
平成31年4月(2019年4月)施行の制度を経て、学習者用デジタル教科書が紙教材と併用で2024年度から段階的に全国導入されます。主体的・対話的で深い学びや学習上の困難軽減を目指す現場の準備と実務対応が問われています。
導入の点と学校・教育委員会が押さえるべき実
学習者用デジタル教科書は、紙の教科書の内容の全部(電磁的記録化に伴い変更が必要な部分を除く)を電磁的記録として提供する教材として、学校教育法等の改正により制度化されました(平成31年4月=2019年4月施行)。この制度化は、新学習指導要領が掲げる「主体的・対話的で深い学び」を支え、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習困難の軽減を目的としています。中央教育審議会やデジタル教科書推進ワーキンググループでの検討を踏まえ、当面は紙教材との併用を前提に段階的導入が進められています。
文部科学省は、2024年度以降の段階的な全国導入に向けて、実践を支援する各種資料を整備しています。令和6年度の実証研究事業では事例動画や授業改善事例集、研修事例集、リーフレット等が作成され、それぞれに実証校の授業改善の取り組みや教科別の悩みと解決のやりとり、研修の全体像がまとめられています。これらの資料は導入準備や研修設計、現場の具体的運用検討に有用です。
令和6年度からの段階的導入事業に参加した学校には、小学校5年生~中学校3年生の英語及び算数・数学のデジタル教科書が提供されます。提供される教材は採択教科書と同一の発行者によるもので、参加校は教育委員会を通じて需要調査や事前登録に協力しました。令和7年度当初から活用できるよう、採択発行者からアカウント情報等が4月以降に順次送付される旨の案内が出ており、異動や退職時の引継ぎも周知されています。
各校・教育委員会は、提供範囲(対象学年・教科)やアカウント手続、教材の活用に関する事例集や研修資料の有無を所管の教育委員会で確認し、文部科学省作成の事例集・研修動画等を参照して導入準備を進めることが推奨されています。
詳しくは「文部科学省」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
