
総務省発表の9月CPI(生鮮食品除く総合)は前年同月比2.9%上昇、伸びはカ月ぶりに拡大しました。電気・ガス補助の反動や食料価格の高止まりが際立ち、企業のコスト対策が急務になっています。
物価動向のポイント
総務省が発表した9月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は111.4で、前年同月比2.9%の上昇となり、伸び率は4カ月ぶりに拡大しました。市場予測の中央値(QUICK)も2.9%で、発表値は予想に沿う結果です。まずは統計が示す事実を正確に把握することが出発点であり、企業は自社コストへの波及経路を洗い出す必要があります。
エネルギー分野では、前年に実施された電気・ガス料金の補助の反動が影響し、エネルギー価格は前年同月比で2.3%プラスに転じました。電気代は3.2%、都市ガス代は2.2%の上昇です。今夏の補助は前年の「酷暑乗り切り緊急支援」より規模が小さかった点が、相対的に料金上昇に繋がっていると総務省は示しています。食料(生鮮除く)は全体で7.6%上昇し、コメ類は前年同月比49.2%と高水準ですが、8月の69.7%からは伸びが一服しています。チョコレートは50.9%増、鶏卵は15.2%増といった品目の高い伸びも継続しています。
サービス面では訪日客の増加などで宿泊料が5.8%上昇し、1月の保険料改定の影響を受けて自動車保険料は4.1%上昇しました。これらは業種ごとのコスト圧力や需要面の変化を示す重要な指標です。
企業はこれらのデータを基に、原材料調達・価格戦略・固定費管理の見直しを検討し、短期的な価格変動への対応と中長期の構造対応を両輪で進めることが求められます。DXは、データの可視化や需要予測、サプライチェーンの柔軟化を支える有効な手段として役立つでしょう。
レポート/DXマガジン編集部
