ノーコードで生成AIアプリを作れる「Dify」を現場で根付かせる実務書が登場しました。『Difyではじめる 業務効率化AIアプリ開発』は導入から設計、運用定着までを網羅し、発売直後にAmazonの3カテゴリで売れ筋1位を獲得しています。
書籍の要点とDXへの示唆
『Difyではじめる 業務効率化AIアプリ開発 AIを会社に根付かせる実践ガイド』は岸田崇史氏による実務寄りの解説書です。発売は2025年10月下旬で、A5判296ページ、価格は2,992円（税込）となっています。プレスリリースでは10月27日と10月31日の表記が見られますが、いずれも2025年10月下旬刊行の新刊です。
本書はDifyを「コードを書かずに生成AIアプリを作る」ための手引きとして位置づけています。Difyはオープンソースのノーコードプラットフォームであり、本書では導入準備から実際のアプリ開発、運用定着までを丁寧に扱っています。Chapter 1で現場活用の考え方を示し、Chapter 2でFAQチャットボットの作成をハンズオン形式で解説します。Chapter 3以降はノーコード開発の設計思考や提案書作成ワークフロー、AIエージェントや自律的な競合調査といった応用まで踏み込みます。
AppendixにはDifyの4つのアプリ型や現場向けテクニック、RAGチューニング入門、ローカル環境構築、プラグイン開発、ナレッジパイプライン入門など実務で使える深掘りTIPSが並びます。これにより、既にDifyを使っている初級以上のユーザーにも有用な内容になっています。著者の岸田氏は東京工業大学出身で、味の素での機械学習業務経験や株式会社Omlucの創業、Difyコミュニティ「Dify Studio」運営など現場導入の知見を持つ人物です。
発売直後の反応も目を引きます。Amazonの売れ筋ランキングでモバイルプログラミング、Webプログラミング、Webデザインの3カテゴリで1位を獲得（調査日：2025/10/30、11/4、11/5）しており、現場で使える実践書として注目を集めています。価格やページ数、ISBN（978-4-8399-89354）などの書誌情報も明記されており、企業のDX担当者が手に取りやすい構成です。
本書が提示する最大の示唆は「現場主導での試作と評価の高速回転」です。Difyのノーコード性は現場担当者の試行錯誤を促進、設計思考に基づく小さな実証から業務への組み込み、ナレッジの蓄積へとつなげる実務フローを支援します。とはいえ、データガバナンスや運用ルールの整備、セキュリティ管理は別途必要であり、本書はその指針も提示しています。
まとめとして、本書はツール操作だけに留まらない設計と運用定着の両面を扱う点でDX推進に直接結びつきます。生成AIを現場で活かすための実務知識を求める企業担当者にとって、実践的な手引きとなる一冊です。
詳しくは「マイナビ出版」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部
