DeNA三浦大輔監督が正力松太郎賞受賞、球団監督史上初 「評価されるべき」王貞治会長
またしても歴史に名を刻んだ。プロ野球の発展に大きく貢献した野球人に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で開かれ、DeNAを26年ぶりの日本一に導いた三浦大輔監督(50)が球団監督史上初受賞した。
球団を通じて「大変名誉な賞を受賞することができ、光栄とともに感謝申し上げます。選手、コーチ、スタッフが一丸となり受賞できたと思っています。今季の経験を生かし、進化の手を緩めることなく来季はリーグ優勝、そして日本一を果たせるようチーム一丸となり戦って参ります」とコメントした。
球団では前回のリーグ優勝、日本一に守護神として貢献した佐々木主浩氏(56=日刊スポーツ評論家)以来、2人目。またリーグ戦で優勝せずに受賞したのは07年の中日落合監督(2位)、10年ロッテの西村監督(3位)、18年、19年のソフトバンク工藤監督(2位)以来、5度目となった。
選考委員会の座長を務めたソフトバンク王貞治球団会長(84)は「ベイスターズの強さは実際に肌で感じました。見事に勝ち上がった三浦監督の手腕はやはり評価されるべきではないかと」と評した。
三浦監督は就任4年目の今季、リーグ戦は貯金2で3位に終わるも、CSファーストステージから破竹の勢いで勝ち上がった。阪神に2連勝でファイナルに進出。巨人にも3連勝で王手をかけ、その後2連敗で最終第6戦までもつれるも、同戦の9回にキャプテン牧の決勝適時打で17年以来、7年ぶりの日本シリーズ進出の権利を手にした。
ソフトバンクとの日本シリーズは2連敗で幕を開けるも、敵地・福岡に移動してから4連勝。最後は本拠地・横浜スタジアムで持ち味の攻撃力を見せつけた。貯金42のパ王者を圧倒し、98年以来26年ぶりの日本一を決めた。
また特別賞は21年、23年に続いてドジャース大谷翔平投手(30)が受賞した。移籍1年目の今季はメジャー史上初の50本塁打、50盗塁を達成し、ワールドシリーズも制覇。王会長は「期待に応えるではなくて期待を超える活躍を見せている。50-50というのも150年やったアメリカの記録ですから。今までにもメジャーに(日本人)選手が行って良い選手だ、というところにはいきましたけど、アメリカに参ったと言わせたのは、大谷くんは初めてだと思います」と絶賛していた。
◆正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に功績を残した正力松太郎氏を記念し、1977年(昭52)に制定。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に、選考委員が選出。受賞者の最多はソフトバンク工藤監督の5度。賞金500万円、特別賞は300万円。
◆選考委員 王貞治(ソフトバンク球団会長)、山本浩二(野球評論家、解説者)、高田繁(同上)、辻発彦(同上)、門田隆将(ジャーナリスト)