ZoomはNVIDIAと協業し、Nemotronを取り入れたフェデレーテッドAIで「Zoom AI Companion」を強化します。490億パラメータの新モデルやSLM×LLMのハイブリッドで応答速度・品質・コストの最適化を狙い、金融や医療など機密性が重要な業界での実運用を見据えます。
NVIDIA Nemotronを核にしたフェデレーテッドAIで何が変わるか
2025年10月28日、ZoomとNVIDIAは協業を発表しました。ZoomはNVIDIAのオープンテクノロジーであるNemotronと、NVIDIAのNeMoツール群を活用することでフェデレーテッドアーキテクチャを拡張します。これにより、Zoomは低遅延で特定タスクに最適化された小規模言語モデル（SLM）と、高度な推論を担うファインチューニング済み大規模言語モデル（LLM）を組み合わせたハイブリッド戦略を採用します。クエリは目的に応じて両者の間で知的にルーティングされ、速度・精度・コストのバランス改善を図ります。
ZoomはNVIDIA NeMoで開発した490億パラメータ規模のLLMを導入すると明示しており、これがRAG（検索拡張生成）機能と組み合わさることで、Microsoft 365、Microsoft Teams、Google Workspace、Slack、Salesforce、ServiceNowなど主要業務アプリとの連携を想定しています。結果として、リアルタイム文字起こしや翻訳、要約といったミーティング周辺のワークフローがより高速かつ高品質に処理され、特に金融・医療・政府機関などの機密データを扱う現場での適用が見込まれます。
また、Zoomは責任あるAIの実現を掲げ、顧客のオーディオ、ビデオ、チャット、画面共有、添付ファイル、投票、ホワイトボードなどのコンテンツを自社や第三者のモデル学習に用いない方針を示しています。NVIDIAとの協業は、企業向けにスケーラブルで高性能かつ安全なAI体験を迅速に提供することを目的としており、Nemotronのオープン技術を取り込むことで性能と相互運用性を高める狙いがあります。
詳しくは「ZVC JAPAN 株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部 權
