docomo STARTUPで金賞を受けたアイデアがスピンアウト。株式会社AIPEXが2025年9月16日事業開始。AIでIP監修の作業時間を平均6割削減し、クリエイティブに回せる時間を生み出します。
AIが「監修」の手間を可視化し、承認を半自動化する仕組み
NTTドコモ発の新会社、株式会社AIPEXは、社内公募で生まれた「AIPEX」プラットフォームをスピンアウトして事業化します。発案者であり代表の大城敦司は、2024年度のdocomo STARTUP DAYで金賞を受賞したプロジェクトを基に、2025年9月16日から本格稼働を始めます。
AIPEXは、従来メールや表計算で行ってきたIP（知的財産）監修業務を一つのSaaS上に集約します。IPホルダーとライセンシーが同じプラットフォーム上でやり取りし、提出物はAIが事前にガイドラインと照合して違反箇所を指摘します。これにより担当者は最終判断に集中でき、確認対象の抜け漏れもAIで補完できるため、監修品質の均一化とガバナンス強化が期待できます。
実証実験では監修にかかる作業時間を平均6割削減した結果が示されており、コスト削減と迅速な承認によるライセンス機会の拡大が見込まれます。日本のキャラクタービジネス市場（国内約2.7兆円、グローバル約30兆円規模）を背景に、キャラクター、アニメ、マンガ、出版社、ゲーム企業への導入を促進し、監修インフラの標準化を目指します。継続学習で現場の暗黙知も取り込み、担当者の異動や退職によるナレッジロスも抑制します。
AIによる監修支援は、単なる効率化だけでなく、IPホルダーのブランド価値を守りつつ新たな展開を後押しするDXの一手です。担当者の負担を軽減し、企画や創作に回せる時間を増やすことで、日本発コンテンツの競争力向上に寄与することを目指します。
詳しくは「株式会社AIPEX」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部 權
