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編み物で骨格標本を再現……?すごすぎて理解が追いつかない「T-REXのあみぐるみ」


編み物で骨格標本を再現……?すごすぎて理解が追いつかない「T-REXのあみぐるみ」

 これが、編み物……?

 毛糸を編んで綿を詰める「あみぐるみ」の技法で生み出された、T-REX(ティラノサウルス)の全身骨格標本がXで注目を集めています。

■ 編み物とは思えないほどのディテール!「T-REXのあみぐるみ」がすごすぎる

 このほどXに作品を投稿したのは、かぎ針編み作家として活動する「ユーフォ」さんです。

 黒い編み物の土台に、後ろ足で堂々と立ち上がるT-REX。大きな頭を振り上げ、長い尾を鞭打たせている姿は、今しがた目覚めたかのような躍動感がたっぷり。

T−REX後ろ

 遠目に見れば「博物館の展示かな?」と思ってしまう、あまりにも骨格標本な作品ですが、顔を近づければ確かに編み物。骨などの各パーツに、確かな編み目ができています。

T−REX頭部

 肋骨や尻尾の骨など形状は、ひと目見ただけで気が遠くなるほど精密。編み物でここまで骨格標本のディテールを再現できることに驚きが止まりません。というか、理解の外側にあります。すごすぎる。

 界隈でもほとんど見ないという「骨格標本」がテーマの作品には「カッコよすぎます!」「スゴすぎて、目が、点になりました」「これはやばい!!!」といった驚きの声が続出しています。

■ 制作のきっかけは幼少期の挫折経験「今の僕なら、自らの手で生み出せるのでは」

 編み物の可能性を広げるかも知れないこの「T-REXのあみぐるみ」の始まりは、ユーフォさんの幼少期に憧れた、とある雑誌のシリーズ。

 「毎号付録を集める系の某雑誌に『ティラノサウルスの骨格を組み立てよう!』というシリーズがあり、どうしても欲しかったのですが、創刊号以外は高価で買えませんでした」(ユーフォさん)

 時が流れて編み物作家になったユーフォさんは「(編み物で)様々な造形が可能になった今の僕なら、自らの手でT-REXを生み出せるのでは?」と思い、チャレンジすることに決めたそう。

 骨格を編むというのは初めての試みでしたが「これまで培ってきた技術で再現できる確信がありました」と話しています。

 さらにこの「T-REXのあみぐるみ」は中に針金が仕込まれているため、さまざまなポージングも可能。

 最初の投稿では天に向かって咆哮するかのようなダイナミックなポーズを取っていますが、10月15日の「化石の日」に合わせた投稿では、全身を丸めて眠るようなかわいいポーズを披露。

丸まったポーズも可能

 ユーフォさんによれば、骨格の芯となる針金には太めのものを1本、切らずに一筆書きのようにして通しているため、安定したポージングが可能なのだとか。

 通常の骨格標本では難しいこのポージングの自由度も、あみぐるみならではの魅力ですね。

 編み物に詳しい人も、そうでない人も、ひと目でその凄さがわかる「T-REXのあみぐるみ」について、ユーフォさんに詳しくお話をうかがってみました。

■ 界隈でも珍しい、骨格標本の編み物「ほぼ誰も作ってない」

――骨格標本をあみぐるみって、そもそもどのように作るのでしょうか?

<ユーフォさん>
 制作手順としては、まずは各パーツを編み、可動部や形を支える部位に針金を通した後、パーツ同士を縫い閉じるという流れで制作しました。

ディテールに驚き

――パーツを編んでから、全体を閉じる……パズルみたいですね

<ユーフォさん>
 今作はかなり細かい造形なので、パーツをなるべく細分化し、形を見ながら縫い合わせ、途中で針金を入れて……という風に臨機応変に作っています。

――骨格を編み物で再現するというのは初めて見たのですが、編み物界隈でもこれはかなり珍しいジャンルなのでしょうか?

<ユーフォさん>
 骨格系の作品を編む方は、恐らくほぼいらっしゃらないのではないかと思います。

 人体の骨格を編み物で再現した作品は見たことがありますが、今作のように卓上サイズの骨格標本系作品には出会ったことがありません。

 もちろん、拙作に触発されて編む方が今後出てくる可能性はありますが……。

――ユーフォさんの作品に影響を受ける人はいそうですね。骨格を編み物にするにあたって、ほかの編み物と大きく違う点は何かあるのでしょうか?

<ユーフォさん>
 今作の特色は「中綿がほぼ入っていない」という点です。

 通常のあみぐるみ(ぬいぐるみの編み物版)は、編んだパーツの中に綿を詰めて形を安定させますが、骨を表現する上で綿は入れる必要がありません。ですので、綿を使わなくても形が安定するように、パーツ形状を考えて編まなくてはなりませんでした。

――なるほど……!確かに骨格だとそもそも綿を入れるスペースもありませんもんね

<ユーフォさん>
 また、各パーツに必ず発生する糸端を、最低限の隙間しかない作品内部にどう隠すかという問題にも頭を悩ませました。

糸端の隠し場所にも苦労

――特にここにこだわった、という点はありますか?

<ユーフォさん>
 こだわった点は、単色ではなく濃淡2色の毛糸で陰影を表現して、よりリアルに立体感を持たせたことです。

 骨の内側を濃色にすることで、淡色の部分がハッキリ視認できて、なおかつ化石特有の経年感も上手く表現できたと思います。

――今後編んでみたい骨格ってありますか?

<ユーフォさん>
 今作と同じ恐竜系ならば、フタバスズキリュウを編んでみたいです。より細かい造形となりそうですが、流線形のフォルムをどう表現するかチャレンジしてみたいと考えています。

 よりファンタジーな分野では、ドラゴンの骨格を編んでみたいと思っています。現実味と空想のバランスをどう料理するかがとても楽しそうで、構想が膨らみます。

――ドラゴンの骨格……!架空の生き物の骨をどう再現するのかは、すごく興味が湧きます。

* * *

 毛糸とかぎ針で骨格標本まで再現できてしまう「あみぐるみ」の世界。

 なんとなく「柔らかくて、かわいらしいもの」を表現する世界だと思っていた筆者としては、こんな硬派な作品も表現できてしまうことに驚きです。

 「編む」という行為が持つ無限の可能性を感じさせてもらえる作品でした。

<記事化協力>
ユーフォ かぎ針編み作家 アトリエユーフォ 人外専門 (@bon_66

(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025102101.html
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