
WiFiトラベルとプラストの共同調査で、海外通信は依然レンタルWiFiが優勢。eSIMは拡大傾向だが、安全性や使い勝手の懸念が根強い。企業は何を変えるべきか。
調査結果が示す利用態と企業が取るべき姿勢
WiFiトラベルとプラストの調査(20〜59歳、418名)では、海外滞在中の主な通信手段で「レンタルWiFi」が最多の24.2%を占め、次いで「フリーWiFi」19.4%、「モバイルデータローミング」13.9%、「eSIM」6.9%、「現地SIM」4.6%という結果でした。年代差も明確で、20〜40代女性は「現地で安定して使える」点を評価してレンタルWiFiを選ぶ傾向が強く、50代以上には通信手段を使わなかった層も一定数見られました。自由回答には「当時は携帯やWiFiが普及していなかった」といった世代ごとの経験差も寄せられています。
フリーWiFiに関する不安点では「セキュリティが心配」が33.3%で最多となり、「通信速度の遅さ」22.8%、「繋がらないことが多い」11.2%と続きました。全体のうち特に若年層では、安全性を重視する声が目立ち、VPN利用や通信を控えるといった対応が挙がっています。一方、通信手段選びで最も重視されるポイントは「料金の安さ」が48.8%でトップでしたが、女性では口コミやサポートといった「安心感」を重視する傾向が強まっており、コスト重視から安心重視への価値シフトが示唆されます。
今後利用したい手段では「レンタルWiFi」が1位で、2位がフリーWiFi、3位がeSIMという結果です。eSIMは利用拡大が見えているものの、「設定の簡単さ」や「トラブル対応の安心感」を重視する層では、実績のあるレンタルWiFiへのニーズが根強く残ります。調査に寄せられたトラブル体験には「ホテルや観光地で接続品質がばらつく」「バッテリー消費や残日数の管理が面倒」など現場の不便さが多く、企業が提供する海外向け通信サービスにも「使いやすさ」と「安心」を両立させる工夫が求められています。
調査は、技術の進展だけでなく利用者の安心感が選択を左右していることを鮮明に示しました。企業のDXは、eSIMなど新技術導に加え、サポート体制と使い勝手の改善を同時に進める必要があります。
詳しくは「プラスト株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部
