ファンデーションの仕上がりを左右するものとは何でしょうか。メイク技術やファンデーションのクオリティ、肌状態などさまざまですが、絶対に忘れてはいけないのが“スポンジパフ”です。
スポンジパフやメイクブラシなどのツールは、料理人でいうところの包丁、美容師でいうところのシザー! 美しいメイクには絶対に欠かせないものなのです。それだけ重要なスポンジパフですが「正直洗うのが面倒」という声もチラホラ…。そこで今回は、面倒くさがり屋でも簡単にできる、ファンデーション用スポンジパフの洗い方を検証しました。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方はいろいろ!全部試してみた
ファンデーションのスポンジパフの洗い方は、実にさまざま。私が勤めていた化粧品メーカーでは、専用のスポンジクリーナーの取り扱いがなかったため、もっぱら中性洗剤で洗うことを推奨していましたが、調べてみるといろいろな洗い方があるようです。
その中でも今回は、以下6種類の洗い方で検証してみることに。
①中性洗剤
②スポンジクリーナー
③固形石鹸
④ボディソープ
⑤シャンプー
⑥クレンジングオイル
パウダーファンデーションを使用したスポンジパフとリキッドファンデーションを使用したスポンジパフを用意し、「ファンデーション汚れの落ち」と「手軽さ」を比較検証しました。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方①中性洗剤
まずは大定番の中性洗剤。どこの家庭にも必ず1本はあるため、思い立ったそのときにファンデーションのスポンジパフを洗うことができます。私はわりと頻繁に洗うタイプなので、リーズナブルな価格なのもうれしい!
①まず、ファンデーション汚れのついたスポンジパフをぬるま湯で濡らし、中性洗剤を少量塗布します。
スポンジパフに染み込んだファンデーションや皮脂は油分が多いので、水よりもぬるま湯を使ったほうが落ちやすいです。
②ぬるま湯を少量ずつ足しながら泡立て、ファンデーションが落ちるまでもみもみもみ…と、やさしくもみ洗いしましょう。
大体の汚れが浮いてきたら、ぬるま湯でよく洗い流します。スポンジパフのファンデーション汚れがとれるまで、①~②を繰り返し行います。
ファンデーション汚れの落ちは?
パウダーファンデーションのスポンジパフは、1回目の洗浄であっという間にきれいになりました。リキッドファンデーションのスポンジパフは、少し洗い残しがあったものの、2回目でしっかりと落とすことができました。
短時間でしっかりとファンデーション汚れが落ちるので、時間がない方にはぴったりの洗い方だと思います。
手軽さは?
食器洗い用の中性洗剤は、泡立ちが良いのに泡切れがスムーズ。そのため、少量でもたっぷり泡立ち汚れを吸着するので、1度にたくさんのスポンジパフを洗うことができます。つい汚れたスポンジパフをため込んでしまうズボラさんにおすすめの洗い方です。
デメリットをあげるとすれば、脱脂力が強いため手が乾燥しやすいです。また、台所から洗面所に持ち運ぶのが面倒に感じる方もいるかも?
ファンデーションのスポンジパフの洗い方②スポンジクリーナー
スポンジパフの汚れを落とす専用クレンザーであるスポンジクリーナー。多くのメーカーから販売されていますが、今回は資生堂の「スポンジクリーナーN199」を使用しました。こちらは、乾いた状態のスポンジパフに使用するタイプ。商品によって、濡れた状態で使用できるものもあるので、使用前に確認してからの使用を。
①乾いた状態のスポンジパフに、10円玉硬貨大のスポンジクリーナーを含ませます。
②指の腹でスポンジパフをもみこみ、ファンデーションの汚れとよくなじませます。
泡立つわけではないので、見た目ではファンデーションの汚れが落ちているのか判断できません。ただ、なじませていると劣化したファンデーションの独特な臭いが…。全体的になじんだら、ぬるま湯でよく洗い流しましょう。
ファンデーション汚れの落ちは?
パウダーファンデーションのスポンジパフは右上に少量の洗い残しが、リキッドファンデーションのスポンジパフは、直接スポンジクリーナーをつけた部分以外のファンデーション汚れが残ってしまうという結果に。
スポンジクリーナーがついていた部分はしっかりと落ちていたので、洗浄力自体は高め。ただし、ファンデーション汚れ全面につけなければ、きちんと落ちないようです。
しかも困ったことに、乾いた状態で使用しなければならないため、1度ぬるま湯で濡らしてしまったらスポンジクリーナーを何度足しても汚れが落ちない…! 結局、最後は中性洗剤で洗い直しました。スポンジクリーナーできちんとファンデーション汚れを洗い流すには、はじめの使用量が大切! 多めに使用するのが◎。
手軽さは?
乾いた状態で使用するので、ぬるま湯ですすぐ回数自体は少なくて済みます。しかし、1度で汚れを落としきれなかった場合、他の方法で再度落とさなければならないため、手軽とはいえません。
また、たっぷり使用しなければきちんと落ちないため、コスパはイマイチ。小さめのスポンジや、ファンデーション汚れがひどいときに使うのがおすすめです。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方③固形石鹸
顔やからだを洗う固形石鹸でも、スポンジパフのファンデーション汚れが落ちるのだとか! 固形石鹸でスポンジパフを洗うのは、今回が初体験。海外のお土産でもらった固形石鹸がたまっているので、もしきちんと汚れが落ちるなら今後採用していきたい! と、期待値は高め。
①スポンジパフと固形石鹸をぬるま湯で濡らし、ファンデーション汚れに直接固形石鹸をこすりつけます。
②ぬるま湯を少量ずつ足しながらスポンジパフをもみ洗いし、ぬるま湯でよく洗い流しましょう。
ファンデーション汚れの落ちは?
パウダーファンデーションのスポンジパフは、固形石鹸をこすりつけるとみるみるうちに汚れが落ちてきれいに! リキッドファンデーションのスポンジパフも、やや洗い残しはありましたが思っていた以上にきれいに汚れを落とすことができました。
残ってしまった汚れはかなり濃かったのか、3回目でようやく落とすことに成功。中性洗剤と比べると洗浄力は劣りますが、しつこい汚れでなければ固形石鹸でも十分だと感じました。
手軽さは?
まるで消しゴムのように、こすったところがどんどんきれいになるので、洗うのが楽しくなります。また、固形の良さである“出しすぎ”の心配がなく、コスパも上々。顔やボディに使う固形石鹸なので手荒れしにくく、敏感肌の方にもおすすめです。
スポンジパフを洗う時間をあらためて確保するのは少々億劫ですが、入浴の際お風呂に持って入って湯船に浸かりながら洗えば一石二鳥! 固形石鹸だからできるズボラテクニックです。個人的には、最も気に入った洗い方。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方④ボディソープ
固形石鹸でファンデーション汚れが落ちるなら、ボディソープでも落ちるのでは? と試してみました。
①スポンジパフをぬるま湯で濡らし、ボディソープを適量塗布します。
②ぬるま湯を少量ずつ足しながらよく泡立てもみ洗い、ぬるま湯で洗い流しましょう。
ボディソープの良い点はなんといっても香りが最高! 洗っている間もふわっと香るので、癒しのひとときを味わえます。
ファンデーション汚れの落ちは?
ファンデーションのスポンジパフは、おおよその汚れは落ちたものの、全体的にうっすら残っているようにも見えます。リキッドファンデーションのスポンジパフは、大半の汚れが落ちずに残ってしまいました。リキッドファンデーションに関しては、4回繰り返したものの完全に落とすことはできませんでした。
マイルドな洗い上がりに定評がある「Dove」を使ったことが原因かもしれませんが、スポンジパフの洗浄にボディソープはおすすめできません。
手軽さは?
何度も繰り返し洗う必要があるため、手軽さよりも手間のほうが強く感じました。ただ、毎日からだを洗うボディソープの洗浄力が強すぎないことを再認識できたので、ほっと一安心。ボディソープはからだに使用しましょう。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方⑤シャンプー
よくメイクブラシの洗浄におすすめといわれるシャンプー。毛がふわふわになるので私も何度か試したことがあります。メイクブラシの汚れを落とせるなら、ファンデーション汚れの付着したスポンジパフもすっきりと洗浄できて、ふわふわになるのでは? とお試し。
①スポンジパフをぬるま湯で濡らし、シャンプーを適量なじませます。ポンプタイプのシャンプーは量の調整が難しいので注意が必要です。
②少量のぬるま湯を足しながらよく泡立て、もみ洗いします。ぬるま湯でよく洗い流しましょう。
さすがシャンプーだけあって、もみ洗いするにつれてモコモコの泡が。そのぶん洗い流す際の泡切れの悪さが気になるところ。スポンジパフにシャンプーが残らないよう、これでもか! というくらい洗い流してくださいね。
ファンデーション汚れの落ちは?
パウダーファンデーションのスポンジパフは、1回の洗浄で大体の汚れを落とすことができました。少し残っているようにも見えますが、及第点はクリア。リキッドファンデーションのスポンジパフは、ボディソープで洗ったときよりも汚れが残ってしまいました。残念ながら、4回繰り返し洗っても汚れはとれず。メイクブラシでの実績があったため期待していたのですが…リキッドファンデーションのように油分多めの汚れとは相性が悪いようです。
パウダーファンデーションなどの軽めの汚れを落とすならシャンプーでも可ですが、わざわざスポンジパフの洗浄にシャンプーを選ぶ理由もないかな、という印象でした。
手軽さは?
なかなかファンデーション汚れが落ちなかったため、手軽さはイマイチ。泡立ちが良すぎて泡を洗い流すのにも時間がかかってしまいました。使用するシャンプーにもよりけりですが、比較的高価なのでコスパも△。スポンジパフの洗浄にはおすすめしません。
ファンデーションのスポンジパフの洗い方⑥クレンジングオイル
メイクを落とすアイテムといえばクレンジングオイル。少しもったいない気もしますが、スポンジパフの汚れもクレンジングオイルで落としてみましょう。今回は、乾いた手と肌で使用するタイプのクレンジングオイルで試します。
①乾いた状態のスポンジパフにクレンジングオイルを適量含ませます。
クレンジングオイルはなじみやすいため、使用量は気持ち多めくらいを意識して。
②クレンジングオイルをファンデーション汚れとなじませるようにもみ込みます。もみ込む際に摩擦が生じやすいので、やさしい力加減で行うのが◎。しっかりなじんだら、ぬるま湯で洗い流します。
ファンデーション汚れの落ちは?
パウダーファンデーションのスポンジパフは、ほとんど汚れが目立たないくらいまで落とすことができました。リキッドファンデーションのスポンジパフは、クレンジングオイルの量が足りなかったのか、側面部分に少し汚れが残ってしまうという結果に。ただ、クレンジングオイルがしっかりなじんでいた部分はかなりきれいに落とせたので、濃くやっかいなメイク汚れにも対応できそうです。
一方で、スポンジクリーナー同様、一度スポンジパフを濡らしてしまうと、もう引き返すことはできません。洗い残しもクレンジングオイルで落としたいという場合は、塗れた手でも使えるクレンジングオイルを使いましょう。
手軽さは?
ファンデーション汚れの部分にたっぷりとクレンジングオイルをなじませれば、濃い汚れもしっかり落とすことができるので、スポンジパフのディープクレンジングには最適。しかしコスパは良くないので、頻繁には使用しづらいです。
そしてもう1点大きな問題が。今回使用したスポンジパフとの相性が悪かったのか、クレンジングオイルをつけた部分が変形してしまいました。クレンジングオイル自体、スポンジパフを洗うために作られているわけではないので、相性によってはトラブルが起きる可能性もあります。個人的には、いくら汚れが落ちてもスポンジパフを傷めてしまっては元も子もないと思うので、別の方法を選択します。
ファンデーションのスポンジパフ 洗い方検証まとめ
ファンデーションのスポンジパフの洗い方を6種類試した結果をまとめると、汚れ落ちの良さで選ぶなら“中性洗剤”、総合的な手軽さで選ぶなら“固形石鹸”がおすすめです。
ファンデーション汚れの落ちが良いのは「中性洗剤」
最もファンデーション汚れの落ちが良いと感じたのは、中性洗剤。少量で力を入れなくてもよく落ちるため、スポンジパフへの負担も少なくて済みます。時間がないときやスポンジパフをまとめて洗いたいときは中性洗剤が断然おすすめ!
今回試した洗い方を、汚れ落ちが良い順に並べると
「中性洗剤→固形石鹸→クレンジングオイル→スポンジクリーナー→ボディソープ→シャンプー」
という結果でした。
繰り返し洗っても汚れが落ちなかったボディソープとシャンプーは、スポンジパフの洗浄には不向き。また、1度濡らしてしまうと繰り返し洗えないクレンジングオイルやスポンジクリーナーは、中性洗剤や固形石鹸との併用がマスト。汚れ落ちの良さを追求するなら、中性洗剤1本で十分だと思います。
手軽さで選ぶなら「固形石鹸」がおすすめ
コスパや使いやすさなど、手軽さの面を考慮すると固形石鹸が最適でした。スポンジパフに直接使用するため、無駄遣いの心配もありませんし、手荒れもしにくいのは高ポイント。こすりすぎにさえ注意すれば、スポンジパフにもやさしい洗い上がりです。小さくなってボディには使いづらくなった固形石鹸をスポンジパフの洗浄用にすればエコ。ぜひ湯船に浸かりながら試して欲しいです。
クッションファンデーションのスポンジパフはチャックつきポリ袋に入れて洗う
パウダーファンデーションやリキッドファンデーション以上に汚れが気になりやすいのがクッションファンデーション。クッションファンデーションのスポンジパフの洗い方を調べてみたところ、「チャックつきポリ袋に入れて洗う」方法がメジャーなようです。
小さめのチャックつきポリ袋に少量のぬるま湯と中性洗剤を入れ、袋の上からもみもみとよくもみ洗いします。ぬるま湯が汚れてきたらぬるま湯を捨て、きれいになるまで繰り返しましょう。
4回ほど繰り返しましたが、あと少しのところがきれいに落ちなかったので、最終的には石鹸をこすりつけて落としました。正直、チャックつきポリ袋に入れなくても良いのでは? というのが率直な感想。ただし、手荒れのリスクは減るので、クッションファンデーションのスポンジパフに限らず、洗浄時の手荒れが気になる場合は活用すると良さそう。
洗ったスポンジパフは陰干しを
洗ったスポンジパフは水気をよく切った後、清潔なタオルの上に並べて陰干ししましょう。
よく乾きそうだからといって、日光に当てるのは厳禁。スポンジパフが硬くなったり劣化につながります。完全に乾くには大体1~2日ほどかかるため、洗い替え用のスポンジパフを用意しておくのが◎。
ファンデーションのスポンジパフを洗うタイミング
ファンデーションや皮脂などの汚れが付着し、雑菌が繁殖しやすいスポンジパフは、肌のためにもメイクのためにも毎日洗うのが理想的。しかし、現実的にはなかなか難しいですよね。そこでまずは、『スポンジパフの全面が汚れたら洗う』ように心がけてみましょう。
片面で2回使えるとすれば、両面で4回。ざっと週1~2回程度の交換です。私の場合、平日にスポンジパフを洗うのは面倒なので、汚れたスポンジパフをためておいて毎週土曜日にまとめて洗うようにしています。
きれいなスポンジパフを使うとメイクのりも良くなりますし、なにより気持ちが良い! はじめは面倒かもしれませんが、習慣になってしまえば自然とからだが動くものです。ファンデーションの使用頻度によってスポンジパフの汚れ具合が異なるため、自分に合ったペースではじめてみましょう。
ファンデーションのスポンジパフは清潔第一!いろいろな洗い方を試してみては?
長年、スポンジパフのお手入れには中性洗剤を使ってきた私ですが、今回いろいろな洗い方を試して最も気に入ったのは固形石鹸。敏感肌で手荒れしやすく、ながらで済ませたい私にぴったりの洗い方が見つかって良かったです。
みなさんも自分に合ったスポンジパフの洗い方を見つけて、常にきれいな状態のスポンジパフでファンデーションを美しく仕上げましょう!