昔流行った消費者金融会社のコマーシャルではありませんが、小さくて可愛いワンちゃんに潤んだ瞳で見つめられてしまうと、年齢にかかわりなくこのまま連れて帰りたいという衝動に駆られてしまうものです。
運命的な出会いは、大切にしなければと感じるかもしれませんが、ちょっと立ち止まって考えて見ましょう。犬は生き物です。大切な命なので、そんなに簡単に飼うかどうかを決めてはいけません。
この記事では、犬に一目惚れしてしまった時に、どんなことを考えるべきなのかについてまとめました。なぜ、一目惚れでワンちゃんを飼うのが危険なのでしょうか。
なぜ、一目惚れでワンちゃんを飼うのが危険なのか
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「ビビッ」ときて、衝動買いしたものでも、しばらく使っていると熱が冷めてしまうことは良くあります。長年愛用している物もあるかもしれませんが、人間は飽きてしまう生き物なのです。
最近、世界的に有名になった断捨離の考え方で、「トキメク」かどうかを物を捨てる基準にすることを提唱している人がいます。身分の身の回りにある物を、「トキメク」かどうかで見直してみると、意外とほとんどの物にときめいていないことに気付きます。
何でも、最初は良いなと魅力的に感じて買っているはずなのに、時がたつにつれて「トキメキ」が薄れてしまうものです。物であれば、断捨離してしまえばスッキリしますが、犬は生き物です。簡単に捨てる訳にはいきません。
しかし、残念ながら、多くの人が一目惚れでワンちゃんを飼い始めて、生活環境が変わるなどの理由で、犬を捨てているのです。中には、大きくなってしまったから、飽きてしまったから、新しい犬を飼うために今買っている犬を捨てるという人もいます。
そのため、毎年多くのワンちゃんが殺処分されているのです。環境省が公表している平成26年度の「殺処分数内訳」という統計を見ると、犬が21,593匹、猫が79.745匹、合わせて101,338匹もの殺処分が行われているのです。
負傷動物であったり、避妊や去勢手術を受けていない野良犬が繁殖を繰り返してしまったケースもあるので、すべてが直接人間から捨てられた犬という訳ではありませんが、いずれにしても、人間の無責任な飼育の結果ということが出来ます。
それで、一つの大切な命としてワンちゃんを扱うためには、「一目惚れ」したという直感的な理由だけでなく、理性的に考えて飼い始める必要があります。
一目惚れしてしまった時に考えるべきこと
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では、犬を飼い始める前に、どんなことを考えるべきなのでしょうか。衝動的に犬を飼ってしまわないように、考えておくべき6つのポイントをご紹介します。
1.なぜ犬を飼いたいと思うのか
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運命と思えるワンちゃんと出会ってしまった場合、衝動的に行動してしまわないように、自分の動機を確認してみる必要があります。
一言で「一目惚れ」と言っても、いろんな状況を想定することが出来ます。もともと犬を飼いたいと探していて、「一目惚れ」するほどの犬を見つける場合もあれば、たまたま通りかかったペットショップで見た犬に「一目惚れ」してしまう場合もあります。
前者であれば、もともと犬を飼いたい明確な動機があるはずですが、後者の場合には、本当に衝動的な行動なので、そのままの勢いで購入してしまうと、後で後悔してしまう可能性があります。
そんな時は、今すぐ連れて帰りたいという衝動を抑えて、冷静になる必要があります。その日は一旦帰り、冷静になって考えて見るようにしましょう。なぜ自分は犬を飼いたいと思ったのでしょうか。なぜその犬なのでしょうか。
そうした点を時間をかけて考えて、それでも飼いたいと感じる場合には、もう一度そのワンちゃんに会いに行きましょう。
2.費用を支払えるか
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犬に限った話ではありませんが、ペットを飼うには多くのお金が必要です。購入する時のお金だけでなく、定期的にワクチンを打ったり、病院で定期検査を受ける必要もあります。
また、毎日健康的なドックフードを準備する必要もあります。それで、犬の平均寿命は前後と言われていますが、長期間に渡って犬のために費用を払い続けることが出来るのかを考える必要があります。
中には、経済的な理由で犬を手放さなくなる人も少なくありません。自分たちの生活が難しくなってしまうと、犬を飼う余裕が無くなるのは事実です。
しかし、犬を飼い始めるということは、大切な家族の一員としてワンちゃんを迎え入れるということです。自分たちの生活に経済的な余裕がなくなったとしても、そのワンちゃんを大切にする覚悟があるかどうかを、購入する前に考える必要があります。
3.犬を生き物として扱っているか
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犬に一目惚れをして、衝動的に購入しようとする人は、ワンちゃんの外見だけしか見ていないということが多いようです。ブランド品のバックなどで着飾るのと同じように、可愛いペットを飼っているという雰囲気を楽しみたいと感じているのです。
そうした動機で犬を飼う人は、ワンちゃんが成長して、子犬の時のような可愛さがなくなってしまうと、飽きてしまうことが多いようです。結果として、犬を簡単に手放したり、世話を放棄したり、なかには虐待する人までいます。
犬を飼おうとする時点で、そこまでの悪意を持っている人はいないと思いますが、自分が犬を物のように見て衝動的に購入しようとしていないか、もう一度考えて見る必要があります。