犬のような猫が急増?!
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猫といえば「自由気ままに生き、人間にはなかなか懐かない動物」と考えられることが多いですよね。猫は我がままだし素っ気ないから犬のほうが好き、という人もいるのではないでしょうか?
ところが最近では犬のような行動をする猫が急増中のようです。飼い主にベッタリの猫、中にはリードをつけて散歩をする猫までいます。
猫がいわゆる“犬化”してきているのはなぜでしょうか?ここでは、猫の本来の性格や特徴を振り返るとともに、猫が犬のような行動をとる例や理由についてまとめていきます。もしかしたら猫に対する今までの見方が大きく変わるかもしれませんよ!
猫の本来の性格や特徴について
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犬と猫は性格がまったく違いますが、犬と猫とでは人間と暮らすようになった歴史が違いますから、性格や特徴が異なるのは当たり前のことです。
では、「猫といえばこれ!」というような猫本来の性格や特徴を挙げてみましょう。
①単独で行動することを好む
猫はもともと単独で行動してきた動物です。犬のように群れを作ることはなく、単独で行動して狩りをしながら生き延びてきました。
生まれてすぐの子猫は母猫や兄弟猫と一緒に生活しますが、自分一人で狩りができるようになると親離れをして、自分のテリトリーを作るようになります。こうして縄張り争いをするのも猫の特徴のひとつです。
②自由気ままでマイペース
単独行動をする猫は基本的に寂しがるということはありません。他の猫に合わせることもなく自由気ままに生活します。
それは飼い猫でも同じです。飼い主の意向を気にするわけでもなく、お腹が空けば「ご飯をくれ~」とばかりに鳴き続けます。犬のように「待て」は通用しません。こうした性格から、我がままだとか聞き分けがないなどと言われてしまうのでしょう。
猫は自分主体で生活するので飼い主の言うことを聞くこともありません。犬のようにしつけをするのは困難ですし、芸を覚えさせようとしても言うことを聞いてくれません。その気になると近づいてくるのに、気に入らないことがあるとそっぽを向いてどこかに行ってしまいます。気分屋なところがあるので「ツンデレ」とも言われることがあります。
③警戒心が強い
もともと単独で狩りをして生活してきた猫は警戒心が強い動物です。敵に襲われないように、または縄張りを奪われないように警戒心は必要不可欠です。その名残があるのか、猫は知らないものに対して警戒心を抱きます。見知らぬ人が来客としてやってくると隠れて出てこない猫もいます。警戒心による行動ですが、中には臆病だとする人もいます。
知らないものに対して警戒心を抱く猫は、引っ越しなどで新しい環境に置かれることも苦手です。慣れるまでじっと観察をして動かないということもあります。縄張りとしている部屋の模様替えをすると、それだけでもストレスになってトイレ以外の場所におしっこをすることもあるようです。警戒心が強いので生活環境の変化は苦手なようです。
④人間との上下関係はない
群れの中で上下関係を築く犬は、人間と生活をするとリーダーシップのある飼い主を主人と見るようになります。飼い主の表情を観察して、指示に従おうと待ち構えています。
しかし猫の場合は単独で行動するので、猫同士はもちろん人間との関係においても上下関係を築くということはありません。猫も飼い主も同等の立場になってしまいます。
猫は飼い主を自分よりも大きな猫くらいにしか思っていないようです。餌をあげたりトイレの掃除をしたりしてあげてるのにちょっとつれない感じもしますよね。猫が獲物を捕らえて飼い主のところに見せに来ることもありますが、これは飼い主が「鈍くさい」ので心配しているからだという人もいます。
猫の気まぐれに振り回されて、いつのまにか愛猫に尽くしてしまっている飼い主もいるかもしれませんね。人間との上下関係はないといっても、いつのまにか猫のほうが主人になっていると感じることさえあります。
犬のような性格をもって行動する猫の特徴とは
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上記に挙げたのは猫本来の性格や特徴です。ところが最近は猫が犬のような行動を取ると言われるようになっています。では、犬のような性格を持って行動する猫の例をいくつか挙げてみますね。
その① 呼ぶと返事をする
犬は名前を呼ぶと嬉しそうに走ってきますよね。猫といえば名前を呼んでもこっちをチラッと見るだけでそっぽ向いてどこかに行ってしまうイメージがあります。ところが最近では名前を呼ぶと鳴いて返事をする猫がいるようです。ついに人間とコミュニケーションを図る気になったのでしょうか。
名前だけでなく、「ご飯だよ~」とか「おもちゃ」という言葉にも反応して鳴いて返事をする猫もいます。飼い主のところに嬉しそうに走ってくる猫もいるとのことです。呼びかけに対するこれらの反応はまるで犬のようだと言えるでしょう。
その② 玄関で見送りや出迎えをする
飼い主のことが大好きな犬は玄関での見送りや出迎えをすることで知られています。できるだけ飼い主と一緒に過ごしたいという気持ちが表れていますよね。長時間の留守番が苦手でストレスになるという犬もたくさんいます。
猫の場合は単独で行動するので留守番は苦になりませんし、飼い主が家にいようがいまいが気にしていないかのようです。
ところが最近では、飼い主を玄関で見送ったり出迎えをしたりする猫が急増しているようです。見送ることに関しては、ただ単に外の世界が気になっているだけだという人もいますが、飼い主に「行かないで~」と言っているんだという人もいます。飼い主に懐いて甘えるようになった猫もいるということでしょうか。
そして飼い主が帰ってくることを察知すると玄関で出迎えをします。帰ってくるなり体をすり寄せて甘えてくる猫もいます。お腹が空いているかどうかが関係していることもありますが、飼い主を出迎えして甘えるという行動はまるで犬のようだと言えるでしょう。
その③ 飼い主と遊ぶのが好き
犬は飼い主と遊ぶのが大好きです。遊んで欲しくておねだりする犬もいます。その点、猫は気が向いたときだけ飼い主と遊び、飽きたらさっさと撤収してしまうイメージがあります。
ところが最近では、飼い主と遊ぶことが大好きな猫も増えているようです。おもちゃを持ってきて「遊ぼうよ~」と言わんばかりに甘えてきたり、仕事中に邪魔をしてきたりする猫もいます。
どちらかといったら放っておいても勝手に遊んでマイペースに生活するのが猫のイメージですが、飼い主と遊びたがる猫はまるで犬のようだと言えるでしょう。
その④ 来客にもフレンドリー
警戒心の強い猫は来客が来るとどこかに行ってしまい出てこないというイメージです。飼い主の知り合いだとわかるとすぐにフレンドリーになる犬とはちょっと違いますよね。
ところが最近では来客にもフレンドリーで人間好きな猫が増えているようです。飼い主以外の人にも体をすり寄せて甘えるしぐさを見せる猫はまるで犬のようだと言えるでしょう。
その⑤ 芸を覚える
マイペースで気まぐれな猫はしつけや芸を覚えさせることが困難だとされてきました。でも最近では犬ほどではないにしても芸をいくつか覚えることのできる猫が増えているようです。おもちゃを投げたらくわえて持ってくるとか、お手やおすわりができるようになった猫もいるとのことです。中にはリードをつけて散歩ができる猫もいるんですよ。
猫は犬ほど賢くないから芸は覚えられないと考えられていましたが、実は芸を覚える気がなかっただけでやろうと思えば芸の一つや二つは簡単に覚えられるほどの賢さを持っていたんですね。芸を覚えた猫はまるで犬のようだと言えるでしょう。
その⑥ 添い寝をする
単独行動を好む猫は自分だけのお気に入りの場所で昼寝をするというイメージがありますが、中には子供たちの昼寝に付き合って添い寝をする猫もいます。人間と添い寝をしている猫はまるで犬のようですね。飼い主が寝るときに布団の中に潜り込む猫もいるようですよ。飼い主のことを信頼して甘えているのでしょう。