犬がかなり疲弊しているときのサインは?
犬は疲れていても言葉で伝えることができないため、飼い主がそのサインに気づいてあげることが大切です。
日常生活の中で愛犬が見せる行動の変化は、疲れていることを示しているのかもしれません。ここでは、犬がかなり疲弊しているときのサインを5つご紹介します。
1.元気がない
人間は疲れていると元気がなくなり、疲れ切っているときにはちょっとした動きも億劫に感じるものです。これは犬も同じで普段活発な犬が元気をなくし、何となく動きも鈍いように感じるときはかなり疲れているのかもしれません。
元気がないのは病気のサインであることもありますが、単に疲れているだけなら十分に休ませれば回復することが多いです。
2.食欲がない
どんなに疲れていてもごはんだけはしっかり食べる犬もいれば、疲れているとごはんを食べなくなる犬もいます。疲れすぎて食べることよりも休むことが優先になったり、食べることが億劫になったりするために、ごはんを食べないことがあるのです。
食欲不振が一時的であればあまり心配はいりませんが、数日間続く場合は病気の可能性があるので、動物病院を受診しましょう。
3.睡眠時間が長い
犬は人よりもレム睡眠(浅い眠り)の割合が多く、その分多くの睡眠時間を必要とします。1日の平均睡眠時間は、成犬で12〜15時間、子犬や老犬で18〜19時間ですが、活動量や体調によって睡眠時間は変動します。
特に疲れた日は、より長く眠る傾向があります。睡眠を通して心身の疲れを回復させるため、疲れているときはより多くの睡眠が必要になるのです。
愛犬がいつもよりもたくさん眠っているように感じる場合は、その日を振り返ってみましょう。いつもより長めに散歩をした、動物病院やトリミングサロンへ行った、ドッグランで走り回ったなど、特別な出来事はなかったでしょうか?
もし心当たりがあるのなら、疲れてたくさん眠っているのでしょう。無理に起こしたりせずにゆっくり休ませてあげてください。
4.ひとりでいたがる
犬は、元来群れで暮らす生き物であるため、飼い主や家族と一緒に過ごすことを好みます。しかし、疲れているときはゆっくりと体を休めるために、ひとりでいたがることがあります。
そのため、自分からクレートやケージに入ったり、人の気配のない場所へ移動したりします。
愛犬がひとりでいたがっているときは、そっとしておいてあげましょう。むやみに触ったり、しつこくしたりすると、唸られたり噛みつかれたりすることがあるので注意が必要です。
5.遊びや散歩を嫌がる
普段は遊びや散歩が大好きな犬も強い疲れを感じているときは、それらを嫌がることがあります。例えば、いつもは快活に遊びや散歩を楽しむ犬が、遊びに誘っても興味を示さなかったり、散歩中に座り込んでしまったりします。
このようなときに無理に遊びや散歩をさせると、疲労がさらに蓄積してしまうため休息させてあげることが大切です。
遊びや散歩を嫌がる状態が続く場合は、病気やケガの可能性も考えられるため、動物病院を受診しましょう。
犬を疲れさせてしまう原因は?
犬を疲れさせてしまう原因は多岐にわたります。具体的にどのようなことが犬を疲れさせてしまうのか一緒に見ていきましょう。
1.過度な運動
適度な運動は、犬の心身の健康維持に不可欠です。しかし過度な運動は犬の体力を消耗させ、疲労の原因となります。また、関節や骨、心臓などに負担をかける可能性もあります。
運動量は犬の年齢や犬種、体力などに合わせて調整することが重要です。体力があまりない犬に長時間の散歩や激しい運動をさせると、へとへとになってしまいます。
愛犬に見合った運動量を知り、過度にならないように注意しましょう。例えば散歩は、家に帰ってしばらくしてから眠り始めるくらいがちょうどいい散歩量です。
2.ストレスや不安
疲れには、肉体的疲労と精神的疲労があります。犬の肉体的疲労は、主に過度な運動によって引き起こされますが、精神的疲労を引き起こすのはストレスや不安です。
犬のストレスや不安の原因は様々で、例として長時間の留守番や環境の変化、雷の音、家族間のケンカなどが挙げられます。犬はストレスや不安を感じると心が落ち着かず、精神的なエネルギーが消耗し、疲労を感じることがあります。
精神的疲労は蓄積しやすい傾向があるため、愛犬が安心できる環境を整え、ストレスの少ない毎日を送れるようにしてあげることが重要です。
3.睡眠不足
睡眠不足も犬を疲れさせる原因の一つです。睡眠は、疲労や体力の回復に重要な役割を果たしており、睡眠不足が続くと犬は疲れを感じるようになります。飼い主が連日夜ふかしをしていると、犬が睡眠不足になることがあるため、注意が必要です。
愛犬が睡眠不足にならないように、飼い主が規則正しい生活を送ることが理想的です。それが難しい場合は、夜間は照明を暗めに調整したりテレビの音量を控えめにしたりするなど、愛犬が眠りやすい環境を作るように心掛けましょう。
4.暑さや寒さ
暑すぎる環境や寒すぎる環境はいずれも犬の体力を消耗させ、疲労の原因となります。特に暑すぎる環境は熱中症の原因にもなるので、エアコンを使った温度管理が必須です。
一般的に犬にとって快適な室温は、夏は25℃前後、冬は20℃前後と言われています。しかし、犬種や年齢、体調など個体差があるため、愛犬の様子を見ながらエアコンなどの設定温度を調整しましょう。湿度は、40〜60%を保つようにしましょう。
犬の疲弊サインへの対処法は?
愛犬が先述の疲弊しているサインを見せた場合、飼い主が適切に対処することで元気を取り戻すことができます。では、具体的にどのように対処すればよいのでしょうか?以下では、4つの対処法をご紹介します。
1.十分に休息させる
犬が疲弊しているサインを見せた場合は、まず十分な休息を取らせることが最も重要です。遊びや散歩は無理に行わずに、リラックスできる環境でゆっくり体を休めさせてあげましょう。基本的に肉体的疲労は十分な休息によって回復します。
2.マッサージをする
マッサージは筋肉の疲労を緩和し、血行を促進する効果があります。また、リラックス効果も期待でき、ストレスの軽減にもつながります。
そのため、犬が疲弊しているサインを見せたときは、マッサージをしてあげるのもよいでしょう。犬の反応を見ながら力加減に注意して優しくマッサージしてあげましょう。ただし、犬がマッサージを嫌がる場合は、無理に行うのは避けてください。
3.疲れの原因を特定し、適切に対処する
犬が疲弊しているサインを頻繁に見せる場合は、疲れの原因を特定し、適切に対処することが大切です。
例えば、運動量を増やしてから犬が疲弊しているサインを頻繁に見せるようになった場合は、過度な運動が疲労の原因と考えられ、運動量を調整する必要があります。
また、ストレスや不安が原因で疲弊しているようならストレスや不安を軽減し、安心できる環境を整えましょう。さらに、睡眠不足や温度環境が疲れの原因である場合は、睡眠環境を改善したり適切な温度管理を行ったりしましょう。
このように疲れの原因に合わせて対処することで、犬の心身の健康を守ることができます。
4.獣医師に相談する
上記でご紹介した対処法を行っても犬が元気にならない場合には、獣医師に相談しましょう。犬の疲労の背後には肉体的疲労や精神的疲労以外にも、病気が隠れている可能性があります。例えば、甲状腺機能低下症や心臓病などは疲労感を引き起こします。
こうした病気が隠れているのであれば、早期に適切な治療を受けることが重要です。愛犬が疲弊しているサインを放置しないようにしましょう。
まとめ
今回は、犬がかなり疲弊しているときのサインとして、以下の5つをご紹介しました。
- 元気がない
- 食欲がない
- 睡眠時間が長い
- ひとりでいたがる
- 遊びや散歩を嫌がる
日々愛犬の様子を注意深く観察し、これらのサインを見逃さないようにしましょう。犬が疲れてしまう原因としては、
- 過度な運動
- ストレスや不安
- 睡眠不足
- 暑さや寒さ
などが挙げられます。これらの原因を避けることで、愛犬は疲弊することなく、快適に過ごせるでしょう。
もし愛犬が疲弊しているサインを見せた際は、
- 十分に休息させる
- マッサージをする
- 疲れの原因を特定し、適切に対処する
- 獣医師に相談する
といった方法で対処して、元気を取り戻させてあげましょう。
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