模型雑誌として常に存在感を示しているホビージャパン。特にガンダムのプラモデルに関しては、質・量ともに「オフィシャル誌」といっても過言ではないほどのレベルです。そんなホビージャパンの編集者の一人が「転売ヤー擁護の発言」をしてしまったためSNS上で大炎上、ホビージャパンは編集者の処分に踏み切りましたが、その内容に賛否両論巻き起こる事態となっています。
ホビージャパン編集者、転売ヤー擁護発言で大炎上
プラモデルを趣味としている方ならご存知だと思いますが、ここ数年「ガンプラ」を中心に品薄が続いています。その主な理由として「転売の多さ」があげられ、人気商品になると発売と同時に・・・いや、発売前から定価を大きく上回る価格で転売されている状態です。
このような転売を少しでも防ぐべく、メーカーや小売店は知恵を絞っているのですが、残念ながらイタチごっこが続いている状況。そんな中、消費者の味方であるはずの「ホビージャパンの編集者」がTwitterで衝撃発言を連発・・・
「転売している人は、買えなかったあなたよりも努力してそれを勝ち取ったんです」
「転売を憎んでいる人たちは、買えなかった欲しいキットが高く売られているのが面白くないだけだよね?」
「転売するために売れているから、メーカーは潤っているんじゃないの??」
これに対し、当然フォロワーや騒ぎを聞きつけた人たちは「転売ヤーの味方なのか!?」と激怒!あっという間に大炎上してしまう事態に。
「転売容認する様な人はどの業界にも不要なので、辞めてもらえればそれでいいんで 本当に謝罪とかいらないですよ」
「酷いですねこれ… 本気で言ってるのだとしたらこの本は二度と手に取りません」
現在ご本人は謝罪をされており、問題は鎮静化に向かっております。
この度は軽率な発言で多くの方を不快な思いをさせてしまい大変申し訳ありませんでした。また、アカウントに鍵をかけるなどして見苦しい真似をしてしまいすみませんでした。
皆様からのご意見を真摯に受け止めて、これまでの考えを改めていく所存でございます。
誠に申し訳ありませんでした。 pic.twitter.com/MeydBOaWfX— ぺ@HJ&HJEX (@itod110) July 23, 2021
「ホビージャパン」が編集者に下した処分に賛否両論!
これを受け「ホビージャパン」は公式Twitterアカウントで7月24日当日に、公式ホームページ上では翌日には謝罪文を掲載しました。
・ホビージャパン編集部及び株式会社ホビージャパンの見解とは全く異なるものであり、当社はホビーに携わるものとして、ホビー商品のいかなる転売行為や買い占め行為も容認しておりません。
・当社としての考え方とは全く相容れるものではなく、ホビーに携わる人間としてあってはならないものであると考えております。
・当該社員に対しましては、社内規定に従って厳正に処分いたします。
【当社編集者のSNS等における発言につきまして 】 pic.twitter.com/Grkcln1bxY
— ホビージャパン編集部 (@HobbyJapan_MAG) July 24, 2021
引用:ホビージャパン「当社編集者のSNS等における発言につきまして」
そして転売ヤー擁護発言から2日後の7月26日、社内処分を発表。
当該社員
月刊ホビージャパン編集部 編集担当 退職処分管理監督者
常務取締役編集制作局長 譴責の上取締役に降格
月刊ホビージャパン編集部 編集長 譴責の上副編集長に降格
月刊ホビージャパン編集部 副編集長 譴責の上デスクに降格
本人が退職処分、今回の件に関わっていない管理監督者3名が降格処分という非常に厳しいものでした。
【弊社社員の不適切発言に関する社内処分について】
当該社員ならびに関係者の処分につきましてご報告いたします。
また、お客様ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけ致しましたこと、改めて深くお詫び申し上げます pic.twitter.com/zoE4GhOeBy— ホビージャパン編集部 (@HobbyJapan_MAG) July 26, 2021
これに対しネットの声は賛否両論。素早い対応に完璧な処分と称賛する声が多かったのですが・・・
「早い対応ですねバンダイから怒られました?とりあえずHJが常識ある企業で安心しました」
「批判してた人たちが、あまりにも重い処分で同情するようになるという完璧な采配」
退職処分という実質解雇となる処分に対しては「厳しすぎる」という意見も見受けられました。
「不適切発言をしたとはいえ、なかなか厳しい処分ですね」
「正直これで解雇は厳しすぎると思います」
「ガンプラ」の品薄は解消していない
先述の通り、ホビージャパンといえばガンプラ。現在品薄が続くガンプラですが、筆者が所有している「HGUCグフ」は定価1,650円に対し、現在の市場価格はほぼ倍の3,200円前後。更に人気のある機体だと3倍4倍は当たり前、という売り手市場となっています。
そこでガンプラ取扱店の店員さんに現状を伺ったところ、苦笑いしながらお話いただけました。
・とにかく人気商品の入荷がない
・入荷が読めないから予約が取れない
・予約が取れず常連さんが離れてしまった
・転売対策として1人1限、しかし集団で買い占められる
税金さえ納めていれば、法的に問題があるわけではないのですが・・・少なくとも小売店にとって、転売ヤーの存在が不利益に繋がっているようです。(今回はホビージャパンということでガンプラを例に挙げましたが、転売されている商品は多岐に渡ります)
人気商品を買い占めて、手に入らなかった人に高値で販売している状況は、未だ改善される気配がありません。今回は「正常な流通」を推進していくべき側の人間が、消費者の最も嫌う行為を正当化したために炎上、退職という非常に重い処分を下される事態になりました。
今回の件は、雇い主であるホビージャパンの対応が「迅速で評価できる」という声が非常に多かったのが印象的。退職処分はさすがに重すぎるという声もありましたが、現代社会におけるリスクマネジメントとしては、100点に近いものだったのではないでしょうか。
ガンプラといえば、エントリーグレードのRX-78-2を「袋に入れたまま」組み立てるという、変態的なプレイが流行ったことがありました。エントリーグレード(EG)も品薄気味なので、試せなかったのが残念です。
source:ホビージャパン公式サイト
画像掲載元:SS.ナオキ