1.タキシード

白黒猫の中には、タキシードの模様を持つ猫がいます。顔と胸元とお腹に白が入ると、まるで黒いタキシードを着ているように見えるのです。その着こなしはさまざまで、タキシードのボタンを閉じている模様や、ざっくり開けている模様などがあります。
日本で「ハチワレ」と呼ばれる模様もタキシード模様のひとつ。他にも、足先にも白が入って靴下のように見える模様や、口元の白がヒゲのように見える模様もあります。正装のイメージが強いためか、タキシード模様の猫はなんとなく上品に見えることでしょう。
アメリカでは、タキシード模様の猫は「紳士的」と信じられているのだとか。クリントン元大統領の飼い猫がタキシード模様だったことが理由のひとつのようです。
雑種の印象があるかもしれませんが、マンチカンやブリティッシュショートヘアなど、白黒の遺伝子を持つ猫であればタキシード模様になる可能性があります。
2.牛柄

白地に黒のブチが入った模様の猫もいます。「ブチ猫」と呼ばれる猫の模様のひとつですが、白黒で構成されたブチはまるで牛のようです。
日本ではブチ猫が一番の主流といわれていますが、白面積の多い猫はあまり多くはないようです。確かに、よく見るハチワレやミケと比べて、牛柄の猫はあまり見ないように思えますね。
また、本当の牛がそうであるように、黒のブチ部分の場所や大きさには個体差があります。中には、ハート型のブチを持っていたり、ブチ部分が文字やマークのように見えることも。
ちなみに、牛柄の猫は海外でも非常に人気がある模様なのだそう。日本の雑種猫というとミケですが、牛柄はミケに次いでポピュラーな模様なのだそうです。白黒というクールなイメージのカラーリングと、牛柄というユニークな柄使いのギャップが、多くの人を魅了するのかもしれません。
3.キメラ柄

キメラとは、1つの個体の中に2種類の遺伝子が入っている状態を指します。架空の動物を表現する言葉として、ギリシャ神話に登場したことが由来です。猫の模様としてのキメラとは、顔の半分でまったく柄が違う模様のことをいいます。
例えば、顔の右半分はオレンジ、左半分は白のように、真ん中でセパレートされているような模様です。細胞分裂の異常によって綺麗に半分ずつ色が分かれてしまった状態で、かなり珍しい模様です。
また、この模様の猫は、毛色だけでなく瞳の色も左右で異なるケースが多いようです。あまりにインパクトが強い模様のため、SNSで話題になることもしばしば。
中には胴体部分が顔と逆の配色になっているケースもあり、遺伝子の神秘を感じる模様です。
4.カツラ柄

思わず二度見してしまうほど、ユーモアあふれる模様を持つ猫も。中でも人気なのは、カツラを被っているように見える模様でしょう。白地に頭のてっぺんだけ黒のブチが入り、カツラを乗せているような模様に見えるのです。
ヘアスタイルにも個性があります。ぱっつん前髪の可愛らしい髪型だったり、綺麗に七三分けされていたり…。中には、髪の毛ではなく帽子やヘアアクセサリーを付けているように見える模様もあるようです。そのスタイルによって、歴史上の偉人を連想させる猫もいるとか。
ちなみに、猫の毛色が黒になるのは、紫外線からダメージを受けないためと考えられています。カツラを被っているようなユニークな模様の裏には、それぞれの事情があるのかもしれませんね。
まとめ

猫の毛色を決めるのは遺伝子の影響です。タキシードや牛柄、カツラみたいな模様など、ユニークな柄はすべて遺伝子の起こした偶然といえます。しかし、見ているだけで幸せな気持ちになる猫の柄は、神様のイタズラかと思ってしまいますね。
今回紹介した模様以外にも、特定の体勢で浮き出るマークや、普段は見えない場所にある文字のような柄など、色々な模様があります。もしかすると、見慣れた愛猫の体にも、特別な印が刻まれているかもしれません。
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