封書を手に球団事務所を訪れた石川(撮影・梅根麻紀)

残留か移籍か-。ソフトバンク石川柊太投手(32)が8日、今年6月に取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使すると表明した。この日の午前中にみずほペイペイドームを訪れ、球団事務所に申請書類を提出。宣言残留を認めるホークスを含め、関心を寄せる全球団と話し合いを持つ意向を示した。13年育成ドラフト1位から実績を積み上げてきた右腕が、野球人生の岐路に立った。

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現役生活11年。国内FA権の行使へ、石川が大きな決断を下した。球団事務所に申請書類の提出を終え、真剣なまなざしで報道陣の前に立った。

「FA権に関する書類を出させていただいた。自分が野球界でどう評価されているのかを聞いてみたい。選択肢が広がることに価値があると思うので」

移籍が大前提ではない。「条件提示に関しては誠意は伝わっている」と言う。宣言残留を認めている球団は、全力慰留へ複数年契約をすでに提示済み。愛着のあるホークスか新天地での挑戦か。現状はフラットな状況で、五分五分。決め手となりそうなポイントについて「一番は『うちに、来てほしい』。そういうのが伝わってくるかを自分の中ですごく大事にしたい」。関心を寄せてくれるならば全球団OKの構え。交渉解禁となる15日から納得のいく答えを導き出す。

今季は先発、中継ぎの両面で存在感を示した。7勝2敗、防御率2・56。8月以降は先発6試合で5勝をマークした。推定年俸1億2000万円は人的、金銭ともに補償が発生しないCランク見込み。投手陣が手薄な球団にとっては魅力で“石川争奪戦”へ発展する可能性も高い。「悩むのか、悩まないかも分からない。他の球団に行った人たちを見ていると『あのひと言が刺さった』みたいなことがあるわけじゃないですか。流れに身を任せて進んでいく中でどうなっていくかってところです」。

13年育成ドラフト1位で入団。プロ3年目の16年7月に支配下登録され、通算185試合に登板した。56勝41敗、8ホールドと背番号3桁からキャリアを積み上げた。「『育成の星』として頑張ってきて、(FAを)取れる現実は夢を与えられるんじゃないかなと。うれしく思いますし、誇りに思いたい部分でもある」。FA宣言の結末は-。石川が野球人生の岐路に立った。【佐藤究】

情報提供元: 日刊スポーツ
記事名:「 【ソフトバンク】石川柊太が国内FA権行使、現状は五分五分「育成の星として」15日交渉解禁