
日本銀行は6月4日、現時点で中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する計画はないものの、急速に進むキャッシュレス社会に対応するため、決済システムの革新が不可欠だとの見解を示しました。
「便利で安全」な決済インフラの必要性
日銀の神山一成・理事(決済システム局担当)は講演で、「今後、紙幣の発行量は依然として多いが、デジタル化の進展に伴い使用は大幅に減る可能性がある」と指摘。その上で、「小売決済システムを、便利・効率的・誰でも使える仕組みにしつつ、安全で強靭なものにする必要がある」と述べました。
日銀はこれまで、CBDCの発行自体については政府・国会が判断すべきとする一方、民間企業と連携した実証実験や意見交換を続けています。今回も「デジタル円」パイロットプログラムの一環として、民間企業との会合で取り組みの進捗を共有しました。
神山理事は「CBDCの発行は決定されていないが、決済インフラの安全性と効率性を高める努力は不可欠」と強調しました。
日本は諸外国と比べ現金利用の比率が依然として高い一方、QRコード決済や電子マネーの普及でキャッシュレス化が急速に進んでいます。将来的に「デジタル円」が発行されるかは未定ですが、日銀は選択肢を持つための準備を続けている状況です。
詳しくは日本銀行公式サイトまで。
レポート/DXマガジン編集部
