ソリトンの遠隔システムが英国の自動運転バスに採用、複数カメラの映像を低遅延で遠隔へ伝送可能に

ソリトンシステムズは、自動運転の運行効率と安全性を向上させるための遠隔支援システムの実用化に取り組んでおり、日本国内では既に自治体や交通事業者、自動車メーカーなどでの導入実績を持っています。このたび、ソリトンの映像伝送ソリューション「Zao SDK」が、英国のスマートシティソリューション企業であるSmart City Consultancy（SMCCL）および自動運転技術のリーダーであるOhmioによって採用されました。これは、ソリトンにとって海外市場での初の本格的な採用実績となります。

今回のプロジェクトは、英国で進行中のスマートシティ構想の一環として進められており、自動運転バスの運行をより安全で効率的なものにすることを目的としています。SMCCLは自動運転バスが複雑な運行状況に直面した際に遠隔操作を可能にするシステムとして、「Zao SDK」を導入しました。このシステムは、複数の携帯電話ネットワーク（4Gおよび5G）を活用して車両に搭載された複数のカメラから短遅延の映像を伝送することで、遠隔オペレーターが緊急時に即座に介入できる環境を整えます。自動運転技術開発で知られるOhmioは、このプロジェクトの主要パートナーとして、ミルトン・キーンズを始めとする英国各都市での展開を計画しています。すでにバーミンガム国際駅と英国ナショナル・エキシビション・センターを結ぶ自動運転車両の大規模試験も進行中で、今後の展開に向けた重要な役割を果たしています。

Ohmio英国法人のディレクター、イアン・プルフォード氏は、ソリトンの「Zao SDK」が自動運転技術の信頼性と透明性を高め、遠隔操作による迅速な対応を可能にする点を評価しています。また、SMCCLとOhmioは、今後すべての自動運転バスに遠隔操作機能を標準装備し、欧州全体への技術展開を計画しています。今回の採用を契機に、ソリトンシステムズは自動運転分野における安全性と効率性をさらに向上させるソリューションの提供を強化していく方針です。今回の英国プロジェクトは、同社が国際市場でその技術力を発揮し、欧州全体での自動運転技術の発展に寄与する重要な一歩となります。ソリトンは今後も革新的な技術開発を通じて、自動運転の未来を支える存在であり続けることを目指しています。

レポート／DXマガジン編集部折川