【侍ジャパン】井端監督抜てき“初侍”2人が躍動「良いところで使えたら」プレミア12へ白星発進
<日本代表練習試合:日本代表5-0広島>◇5日◇宮崎市清武
積極起用した“初侍”が躍動し、侍ジャパン井端弘和監督(49)が白星スタートを切った。5日、宮崎キャンプで広島と練習試合を行い、楽天辰己涼介外野手(27)が2打点、日本ハム五十幡亮汰外野手(25)が盗塁を決めるなど、日本の“初物”がそれぞれ輝きを放った。7回変則ルールも5-0で快勝し、8回にはタイブレークをテスト。収穫十分のキャンプを6日に打ち上げ「ラグザス presents 第3回プレミア12」開幕戦(13日、バンテリンドーム)に向けて名古屋へ移動する。
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“初物”のイキが、とにかく良かった。井端監督が「3番目の打者」と送り出した辰己が、1-0の5回に追加点の右前適時打。7回1死一塁の場面で、この試合2度目の代走・五十幡を送ると、3球目のボール球で二盗に成功。得点圏のチャンスで、再び辰己が左中間へ適時三塁打を放った。出て、走って、打っての3拍子そろった得点場面に、井端監督は「走るのを待てるのはさすが。あの打席は内容があった」と新たな武器が凝縮されていた。
27歳にしてピチピチの辰己は、新リードオフマン筆頭候補。陸上男子短距離のエース、サニブラウンにかつて勝ったことがある五十幡は“ポスト周東”の新韋駄天(いだてん)として、早くから目を付け代表に招集した2人だった。交代自由の変則ルールにおいて、6回、7回、さらにタイブレークで行われた8回にも、それぞれ3度の「代走・五十幡」を投入。5500人の観客がいる前で本番を想定した状況下、惜しみなく起用したから成功体験を演出することができた。
宮崎キャンプでは朝と夜、1時間の長風呂に入りながら、何度も頭の中で試合を繰り広げてきた指揮官。ほぼノーサインで進めながら、それぞれが持ち味をいかんなく発揮できたのは、今キャンプ中の練習の合間にコミュニケーションを繰り返した結果だった。同じく初侍の村林は二塁と三塁を守り、打力を買われた佐藤も捕手と一塁をこなした上で、それぞれ安打をマーク。“初物”の台頭に「良いところで使えたら」という確かな手応えは、5-0という快勝に加え、内容にも実りのあった証しだ。
チームは6日にキャンプを打ち上げ名古屋入り。日本シリーズに出場していた4選手も合流する。「またこの後も、1つ、2つ(状態を)上げて本番に臨める」。侍ジャパンにとって大収穫の一戦だった。【栗田成芳】
▽日本辰己(三塁打含む2安打2打点)「追い込まれることに嫌な感じがないので、その通りにできた。ホームランしか狙っていないです。日本背負っているんで」
▽日本五十幡(変則ルールで3度の代走出場に)「試合前から5回以降は代走メインで行くぞと言われていた。僅差のゲームを想定しようと決めて入ったので、慌ただしくならずにやれた」