東京で開催された「土地区画整理・都市開発フォーラム」では、行政、大学、民間企業の専門家が集まり、デジタル変革が都市計画にもたらす影響について議論しました。テーマは「土地区画整理とデジタルトランスフォーメーション―防災・合意形成から都市経営まで」。パネルディスカッションには大阪市都市計画局の大上雅直氏、日本大学の中村英雄教授、NTTの松村和奏氏らが登壇し、データ活用による街づくりの可能性が語られました。
中村教授は「不便を便利に変え、新しい価値を生むのがDX」と述べ、地域づくり・建設・行政の3領域での活用を提案しました。大上氏は小規模で柔軟なプロジェクトの重要性を強調し、「建物を動かすことは人を動かすこと」と、住民の幸福を重視した実践例を紹介しました。NTTの松村氏は、都市の幸福度を18分野から評価する可視化ツール「Sugatami」を核とした取り組みを説明。健康や教育、環境といった指標を組み込み、自治体の長期計画や住民対話に活用されていることを示しました。
フォーラム全体では、従来のインフラ中心から「人中心」へと計画の軸足が移りつつあることが共有されました。デジタルは単なる技術の追加ではなく、生活の質と都市機能を調和させる枠組みとして位置づけられつつあります。今後は、地域ごとの幸福度やウェルビーイングを指標に据えたスマートシティ構想が進む見通しです。
詳しくはNTTまで。
レポート／DXマガジン編集部
