嬉しですね。目立たないキャラよりは絶対に目立つキャラの方がおいしいと思いますし、主人公でもないから、背負う責任も主役の人よりは少ないですし(笑)。あと、主人公はけっこう物語の中でバランスをとらなきゃいけない立場なんですけど、敵キャラだったり、作品を掻き乱す系のキャラって自分の芝居を100%でやることが最善だったりするので、取り組み方として正解を見つけやすいんですよね。
僕は漫画原作の作品にけっこう出演させてもらっていると思いますし、そう言われることも多いんですけど、さっき話していたら、一番漫画原作ものに出演している俳優、國村隼さん説っていうのが浮上してきて。
――あー! 確かに!!
本郷:言われてみたら、確かに多く出ているんですよね。『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』とか『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』も。
――重要な役どころでいつも出ていらっしゃいますよね。今回の実写化が発表された時も、絶対に國村さんはいると思いました(笑)。
本郷:僕は、國村さんを直属の先輩だと思っています(笑)。
偏食家で有名な本郷奏多! もしイタリアロケに行ったら食べるものは?
――今回山田さんたちはイタリアでの撮影でしたが、ホムンクルスの3人は日本での撮影だったとお聞きしました。もし、続編があってイタリア撮影に行けることになったら、撮影期間中に何を食べたいですか?
本郷:イタリアかぁ。ピザとかですかね。
――本郷さんは、ピザは食べられるんですか?
本郷:食べますよ。せっかくなので今回もイタリア行きたかったですね。
――そうなんですね、では少し残念でしたね。
本郷:そうですね~、ずるい。
――本郷さんは長期ロケだと、食事など困るんじゃないかなと思ったのですが。
本郷:そうなんですよね、食事があまり得意ではないのと、好き嫌いも割りとあるので。いつもお菓子とかを持ち歩いてなんとかやり過ごしています。
――そのイメージがあります。でもイタリアに行ったらピザは食べたいんですね。
本郷:ピザは好きです。パスタとか。イタリアといったらその2つしかわからなかったです(笑)。
本郷奏多が嫉妬すること
――嫉妬を司るエンヴィーですが、本郷さんが嫉妬してしまう人や嫉妬してしまう瞬間があれば教えてください。
本郷:僕は俳優業は小学校からやっているので、もう15年くらいやっているんですけど、CMに出演したことがなくて。本当に小さい頃に1コだけあるんですけど。ここ10年くらいコマーシャル・メッセージ(CM)をやったことがないので、強いて言うなら、CMにいっぱい出ている役者さんに嫉妬しますね。
――具体的にはどなたかいらっしゃいますか?
本郷:CMに出ている人、みなさんです。1日の拘束で数時間やるだけで、ものすごい高額なギャランティーを貰えますからね……(笑)。
――でもCMによっては、けっこう大掛かりな撮影のものもあるので……。
本郷:にしても、ですよ。朝から晩まで時間をかけて撮影しているドラマなどと比べたらコスパはえらい違いですよ!
――そうかもしれませんね(笑)。もし、本郷さんが出演できるとしたら何のCMに出演したいですか?
本郷:お話をいただけるならなんでもやりたいですけどね! お菓子が好きなので、お菓子のCMとかやりたいですね。ただ、僕が演じる役はすぐに人とか殺しちゃうんで、イメージが良くないんでしょうね~……。今回も敵キャラクターですし。そんなやつに爽やかなCMとか無理なんだろうと思います。
――では、今後は爽やかな役柄にもどんどん挑戦していきたい、という願望もあるのでしょうか?
本郷:本当に出来たらいいなと思いますね。
――CMのお仕事のお話がくることを願っています! 本日はありがとうございました!
業界関係者のみなさん(特にお菓子関連)! 本郷さんにぜひCMのオファーを!
本郷さんのエンヴィー含め、キャラクター完成度の高い実写映画『鋼の錬金術師』は絶賛公開中。様々なモーションやエフェクトが加わった4DX版も上映中です。
・映画『鋼の錬金術師』キャラクター予告(ホムンクルスチーム編)【HD】2017年12月1日公開
https://www.youtube.com/watch?v=qvu2cfsEBvc[YouTube]
※ネタバレ!原作ファンなら嬉しいあのラストシーンについて!
ここからはちょっとネタバレ! エンドロールの後、原作ファンなら「お!」となる嬉しいエンヴィーに関するサプライズ演出があるんです。そのシーンについても伺いました!
――エンディングに本体が出て来るシーンもありましたね。
本郷:あれは原作ファンからしたら嬉しい演出ですよね。エンヴィーの本体ですから。ということは、僕(エンヴィー)はまだ死んでいないということなので、もし、続編が作られたら今度また出れるので良かったな、と感じています。
でもあれは元々、台本の段階ではなかったシーンで、監督が「エンヴィー本体が出て逃げるカットをエンドロールのあとに入れようかな」と現場で言っていて、完全に冗談だと思っていたんですけど、本当に作ってくださって。僕的にはすごく嬉しかったですね。監督はすごく素敵な方で非常に尊敬しているんですけど、物腰が柔らかくて、いろいろな方のことを気にするタイプの方だと思うんですよ。だから、今回僕があんまり出ていないことに気付いて、「ヤバイ」って思って最後に付け足してくれたんじゃないかなと思っています(笑)。
映画『鋼の錬金術師』
出演:
山田涼介 本田 翼 ディーン・フジオカ
蓮佛美沙子 本郷奏多 / 國村 隼
石丸謙二郎 原田夏希 内山信二 夏菜
大泉 洋(特別出演) 佐藤隆太 / 小日向文世 / 松雪泰子
原作:「鋼の錬金術師」荒川 弘(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
監督:曽利文彦 脚本:曽利文彦 宮本武史 音楽:北里玲二
主題歌:MISIA「君のそばにいるよ」(アリオラジャパン)
製作:映画「鋼の錬金術師」製作委員会
制作プロダクション:OXYBOT
配給:ワーナー・ブラザース映画公式ホームページ
http://wwws.warnerbros.co.jp/hagarenmovie/index.html
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