「ステアライズド」ってどんなキャットフード?
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猫は一般的に11歳を過ぎると高齢期に入ります。
瞬発力が衰えあまり動かなくなって寝てる時間が増えたり、毛づやや毛並みが悪くなり白髪も出てきます。
様々な機能の低下が始まる時期でもありますので、消化がよく肥満が防止でき高タンパク低カロリーのキャットフードを高齢になると選ぶと良いと言えます。
それでは「ステアライズド」はシニア猫の健康維持を考慮したどのようなキャットフードなのでしょうか?
12歳以上のシニア猫用として、高齢になり運動量が減りそれにより体重が増加する猫が適正体重を維持できるように脂肪の量を調整しています。
6歳を越えると発症率が上がると言われている腎不全を考慮して、リンの含有量(0.6%)を調整しています。
尿路結石を予防するためにミネラルバランスも調整して健康な泌尿器を維持できるように作られています。
高齢に伴う病気のリスクを考慮にいれて、健康とアンチエイジングにも配慮された総合栄養食となっています。
「ステアライズド」の原材料と成分
ここからはシニア猫に安心して与えることができるのか詳しく原材料と成分を見ていきましょう。
穀物
とうもろこしが原材料の最初に表記され、とうもろこし粉、コーングルテン、小麦と穀類が多く含まれていることが分かります。
飼料のとうもろこしは硬く、熱を加えて粉末化したもので特に消化が難しいですし、コーングルテンは栄養はなくカロリー摂取のために使われています。
肉食動物の猫にとって、穀物を消化し吸収するのは難しく消化器官に負担をかけることになりますので、穀物より肉や魚が多く含まれているほうが良いと言えます。
低価格を維持しカロリーをダウンさせるために穀物の量を増やすのは分かりますが、高齢の猫は消火器が衰え始めるので消化不良の原因にもなると考えられますので心配です。
またとうもろこしや小麦は穀物の中でもアレルギーを発症する危険性が高いというのも心配です。
消化不良によって腸内環境が荒れてくると腸内細菌のバランスが崩れてしまい身体に悪い物質や成分が血液の中に入りアレルギーを起こしてしまいます。
身体への負担を考えると穀物が多く含まれていることは体調不良につながるリスクが高いということが分かりますね。
植物性分離タンパク
穀物が多く含まれているキャットフードのため、超高消化性タンパク(消化率90%以上)により消化を助け便の量と臭いを軽減させるとされています。
それでもやはり肉食動物の猫にとっては動物性たんぱく質が主体のものが良いと言えます。
肉類
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鶏と七面鳥を使用していますが、鶏肉には豊富なたんぱく質が含まれていますし猫にとっては親しみやすいものと言えます。
七面鳥肉は鶏肉に比べて脂肪分が少なく、鉄分、亜鉛、銅、免疫力を高めるセレンなどのミネラルを鶏肉より豊富に含んでいてアレルギーになる可能性が低いが特徴です。
脂肪燃焼や基礎代謝のアップにつながるためダイエット用のキャットフードにも使用されることが多いです。
七面鳥は猫の身体に負担をかけずに栄養を吸収できるので好ましいと言えます。
動物性油脂、
動物性とありますが、詳細の表記がないためどんな動物の油が使われているのか分かりませんし、使われた動物の状態も分かりませんので不安ですね。
酸化した油脂は肝臓病や肥満の元になりますが、動物性油脂は酸化・劣化が非常に早いということが知られていて、そのため動物性油脂を使用しているフードは保存料や酸化防止剤が使われていることがほとんどです。
動物性油脂の酸化を防ぐために添加された酸化防止剤は表記の義務がありませんので、発がん・発症のリスクの高い添加物が使われていることもあるので心配です。
その他に植物性の大豆油や魚油も原材料の中に含まれていますが、魚油も詳細が表記されていませんのでどんな魚が使われているか不安ですね。
植物性繊維
整腸作用に効果を持たせ満腹感に配慮されて食物繊維源のチコリパルプや水分を吸収するとゼリー状になるサイリウムが含まれています。
腹持ちが良くなり、便秘を改善し肥満を解消するために良いと言えます。
フラクトオリゴ糖・マンナンオリゴ糖
高齢になると便秘になったり下痢をしやすくなるので腸内環境を整えるオリゴ糖は大切です。
フラクトオリゴ糖は酵素の働きを腸内で活性化させる栄養素で、栄養分が消化されることなく、大腸に達して善玉菌を増やして消化活動を助けてくれます。
ミネラルの吸収率を上げるため、血糖値の改善や脂肪分を抑え、便の臭いを抑える働きもあります。
ミネラルのバランスは尿路結石とも関係がありますので病気予防に効果が期待できますね。
マンナンオリゴ糖は腸内に悪玉菌を付着させにくくし、排せつ物を腸の外に出してくれるのを助けてくれますので腸内環境を整えてくれる役割があります。
オリゴ糖はヘアボールコントロール(毛玉を吐いてしまう)処理のために原材料に入っていますが、軟便や下痢症状を和らげる働きをしてくれます。
猫はホルモンバランスにより体調の変化が生じ消化不良が起きることがありますので、腸内環境を整えるのに役立ちます。
加水分解甲殻類(グルコサミン源)
グルコサミンは軟骨成分を形成するための成分で、関節や軟骨のサポートをして関節痛を和らげる効果があります。
肥満傾向にある猫も体重増加による関節の負担によって軟骨成分がすり減って痛みが生じたり関節炎を起こしたりしますのでグルコサミンは関節ケアに有用です。
関節痛があると運動させることが難しくなりますので、高齢の猫が元気に毎日を送るために必要なアミノ酸と言えます。
アミノ酸類
リジンやメチオニンやタウリンは猫にとって必須アミノ酸です。
メオチニンやトリプトファンは尿を酸性にする成分となり結石の発生率を抑える役割があるので、尿路結石予防のために含まれています。
過剰摂取は腎不全や骨のミネラル不足のリスクのつながりますので気をつける必要がありますが、規定量であれば健康な泌尿器を保つ助けになります。
人間とは違い猫はタウリンを体内で作ることができませんのでキャットフードに含まれている必要があります。
タウリンが不足すると網膜に異常が生じたり、心臓機能の低下につながりますので高齢の猫は特に意識的にとりたい栄養素と言えます。
目の病気や心臓病の予防だけではなく肝臓疾患の予防にもつながるので様々な病気を予防し健康を維持するために含まれていると良いと言えます。
ローズマリー抽出物
天然ハーブの一種ローズマリーから抽出した酸化防止剤で、抗酸化力が強く持続力も高いと知られています。
熱を加えても強いのでキャットフードのように高熱で加工されたものにも使え、ビタミンCやビタミンEなどと併用するとさらに効果的と言えます。
猫は人間より体の小さな生き物ですので、身体への影響を考えると天然保存料のほうが安全と安心につながります。
酸化防止剤
BHAや没食子酸プロピルが使われていますが、BHAは発がん性があるとささやかれているので心配される方も多いと思います。
実はBHAは私たちが普段食べる魚や肉の加工品やバターなどにも使われている酸剤化防止剤ですが、過剰摂取の危険な防腐剤として厳しく取り締まっている国もあります。
ロイヤルカナンの公式ホームページによればドライフードに含まれるBHAの使用基準は、実験でラットに発がん性が認められた量をはるかに下回る量に定められてとあります。
実際にドライフードに含まれる量のBHAでは、発がん性は認められていないとのことで大きな問題はないとされていますが、毎日の食事で自然と身体に堆積されていくのは影響がないとは言えません。
乳児には使用禁止とされている国もありますので、さらに体の小さい猫に与える影響は心配なことと言えます。
没食子酸プロビルについても発がんリスクや肝臓にダメージを与えると言われていますから、肝機能に障害のある猫には危険ですので注意しましょう。
酸化防止剤は製品の風味や劣化を防いで保存期間を延ばすことになり、食いつきの良さにつながっていますが添加物は身体に良いものとは言えませんの無添加のが良いのは言うまでもありません。
成分
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ここからは成分を見ていきましょう。
たんぱく質28.0%以上、脂質13.0%以上、粗繊維5.9%以下、灰分5.9%以下、水分6.5%以下とあります。
食物繊維13.0%、ビタミン(1㎏中)A 21.500IU、D3 700IU、E 600mg、カロリー含有量388kcal/100gとなっています。
肉食動物の猫の身体にとって大切なのはたんぱく質の量ですが、最低でも26%のたんぱく質が含まれている必要がありますが28.0%以上なので安心です。
たんぱく質が不足すると筋肉の減少につながりそれにより代謝の低下になり、体重の増加や様々な病気につながる可能性がありますので、健康に生活し続けるためには大切です。
食物繊維により便通を整え便秘を防ぎ、リコピンやビタミンやポリフェノールといった抗酸化成分をバランスよく配合されいて、さらにオメガ3系脂肪酸により毛づやを守ったり健康維持が期待できます。
一般的なドライキャットフードのカロリーは100gあたり400kcal前後ですので、低カロリーとは言えないでしょう。