REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン
ホンダ・CB650R.......979,000円
CB650FからCB650Rへ変身デビューを果たしたのは2019年1月21日のこと。黒、銀、赤の3 色が揃えられ国内販売計画台数は年間500台で3月に新発売された。
今回の試乗車は1年と10ヶ月ぶりのマイナーチェンジ。銀に替わってマットジーンズブルーメタリックを揃えた3 種とし、外観デザインもシートカウル等、細部に変更を受け、本体価格89万円は据え置かれて1月から新発売。国内販売計画台数は年間600台に増加している。
新旧モデルの比較で最も分かりやすいポイントはフロントフェンダーがタンクカラーと同色化されている点、従来は黒色フェンダーが採用されていた。
その他ではテールまわりのフィニッシュが異なっている。シートカウル&グラブバーのデザインが一新されライセンスプレートステー兼リヤフェンダーも手直しされた。
それ以外にも細部に熟成の手が入れられており、例えば倒立式フロントフォークがブランドは同じショーワ製ながら、新たにSFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)を採用。
これはヘッドまわりの高剛性設計が背景にあるが、ダンパー機能はフロントフォークの右側にのみに内臓され、左側はスプリングのみとすることで、トータルでフリクションの少ない優れた作動特性と軽量化に貢献。
そしてもうひとつ見逃せない進化が、ステアリング切れ角を大きく改善してくれたことである。従来モデルの切れ角は僅か32度だったが、今回は35度を確保してくれている点がとてもありがたい。
NEO SPORTS CAFE のスタイリングを採用しエンジンを中心とするメカ部分をギュッと凝縮。全体的に漂うダイナミックな雰囲気とその斬新なイメージは今も健在。
兄弟車として、あるいは弟分に成り得るかもしれない400 ccモデルをあえて同シリーズに加えていない点も、650ccというミドルクラスCB-Rの存在価値を高めていると思う。
小回り性能の向上で、Uターンも苦にならない。
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
⬛️主要諸元⬛️
CB650R
車名・型式:ホンダ・2BL-RH03
全長(mm):2,120
全幅(mm):780
全高(mm):1,075
軸距(mm):1,450
最低地上高(mm):150
シート高(mm):810
車両重量(kg):201
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):31.5(60km/h)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):21.3〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.8
エンジン型式:RH03E
エンジン種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒
総排気量(㎤):648
内径×行程(mm):67.0×46.0
圧縮比:11.6
最高出力(kW[PS]/rpm):70[95]/12,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):64[6.5]/8,500
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式:圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L):15
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
1速…3.071
2速…2.352
3速…1.888
4速…1.560
5速…1.370
6速…1.214
減速比(1次 / 2次):1.690 / 2.800
キャスター角(度):25゜30′
トレール量(mm):101
タイヤ(前/後):120/70ZR-17 M/C(58W)/ 180/55ZR-17 M/C(73W)
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク/ 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 /スイングアーム式
フレーム形式:ダイヤモンド
⚫️試乗後の一言!