移動課題の解決に取り組む株式会社NearMeは、パーソルクロステクノロジー株式会社と共同で開発しているAIとLINEを活用した配車サービスに『シェア乗り』機能を追加し、運用を開始しました。本サービスはLINE公式アカウントとNearMeの配車システムを連携し、タクシー事業者の受付作業の時間短縮とDX推進に寄与します。利用者はLINE上で配車予約が完結し、従来の配車アプリで必須だった会員登録は不要です。予約時に貸切かシェア乗りかを選べ、手配完了後は車両ナンバーや到着予定時刻、目安料金が通知されます。LINEヤフー株式会社がMicrosoft Azureパートナー企業と進める、LINEを通じたMaaS普及プロジェクトの一環として開発された点も特徴です。
NearMeの配車システムは、相乗りやデマンド交通など運行形態に柔軟に対応できるのが強みです。タクシー事業者は自前でアプリを開発する場合に比べ、LINE公式アカウント連携のパッケージで導入コストを抑えられます。費用体系は初期費用と月額システム利用料のみで、乗車ごとの課金は発生しません。ユーザーは友だち追加のうえ、乗車地や行き先、人数を入力し、今から呼ぶまたは日時指定を選ぶだけで予約が可能です。今回のアップデートで貸切とシェア乗りの選択肢が加わり、貸切よりオトクなドアツードア移動の実現を掲げています。ニアミーはより多くの運行事業者での採用拡大を目指すとしています。
実務面でのポイントとして、タクシー事業者はまずLINE公式アカウントの運用設計と配車オペレーションの役割分担を明確化し、予約管理と注文管理の標準手順を整えることが重要です。次に、シェア乗りと貸切の配車ルールや混雑時の優先度を定義し、ドライバーと配車担当双方に統一の運用ガイドを周知すると効果的です。料金の目安表示や到着予定の通知は利用者満足に直結するため、案内文面とタイミングを見直し、問い合わせ削減を図りましょう。導入コストが抑えられる特性を活かし、小規模エリアや特定時間帯での段階導入と効果測定を行うと、投資対効果が可視化しやすくなります。ユーザー側はLINEによる簡便な予約体験を起点に、空港送迎など既存のNearMeサービスとの併用で移動の選択肢を広げられます。
NearMeは独自AIの最適ルーティングを武器に、空港送迎型エアポートシャトルを展開し、累計予約人数125万人を達成したとしています。現時点で全国16空港に対応し、地域の移動課題を解く実証事業にも取り組んでいます。今回の『シェア乗り』実装は、その技術と運用知見をLINEという身近なインターフェースに拡張するもので、利用者の予約負担軽減と事業者の業務効率化を同時に進めるアプローチといえます。導入検討の事業者は、既存の問い合わせ窓口とLINEを統合し、予約データを活用した需要予測や配車計画の改善につなげる体制を整えることが次の一手になります。
詳しくは「株式会社NearMe」の公式ページまで。
