
2025年の早期流行を受け、フィットクリニックが200名を対象に実施した調査で、インフル予防薬をワクチンと併用した人は約4割に達しました。オンライン診療の利用も一定数あり、家族単位での「備え」が広がる兆しです。
調査が示した“併用”の実態と診療の形
フィットクリニック(渋谷笹塚院)が2025年11月11日〜13日にインターネットで実施した200名調査では、予防薬をワクチンと併用した人は約4割という結果になりました。流行が例年より約1か月早く本格化した局面で、ワクチンだけでなく“追加の防御策”として予防薬を選ぶ人が一定数いることが示されています。子どもの利用は15%、家族全体で服用したケースも4.5%あり、個人単位ではなく家庭単位での備えが進んでいる点が特徴です。
予防薬を利用したきっかけは「周囲での流行」が最多で、次いで「休めない予定」「家族の感染」と続きます。現場でも、患者の多数発生に対して予防目的で処方される事例が報告されており、医療従事者の現場でも感染拡大抑止のための選択肢として位置づけられていることがうかがえます。実際に使われた薬剤はタミフル(オセルタミビル)が最多で、内服で完結する利便性や処方実績の多さが背景にあります。
使用前の不安としては「副作用が心配」が64.0%と最多で、効果への疑問や費用の懸念も見られました。一方で、使用後の声は肯定的で「家族全員が感染しなかった」「子どもの感染が自分にうつらなかった」といった安心感を示す回答が多数寄せられています。入手経路は対面診療が中心ですが、オンライン診療で入手した人もおり、忙しい時期や通院が難しい場面でデジタル診療が実用的な選択肢になっていることが分かります。調査全体を通じ、予防薬はワクチンを補完する“必要な場面で追加する手段”として受け入れられつつあり、多くの回答者が「また使いたい」「知人に勧めたい」と答えています。
院長の服部圭太氏は、予防薬がワクチンを補う対策として家庭での備えに役立っている点を評価すると同時に、副作用への不安が残る現状も指摘しています。フィットクリニックは院コメントで、迷ったら早めに医療機関へ相談することを推奨しており、同院では医師の診療のうえで予防薬を取り扱っている一方でワクチン接種は行っていない点にも触れています。調査は200名を対象とした短期のインターネット調査(2025/11/11〜11/13)である点も明記されています。
インフル対策はワクチン中心から「場面に応じた併用」へと実務的に広がっています。オンライン診療の併用が、忙しい家庭の感染対策に実効性をもたらしていることは注目に値します。
詳しくは「一般社団法人メディカルフィット」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
