
スリーアールソリューションが携帯型デジタル顕微鏡「ミクル(3R-MSA17)」をマクアケで先行販売開始。拡大に連動するスケール表示と静止画・動画保存を備え、観察・計測・記録を一台で完結させることで、検査業務のデジタル化を手早く進められます。
拡大・計測・記録を一台で完結する携帯顕微鏡
ミクルは4インチ(800×480)モニタ搭載の携帯型デジタル顕微鏡で、静止画は最大1920×1080、動画は1280×720・30fpsで保存できます。光学ズーム6倍に加えデジタルズームを組み合わせ、6倍・10倍・13倍・17倍の4段階で倍率切替が可能です。拡大倍率に連動して画面にスケール表示が出るため、その場で簡易的な寸法計測ができ、従来の計測ツールへの持ち替えを不要にします。白色LED×4で暗所観察にも対応し、バッテリは3.7V・1200mAhで連続使用時間は約180分です。
現場での使い方はシンプルです。手持ちで素早く確認する運用や、スタンドで固定してじっくり観察・撮影する運用の両方に対応します。本体にはTFカードが装着済みで、USBケーブルやクロスが付属するため導入初期の準備も短く済みます。基板のはんだ状態チェックや金属表面のキズ確認、鉱物や切手の拡大観察など多用途に使え、撮影した静止画・動画をそのま検査記録や報告資料の証跡に活用できます。
本製品の画期性は「観察と簡易計測、記録をその場で連続して行える点」にあります。現場では、確認→計測→報告という一連の動作を一台で完結させることで、作業の中断や誤差発生の要因を減らせます。ただしスケール機能は簡易計測を想定した設計であるため、厳密な寸法管理や公的な検査基準が求められる工程では、較正済みの計測機器との併用や較正手順の整備が不可欠です。また、データ管理面ではTFカード運用に伴う消失リスクやファイル命名のばらつきに注意し、保存先・バックアップ・工程ID付与など運用ルールを事前に定めることが重要です。導入の実務手順としては、まず限定工程でパイロット運用を行い、撮影角度・倍率・照明・命名規則を現場で固める方法が有効です。運用が安定すれば証跡のトレーサビリティ向上や不具合解析の迅速化といった実務的な効果が期待できます。
ミクルは現場の「観る・測る・残す」を一体化し、製造現場の初期DX導入を後押しする現実的なツールだと考えます。運用ルールと較正方針、データ管理を整備すれば日常の検査業務で即効性のある改善が見込めます。
詳しくは「スリーアール株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
