
SGホールディングス株式会社は、持続可能な輸配送ネットワークの構築を目的として、100%子会社「SDトランスライン株式会社」を2025年8月1日に設立しました。設立の背景には、労働人口減少によるドライバー不足や「2024年問題」への継続対応、そして2030年の輸送力不足が想定されることなど、物流業界が直面する構造的な課題があります。こうした状況を踏まえ、同社は「SGHビジョン2030」および中期経営計画「SGH Story 2027」に基づき、パートナー企業との連携強化を図るための組織的な対応として新会社を立ち上げました。
SDトランスライン株式会社の事業目的は、貨物自動車運送業などを営む子会社の管理および経営指導、並びに付随する業務です。本社所在地は東京都江東区新砂二丁目、代表取締役社長は青木淳一氏、資本金は1億円で、SGホールディングス株式会社が全株式を保有する体制でスタートしています。設立にあたり、特に幹線輸送やラストワンマイルを担う外部のパートナー企業に対する出資を通じて、事業承継問題の解決と事業継続を図ることが明確に打ち出されています。
出資後の運営については、単なる資本参加に留まらず、出資先の労務安全や運行管理のルール整備など、当社グループのノウハウを活用した経営課題の解決を意図しています。これにより、パートナー企業の経営基盤を強化し、輸配送ネットワーク全体の安定化と効率化を目指す方針です。特に後継者不足などにより事業承継が危ぶまれる企業に対しては、出資による支援で地域の輸送インフラを維持する狙いがあります。
SGホールディングスグループは、デリバリー事業において幹線輸送やラストワンマイル分野でパートナー企業との連携を積極的に進めてきましたが、SDトランスラインはその取り組みをさらに制度化・組織化する役割を担います。グループ全体で最適な解決を図ることで、顧および社会にとって必要不可欠な存在=インフラであり続けることを目指すとしています。
また、設立に際しては、内閣官房が示す輸送力の見通しにも言及しており、何も対策を講じない場合、2024年度には約14%、2030年度には約34%の輸送力不足が発生する可能性があるとの試算を踏まえた対応であることが示されています。今後は、出資先の管理運営を通じて、運行管理や労務管理の整備を進めるとともに、グループとして持続可能な輸配送ネットワークの構築に取り組んでいく方針です。
詳しくは「SGホールディングス株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松
