
国土交通省は9月17日、令和7年(7月1日時点)の都道府県地価調査を公表しました。全国で住宅地・商業地が4年連続上昇し上昇幅が拡大する一方、宮古島・白馬・鳥栖など注目地点の動きが地域差を際立たせています。
注目地点と主な数値
国全体では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇し、上昇幅が前年より拡大しています。三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)では全用途平均・住宅地・商業地の上昇が継続し、特に東京圏と大阪圏で上昇幅が拡大しています。名古屋圏は上昇幅がやや縮小しており、圏域間で温度差が見られます。地方圏でも全用途平均・住宅地・商業地はいずれも3年連続で上昇に転じており、地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では上昇幅がやや縮小しましたが、その他の地域では住宅地が平成8年から29年続いた下落から横ばいに転じた点が確認されます。
沖縄県宮古島市では住宅地の上昇が顕著です。宮古島‑11は令和7年基準地価が24,000円/㎡、変動率は令和6年20.2%から令和7年18.8%に、宮古島‑15は基準地価17,200円/㎡で変動率が26.1%から18.6%へと推移しました。公表資料では観光客の回復、大型商業施設の進出、島外からの移住増などを要因に挙げており、リゾートホテル建設に伴う従業員・建設作業員用住宅や移住需要が住宅地を押し上げているとしています。ただし建築費上昇等の影響もあり、市の平均変動率は112%(令和6年17.9%)と上昇幅は縮小しています。
長野県白馬村では商業地の上昇が続いています。白馬5‑2は令和7年基準地価67,500円/㎡、変動率は令和6年30.2%から令和7年29.3%となり、白馬駅前やスキー場周辺でのホテル・コンドミニアム用地や店舗需要が高いことが示されています。白馬5‑1(基準地価23,600円/㎡)の変動率は令和6年5.1%から令和7年14.6%へ増加しており、商業地・住宅地双方で高い需要が続いていることが読み取れます。
産業用地では佐賀県の基山町・鳥栖市が顕著です。基山9‑1は令和7年基準地価59,000円/㎡で変動率が令和6年13.1%から令和7年24.2%へ、鳥栖9‑1は基準地価84,000円/㎡で変動率が13.8%から20.0%へ上昇しました。公表資料は、九州自動車道と長崎・大分自動車道の交差という交通結節点における物流施設需要の高まり、ならびに令和6年6月の小郡鳥栖南スマートIC開通による交通の分散と円滑化が地価上昇を促したとしています。
詳しくは「国土交通省」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
