
茨城→三重・鈴鹿の約500km区間で、HondaのEV「N-VAN e:」用バッテリーパック輸送が鉄道主体で本格稼働。年間約698.5トン(74.5%)のCO2削減とドライバー拘束時間約2,542時間(78.8%)削減を掲げるこの実装が、日本の物流の常識を揺るがします。
鉄道主体のモーダルシフトで見えた仕組み
NIPPON EXPRESSグループの日本通運が、HondaおよびJR貨物と連携し、茨城のバッテリー出荷拠点からHonda鈴鹿製作所までの約500kmを鉄道で結ぶ新輸送モデルを本格稼働させました。8月25日に納品式典を行い、三社の協業が正式スタートしたことを示しています。今回の取り組みは長距離区間を鉄道に切り替えることで、安全性と環境性、コストのバランスを追求したものです。
運用面では、Hondaが積載治具の設計・製作を主導し、日本通運が輸送計画と現場運用を担い、JR貨物が鉄道ネットワークと輸送体制を提供します。バッテリーパックは大型で高精度な部品のため、専用治具と新導入の「Hondaラッピングコンテナ」で積み降ろしの円滑化と保護を図りました。鉄道コンテナを活用したスキーム設計より、追跡管理と荷役手順の標準化も進められています。
効果は明確です。従来の全区間トラック輸送と比較して、年間約698.5トンのCO2削減(約74.5%)とドライバー拘束時間の約2,542時間(約78.8%)削減を見込みます。NXグループはこの成果を通じてカーボンニュートラルや脱炭素社会の実現に貢献する物流サービスをさらに展開すると表明しています。モーダルシフトは単なる手段転換ではなく、現場のオペレーションと設備を再設計した実務的解決策です。
詳しくは「日本通運」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權
