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AI時代でもオペレーターはなくならない!トランスコスモスが描く未来のコールセンター像とは


多様な事業を展開するトランスコスモスの魅力に迫る連載企画。第1回となる前回は、トランスコスモス 上席常務執行役員で、トランスコスモス・デジタル・テクノロジーの代表取締役社⻑を務める所年雄氏に、これまでの経歴やトランスコスモスの魅力を聞きました。今回は、同社が注力する「CX」の取り組みにフォーカス。コールセンター事業をさらに効率化する手段として活用が見込まれるAIについて、さらに同社のコールセンター業務が提供するCXの本質に迫ります。(聞き手:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘)

――トランスコスモスの中核事業であるコールセンターについてお聞きします。まず、事業の概要と特徴を教えてください。

所:はい。トランスコスモスのコールセンター事業は、顧客企業と、その先にいる顧客とのコミュニケーションを通じて、顧客ロイヤルティを高めることをミッションとしています。現在は電話だけでなく、SNSやWebチャットなどコミュニケーションチャネルが多様化しており、我々もそうした変化に対応しています。これまで3000社以上の企業のオペレーションを支援してきた実績と、そこで培われた顧客コミュニケーションのノウハウが最大の強みです。

――近年、特に力を入れているソリューションはありますか?

所:AIを活用した業務効率化と応対品質の向上に力を入れています。これはオペレーターの業務を楽にし、顧客により良い体験(CX)を提供するためのものです。具体的なソリューションはいくつかあります。

――詳しく教えていただけますか? 例えば、顧客から電話がかかってきた際にはどのようなAI技術が使われているのでしょうか。

所:まず、顧客からの入電時に、AIが音声認識で問い合わせ内容を自動で聞き取ります。直後にその内容を要約したものが、オペレーターが電話に出る前に画面に表示される仕組みになっています。これにより、オペレーターは「誰が、どのような状況で、何に困っているのか」を事前に把握した上で応対を開始できるため、スムーズで的確なサポートが可能になります。

トランスコスモス 上席常務執行役員、トランスコスモス・デジタル・テクノロジー代表取締役社⻑ 所年雄氏

――それはオペレーターにとって心強いですね。応対中や応対後にもAIは活用されているのですか?

所:はい。応対中には、顧客との会話内容をAIがリアルタイムで解析し、「この質問にはこのFAQを案内すると良いですよ」といった回答候補をオペレーターの画面に自動で表示します。これにより、新人オペレーターでもベテランのような質の高い案内ができるようになります。

一方、特に効果が大きいのが応対後の業務、いわゆる「アフターコールワーク」の自動化です。従来は、オペレーターが通話終了後に手作業で対応内容の要約などをシステムに入力していました。しかし、AIが通話内容を元に自動で作成し、ログとして残せるようになりました。

――アフターコールワークの自動化には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

所:オペレーターの業務時間のうち、実はこの後処理作業が大きな割合を占めていました。この作業がなくなることで、オペレーターの業務負担が約2割も削減し、顧客対応に集中できるようになりました。結果として、オペレーターの満足度向上や離職率の低下にも繋がっています。これまでオペレーターの主観に頼っていた対応履歴が、AIによって全量、客観的なデータ(VOC:顧客の声)として蓄積されるため、マーケティングにも活用できます。

――AIの活用で、まさに一石二鳥、三鳥の効果が生まれているのですね。

所:そうですね。他にも、問い合わせ内容の難易度に応じて、ベテランのオペレーターや新人のオペレーターに電話を自動で振り分ける「スキルーティング」も可能になっています。こうしたAIソリューションは、自社開発の音声認識ソリューション「transpeech」などを通じて提供しており、ある事例では誤案内を95%削減することに成功しました。

デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏

――AI以外にも、CXを向上させるための施策はありますか?

所:私がキャリアの初期に立ち上げたFAQサイトの構築・運用も、顧客が自分で問題を解決できる「セルフヘルプ」を促進する重要な施策です。

SNSが普及してからは、X(旧 Twitter)などで困っている顧客を能動的に見つけてサポートする「アクティブサポート」や、LINEを活用したチャットサポートなども展開してきました。顧客が利用したいチャネルで、ストレスなく問題解決できる環境を整えることが重要だと考えています。

――AIが進化すると、将来的にはオペレーターは不要になるのでしょうか?

所:よくそう言われますが、私はそうは思いません。AIによる自動化で自己解決できる問い合わせは増えますが、それは全体の2〜3割程度でしょう。残りの問い合わせは、やはり「人と話したい」や「相談したい」というニーズから来ています。実際、AIチャットボットなどを導入すると、これまで問い合わせをためらっていた層が気軽に利用するようになるため、問い合わせの総量自体はむしろ増える傾向にあります。オペレーターは今後もなくならない重要な存在です。

――なるほど。では、トランスコスモスが描く「未来のコールセンター」とはどのような姿なのでしょうか?

所:究極的には、「コールセンターという概念をなくすこと」を目指しています。顧客に「問い合わせをしている」というストレスを感じさせない世界を作りたいのです。

――具体的にはどういうことでしょうか?

所:例えば、自宅にいるアバターや、いつも持ち歩いているぬいぐるみのようなキャラクターに「エアコンが壊れちゃったんだけど」と話しかけるだけで、そのキャラクターが解決策を教えてくれる、といった世界です。そのキャラクターの向こう側では、当社のコールセンターのAIやオペレーターと繋がっていて、最適な回答を返しているのです。顧客はただ、身近な存在と会話しているだけ。そうした、テクノロジーの力でオペレーションのあり方そのものを「上書き」していくことが、私たちのビジョンです。

関連リンク
トランスコスモス株式会社
株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー

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