昨年筆者はマツダ・ロードスターを使ったワンメイクレースのパーティレースⅢに参戦していた。2002年から続く、ナンバー付きワンメイクレースの老舗で、最近話題の86/BRZはガチのぶつかり稽古のようになっているそうだが、パーティレースはぶつかるとノーポイントのため、寸止めの美学が徹底されている。連載は終了したものの、いまいち結果が残せなかったそのワンメイクレースへのふたたび参戦できないかと機会をうかがっていた。しかし日程が合わずに結局出られることになったのは10月1日に開催される北日本シリーズの最終戦である。
正直なところレースでシリーズの最終戦に参戦するのはあまりうまいやり方ではない。シリーズを追ってきたレギュラー参戦陣は腕もマシンも熟成が進んでピークに達しているからだ。だから翌年の参戦に向けての腕試し、あるいはテストでもなければ、突然出場しても上位は望めずに徒労に終わる可能性が高い。だが今回はどうしてもこの北日本シリーズ最終戦に出場したかった。前述のとおり、昨年東日本シリーズ1戦、西日本シリーズ2戦にスポットで参戦し、おまけで年末の日本一決定戦にも参戦し、今年は残る北日本シリーズにスポットでも参戦できれば全国制覇(優勝はしていないけど)……と目論んでいたのだ。本当はこの日も取材の予定があったが、その取材はN編集長に押しつけて、レースを優先してしまった。