高速バスにモバイルバッテリーは、持ち込める? 預けていい?

今回の話題は、高速バスの「モバイルバッテリー事情」について。
モバイルバッテリーとは、携帯型の充電器のこと。あらかじめ自宅などで充電しておくことで、外出先など電源のない場所でもスマートフォンやタブレットを充電できる、便利なアイテムです。

最近の高速バスは電源設備付きのタイプが増えているため、バス車内ではモバイルバッテリーは基本的に不要になる場合が多いです。そして、高速バスではトランクルームに大きな荷物を預けることが可能。

となると、モバイルバッテリーは預け荷物に入れたい人が多いと思いますが……実はこれ、NG!

モバイルバッテリーは、バス会社からバス車内に持ち込むように呼びかけられています。

モバイルバッテリーは飛行機でも「預け荷物不可・機内持ち込みのみ可能」。さらに2025年7月以降は規定が厳格化され、「機内の手荷物棚に収納不可・利用する場合は必ず目の届く場所で」とされているのは、ご存知の方も多いかもしれませんね。

それに続いて高速バスでも、モバイルバッテリーの取り扱いについて、現在さまざまな制限が増えつつあるところ。小田急バスや東急バスなど多くのバス会社で、トランクルームへのモバイルバッテリーの預け入れが制限され始めているのです。


モバイルバッテリーをトランクルームに入れてはいけない理由は?

モバイルバッテリーは、いったい何が危険なのか? バスのトランクルームへの預け荷物はダメで、車内の手荷物ならOKとされている理由とは?

その理由は、モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われているため。リチウムイオン電池は、強い衝撃、熱、気圧の変化などによって、過熱・発火する可能性があるのです。

高速バスのトランクルームは、車両のエンジンルームに近いことが多く、熱がこもりやすい密閉構造になっています。また、エンジン付近の振動が発火の引き金になる可能性もあります。また何より、高速バスの座席空間よりは燃料系にも近く、万が一異常が起こった場合、誰もすぐに気付いて対処することができません。

そのため、モバイルバッテリーはトランクルームへの預け入れが不可。手荷物として手元で管理する必要があるのです。

「乗車中の短時間くらい」「自分ひとりくらい」と甘く見ず、トランクルームに荷物を預ける前には、モバイルバッテリーが預け荷物に入っていないかしっかり確認しましょう!


高速バスでモバイルバッテリーはどう取り扱うべき?

発火の可能性と聞くと身構えてしまいますが、安全に使い、異変にすぐに対応できるようにしてさえおけば、モバイルバッテリーを使うことには問題なし。下記に、安全に取り扱うコツをまとめました!


モバイルバッテリーは手元で管理

まずは預け荷物にせず、手荷物にしてバス車内へ持ち込むこと。そして、荷物棚に上げずに手元で管理するようにしましょう。万一の異変があったとしても、すぐに気付いて対処できるようにしておくのです。


タブレットやノートパソコンも同様に扱う

リチウムイオン電池は、モバイルバッテリーだけでなく、タブレットやノートパソコンの中にもよく使用されています。これらももちろん、トランクルームへ預けるのは危険。手元で確実に管理しましょう。

特にこれらの精密機器をトランクルームへ預ける場合、リチウムイオン電池の危険性だけでなく、走行中の振動や衝撃で故障につながる可能性もあります。そのためバス会社では、「トランクルームへの精密機械の預け入れはご遠慮ください」としている場合がほとんどです。


ほかにリチウムイオン電池を使っている製品がないかチェック

リチウムイオン電池を内蔵している製品は、上記のほかにもいろいろあります。例えば、携帯ゲーム機、電子タバコ、ワイヤレスイヤホン、デジタルカメラ、ハンディ扇風機など。医療機器に内蔵されている場合もあります。

「充電式で動くもの」は、リチウムイオン電池を利用している場合が多いもの。事前に使用上の注意などを確認し、バス車内では手荷物として扱うようにしましょう。


事前に状態を確認する

リチウムイオン電池を内蔵している製品は、事前に状態をチェックしておきましょう。破損していたり、少し膨らんでいたりする場合は、使わないのが一番です。古くなっていたり、長い間使っていなかったりする場合は、事前に動作確認を。何か「おかしいな?」と感じることがあったら、すぐに使用を中止しましょう。


大容量・大量の持ち込みはなるべく控える

リチウムイオン電池は、ある一定の容量を超えると発火時のリスクが上昇するといわれています。
参考:https://ugreen.jp/blogs/articles/2025powerbank

そのため、電力容量が大きいものはなるべく避け、持つ数も減らすのがベター。

ちなみに航空会社でのモバイルバッテリーの持ち込み規定は、一般的に「容量が100Wh以下のものはOK、100〜160Wh以下は2個まで、160Whを超える場合は持ち込み・預け入れともに禁止」とされている場合が多いです。(詳細は航空会社によって異なります)

なおリチウムイオン電池の容量(Wh)は、製品に記載がない場合、「電圧(V)×容量(mAh)÷1000=電力容量(Wh)」の計算式で求められますよ。

高速バスの場合は飛行機ほど厳密な規定はありませんが、電力容量の小さなものを必要最小限だけ持つことで、万一のリスクを大きく減らせます。


高速バス旅で、モバイルバッテリーを安全に持ち歩くために!

モバイルバッテリーは、適切に安全に使えば旅を快適にしてくれるアイテム。高速バス旅では、下記3点を改めて確認しましょう。

・モバイルバッテリー(や、リチウムイオン電池を内蔵している製品)は、手荷物として車内に持ち込む!
・事前に動作確認を!
・大容量・大量持ちは避ける!

これだけ押さえておけば、モバイルバッテリーを旅先でも快適に利用できますよ。

ちなみに高速バス旅でモバイルバッテリー問題をラクに解決するおすすめ策は、「電源設備がある高速バスを選ぶこと」。車内で直接コンセントやUSBポートからスマホを充電できれば、モバイルバッテリーは不要ですからね。

電源設備のある高速バスは、バス比較なびで検索可能。

出発地・到着地・乗車日などを入れて検索した後にプランを絞り込み、「設備・サービス」から「充電」の項目にチェックを入れて検索してみましょう。

出発地や到着地を入れたら…
赤枠部分をタップ

「充電」の項目にチェックを入れて検索!

目的地や料金と一緒に確認できるので、ぜひ便利に活用してみてください。

また、バスの乗車前・降車後に電源付きのラウンジを無料で利用できるサービスやキャンペーンなどもあります。これらも上手く活用すれば、モバイルバッテリーのほかにもさまざまな荷物を持ち歩く手間を減らせて便利! 併せてチェックしてみてくださいね。

また、その他の手荷物預かりルールについても一緒にチェックしておきましょう。


(陽月よつか)

情報提供元: バスとりっぷ
記事名:「 高速バスでモバイルバッテリーのトランクルームへの預け入れはNG! 理由と安全な持ち込み方・車内での注意点まとめ